葛飾区はどのような区なのでしょうか。
区の特徴や歴史、交通アクセスなどを見ていきましょう。

葛飾区の特徴

葛飾区の西は足立区・墨田区、南は江戸川区と東京と隣接していますが、東は江戸川を境に千葉県松戸市、北は大場川を境に埼玉県八潮市・三郷市と接する県境に位置する区です。
区内には河川や河川敷といった自然も残されており、水元公園をはじめ、多くの親水公園や河川敷を使った運動場などがあります。

区の全体の土地活用状態を見ると、住宅地が3割を超えて最も多く、区内全域に分布し、下町風情を感じる庶民的な街並みが形成されています。
駅の周辺に商業エリアが集中し、区の南西部を中心に中小の町工場や職人の工房といった工業地域が分布し、モノづくりの街、葛飾としての姿を見ることが可能です。

水元北部を中心に奥戸や柴又の一部にも農用地が今も残されており、古くから行われてきた小松菜栽培など近郊農業が行われています。
葛飾区は大きく、9つのエリアに分けられます。
それぞれの特徴を以下で見ていきましょう。

立石・四つ木エリア

立石・四つ木エリアは居酒屋好きの方の間では、飲み屋街として知られています。
葛飾区伝統産業館があり、100年以上にわたって受け継がれてきた職人の技術が誇る伝統工芸品を見て、触れて、購入することもできます。
職人の仕事を間近で見られる体験教室なども開催されており、ものづくりの街、葛飾区を体感することが可能です。

世界的な玩具メーカーとなったタカラトミーの本社も、このエリアにあります。
社屋の一部をショーウインドウにして歴代の玩具がディスプレイされていることや社員食堂はあえて設けず、地元の飲食店とつながりを持つなど、葛飾区発祥の企業として地域の方にも親しまれています。

新小岩エリア

新小岩エリアのシンボル的な存在は、南口に約450mにわたって続くルミエール商店街です。
雨でも傘をささずに買い物できるアーケード商店街で、さまざまなジャンルのお店が140店あまり並んでいます。

新小岩の北口エリアにはかつては森永乳業の工場がありましたが、新小岩の住民が誇る企業といえば、セキグチです。
1974年に発売されて、ブームを巻き起こしたモンチッチをはじめ、ぬいぐるみやオルゴールなどを製作販売しているメーカーです。
モンチッチは2012年に葛飾区観光協会の広報課長に就任するなど、今も葛飾区民に愛されています。

高砂・鎌倉エリア

高砂・鎌倉エリアには、その昔、中川が決壊してできたと言われる怪無池があり、白ヘビがいるという言い伝えがあります。
白ヘビは神の使いとされ、池のほとりに青龍神社が造られました。

青龍神社では伝統的に雨乞いの神事が行われており、水を司る神聖な神社として地域の方に親しまれています。
水辺のある憩いの場であるとともに、パワースポットとしても人気です。

柴又エリア

柴又といえば、全国的にもメジャーで、東京観光スポットの一つです。
寅さんの映画で有名になった、帝釈天があるほか、参道沿いの商店街では、多くの人が食べ歩きを楽しむことや寅さんグッズや老舗の和菓子といったお土産を買っています。

柴又には千葉県の松戸方面へ渡る矢切の渡しがあります。
小説や演歌にも登場する矢切の渡しは、今も遊覧観光目的で船で渡ることが可能です。

水元エリア

水元エリアのシンボルといえば、都立水元公園です。
93万平方メートルという広大な敷地に広がる親水公園です。
水生の動植物が生息しており、リフレッシュや自然観察なども楽しむことができます。

金町・新宿エリア

金町・新宿エリアには2013年に開設された東京理科大学の葛飾キャンパスがあります。
先端融合領域の研究を行う学園パーク型キャンパスとして誕生し、図書館やホールは葛飾区民にも開放されており、子どもたちが科学に親しめるサイエンスフィールドなどもあり、地域とつながっているのが魅力です。

亀有・青戸エリア

亀有・青戸エリアで有名なものといえば、漫画の「こちら葛飾区亀有公園前派出所」です。
亀有駅近くには両さんの銅像も建てられています。
聖地巡礼で漫画ファンが訪れるなど、漫画の世界をイメージしながら歩けるエリアです。

堀切・小菅エリア

堀切・小菅エリアの二大シンボルといえば、堀切菖蒲園と東京拘置所です。
堀切菖蒲園は江戸時代の花弁栽培に由来し、安藤広重の「名所江戸百景」にも描かれた歴史を持ちます。

戦争の混乱を経て、戦後に現在の菖蒲園が開園しました。
初夏の菖蒲のシーズンは多くの来園者で賑わいます。

小菅駅にあるものといえば、東京拘置所と刑務官の社宅くらいといったエリアです。
東京23区内で起きた犯罪の未決拘禁者を収容する場所です。
2007年完成した庁舎は、塀のない拘置所として話題を集めています。

お花茶屋・白鳥エリア

お花茶屋・白鳥エリアには葛飾区郷土と天文の博物館があります。
葛飾区の歴史や文化などを知ることができる博物館で、学芸員が常駐して解説などもしてくれます。

天文の博物館として、プラネタリウムが見られることでも人気です。
137億光年先の宇宙をシミュレートできる、世界最新のデジタルプラネタリウムが導入されており、オリジナルのプログラムが上映されています。

葛飾区の歴史

葛飾区の歴史

葛飾区はどのような歴史を持つ区なのか見ていきましょう。

江戸時代

その昔の葛飾区エリアは、現在の千葉県・埼玉県・茨城県と東京都の一部に広がる下総国葛飾郡に属していました。
中川や江戸川などが流れ、水源が豊であったことから、畑や水田で農業が営まれる農村地帯だったと言われています。

明治時代から昭和時代の区の変遷

17世紀に江戸幕府の水利事業により、利根川が東に移されたことにより、江戸川から西の地域は武蔵国葛飾郡となり、明治11年に東京府南葛飾郡に属するようになりました。
明治22年には旧7カ町村(1町6カ村)に編成されるに至ります。

明治時代から大正時代の葛飾区エリアは、河川の水運や水利を活用して、大きな工場が建ちはじめ、工業も発展していきます。

その後、洪水対策として荒川が開削された結果、行政区画に変化が生じたことから、昭和7年に旧7カ町村が合併し、東京市葛飾区が誕生しました。

明治時代から昭和時代にかけて葛飾区エリアにも鉄道が通り、駅が開業すると、駅前を中心に開発が進んでいきます。

やがて、駅からは離れていた農地も住宅地へ転換されていきました。
平成に入り、主要駅周辺を中心により都市化が進み、現在の姿になっています。
令和に入り、葛飾区で長く操業してきた森永乳業東京工場が閉鎖されたことにともない、大規模跡地が発生し、その開発がどう進んでいくかが見どころです。

葛飾区の交通アクセス

葛飾区には北からJR常磐線、京成電鉄、JR総武本線が通っています。
中でも総武本線は千葉県から東京の秋葉原や神田、市ヶ谷や飯田橋、新宿などのオフィス街を通り、三鷹へと行く路線で通勤にも、ビジネス移動にも便利な路線です。

千葉方面も幕張や津田沼、船橋、千葉へとダイレクトに出られるので、ビジネスでの移動などにも使いやすいです。

道路網は南西から北東に水戸街道(国道6号)と蔵前橋通りが走り、これらと直交する形で環状7号線や平和橋通りなどの主要幹線道路が通っています。
車での移動もスムーズです。

葛飾区のオフィス賃料相場

葛飾区の賃料相場の坪単価は20坪~30坪のオフィスで9,000円前後、50坪~100坪のオフィスで8,500円前後となっています。
最寄駅や駅からの距離、周辺環境をはじめ、オフィスビルの築年数や規模、設備やセキュリティ体制などによっても変動しますので、確認が必要です。

まとめ

葛飾区は寅さんの映画やこち亀の漫画などの舞台にもなるなど、寅さんファンや両さんファンの巡礼スポットにもなっています。
庶民的な街並みが広がり、都内の中では物価も安く生活がしやすい街です。
オフィスを構えても、買い物や飲食の費用が抑えられ、総武本線や京成線などの鉄道網を使って通勤やビジネス移動もできるので利便性は悪くありません。

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