本駒込は東京都文京区にある地域です。本駒込と言われてもピンと来ないかもしれませんが、美しい庭園と春の枝垂桜で有名な六義園がある場所です。

本駒込はどのような特徴や歴史を持つ街なのか見ていきましょう。

本駒込の特徴

本駒込は東京都文京区にあり、豊島区と接するエリアに位置します。駒込という地域もあり、駒込駅もありますが、こちらは豊島区にあたります。では、文京区本駒込はどのような地域なのか特徴を見ていきましょう。

六義園がある街

六義園は都内でも人気の庭園の1つで、四季折々の草花が楽しめる由緒ある場所です。小石川後楽園と並び江戸の二大庭園に数えられる名所が本駒込にはあります。

元禄8年(1695年)、柳澤吉保が五代将軍の徳川綱吉から下屋敷として与えられた土地を柳澤吉保自らが設計し、7年の歳月をかけて造園した回遊式築山泉水庭園です。

現在では特に春の枝垂桜が有名で、桜の季節には多くの見物客が訪れます。

文教エリア

本駒込には東洋大学や日本医科大学はじめ、名門の小中学校が集まっており、東京大学がある隣の本郷エリアとともに文教地区を形成しています。学生が多い街であることから治安も良く、安心して過ごせます。

お寺が多く閑静な環境

本駒込には、本駒込駅界隈に10以上のお寺が集まっています。なぜ、この地にお寺が多いかというと、江戸時代の明暦の大火で焼け出された寺院が、移転してきたためです。

都心にありながら、歴史ある日本庭園である六義園があるほか、お寺も多いため、落ち着いた雰囲気を楽しみたいと散策に訪れる方も少なくありません。中でも諏訪山吉祥寺は、文教エリアでもある本駒込とも地縁が深く、江戸時代に駒澤大学の前身となる旃檀林の学寮が設けられていました。

旃檀林は湯島にあった昌平坂学問所と並ぶ漢学研究の中心地であり、常時1000人を超える学僧が学んでいたと伝えられています。諏訪山吉祥寺の境内には報徳思想を提唱し、小学校に銅像が建てられることが多い二宮尊徳の墓碑があるほか、八百屋お七・吉三郎の比翼塚など見どころも豊富です。

また、本駒込駅すぐの場所にある常徳寺には、病気や痛みなどに苦しむ人の身代わりになるという身代わり地蔵尊があり、多くの人が病気の治癒などを願って参拝に訪れています。

高級住宅街がある

本駒込には知る人ぞ知る高級住宅街があります。大和郷と呼ばれる都内屈指の高級住宅街で、アドレスとしては六義園に隣接した本駒込6丁目のエリアです。

古くから武家屋敷などがあったお屋敷街を三菱財閥の創業者である実業家の岩崎弥太郎が買取、その後、三菱財閥3代目の岩崎久弥が富裕層向けに分譲したものです。

三菱の重鎮をはじめ、政財界の著名人が購入し、広大な敷地に邸宅を建てて暮らしていました。24代首相の加藤孝明や25代・28代首相の若槻礼次郎、44代首相の幣原喜重郎と3人もの総理大臣が暮らした高級住宅街としても有名です。

本駒込の歴史

六義園や大和郷、お寺がたくさんある街など歴史がある本駒込は、どのような歴史をたどってきたのでしょうか。本駒込の古い歴史を見ていきましょう。

本駒込の地名の由来

本駒込という地域名が付いたのは、この地域一帯にあった本郷と駒込を合わせたものと言われています。本郷にある駒込なので本駒込という名が付いたというものです。

本駒込を縦断する本郷通りは江戸時代には、日光御成道とも呼ばれていました。徳川将軍家が日光東照宮へと参拝する際に通った道であったことから、こうした呼び名が付いています。

六義園の歴史

現在でも本駒込のシンボル的存在である六義園は、五代将軍の徳川綱吉の側用人であった川越藩主の柳沢吉保が1702年に造成したものです。

六義園という名称は、柳沢吉保の文学的造詣の深さを反映し、中国の古い漢詩集である「毛詩」に登場する「詩の六義」から名付けられたと伝えられています。文教エリアでもある本駒込に、六義園という庭園があるのも無縁ではありません。

中の島を有する大泉水を、季節が感じられる緑豊かな樹林が取り囲む形になっており、紀州和歌の浦の景勝や和歌に詠まれた名勝の景観が八十八境として映し出される繊細な仕様です。

六義園は明治時代になってから、三菱の創業者である岩崎彌太郎氏が購入しました。その後、昭和13年に東京市に寄付され、公園として一般公開されるに至ります。戦後の昭和28年3月31日には国の特別名勝に指定されました。

大和郷の歴史

本駒込の高級住宅街として、多くの政治家や財界人が邸宅を構えていた大和郷は、江戸時代は加賀百万石の石高を誇った加賀藩前田家の武家屋敷でした。

江戸幕府が倒れ、明治維新が起こると、諸藩が所有していた土地は幕府に返納されましたが、この場所も六義園と同じで、三菱財閥の創業者である岩崎弥太郎が購入しています。その後、三菱財閥の3代目となる岩崎久彌が、この地域を開発し宅地を形成しました。

この宅地を大和郷(やまとむら)と名付け、大正11年(1922年)に富裕層向けに分譲地として販売します。一つひとつの区画が広く、邸宅街として政治家や財界人などが購入し、邸宅を建てるに至りました。

なお、大和郷という名称は、隣接する六義園を造園した柳沢吉保の柳沢家に由来します。柳沢家は1724年になると、現在の奈良県にある大和郡山へと領地を移されてしまいましたが、幕末に至るまで六義園は柳沢家の下屋敷として使用され続けていました。

そこで、六義園に隣接する地域を柳沢家の移転場所から名を借りて大和郷と名付けたようです。

お寺が集まった理由

本駒込にお寺が多いのは、江戸時代の明暦3年(1657年)に起きた明暦の大火がきっかけとなります。約3日間にわたって延焼を続け、江戸一帯が焼け出され、死者は10万人にも及んだという説もあります。家屋などが密集していたことが、大災害を招いた原因とされ、明暦の大火後は防災都市の形成に重点が置かれました。

その一環として、大名屋敷や寺院・神社などが、下町エリアから移転していきました。その1つの場所として本駒込に多くの寺院が移転してきた歴史が残されています。

本駒込の交通アクセス

本駒込の交通アクセス

本駒込には東京メトロ南北線の本駒込駅があります。お隣駅の駒込駅は本駒込駅と異なり、豊島区になりますが、駒込駅に出れば、JR山手線に乗り換えられるので便利です。

本駒込の立地によっては、JR山手線の駒込駅まで歩いて行くことも可能な距離です。南北線を使えば、飯田橋駅や市ヶ谷駅、四ツ谷駅をはじめ、永田町駅や溜池山王駅、六本木一丁目駅、目黒駅などのオフィス街にもダイレクトにアクセスできます。

南北線は赤羽岩淵駅から埼玉高速鉄道へと直通運転を行っており、都心に通う方のベッドタウンである埼玉県川口市やさいたま市と繋がっています。そのため、埼玉方面からの通勤にも便利です。

本駒込のオフィス賃料相場

本駒込の賃料相場の坪単価は20坪~30坪のオフィスで20,000円、30坪~50坪のオフィスで17,000円、50坪~100坪のオフィスで16,000円、100坪~200坪で20,000円、200坪以上のオフィスで20,000円前後となっています。

駅からの距離や立地、周辺環境をはじめ、オフィスビルの築年数や規模、設備、セキュリティ体制などによっても変動しますので、確認が必要です。

まとめ

本駒込は歴史や文化が根付いた地域で、六義園があり、数々のお寺もある閑静な地域です。大学や名門の小中学校も多い文教エリアであり、治安も良く、暮らしやすい街です。

東京メトロ南北線も通っているのでビジネスでの移動や通勤も便利にできます。

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