本郷といえば東京大学があることで有名なエリアです。
今回は、本郷はどのような街なのか、特徴や歴史を見ていきましょう。
目次
本郷の特徴
本郷は東京都文京区に位置し、東大の赤門があることで、テレビ番組などにもよく取り上げられます。
どのような特徴がある街なのか見ていきましょう。
東京大学のある街
東京大学は、1877年に創設された国立大学であり、日本の最高学府です。赤門をはじめ、歴史的な事件が起こった安田講堂や、夏目漱石の小説にも登場する三四郎池などがあります。
一般公開もされており、東大受験を目指す学生やその保護者、東京観光に訪れた人たちも散策しています。
アカデミックな文教エリア
東京大学をはじめ、本郷は名門の小中学校や、東大合格を目指す進学塾などが集まっているエリアです。東大生が歩く姿も多く見られ、アカデミックな雰囲気が漂う文教エリアです。
文学散歩スポットとしても人気
本郷の地には東京大学に所縁があった文学者をはじめ、森鴎外や夏目漱石、石川啄木、樋口一葉、宮沢賢治など多くの文豪が暮らしていた歴史があります。そのため、文学ファンが聖地散策のように訪れるケースも多いです。
東大赤門の近くには樋口一葉資料館をはじめ、夏目漱石や宮沢賢治が暮らしていた住居跡があるほか、本郷の街を歩いていると、彼らの小説に登場する名称のお店が現在でも残っています。
樋口一葉が買い物をしたと記している「かねやす」は発展してビルとなっており、樋口一葉をはじめ、夏目漱石の小説にも登場する、羊羹の藤むらなどの建物も残されています。小説を片手に訪れる文学ファンも少なくありません。
本郷5丁目には菊富士ホテルのあった場所に跡地の碑が建っています。今はなきホテルですが、この場所に、かつて宇野千代や坂口安吾、谷崎潤一郎、正宗白鳥、竹久夢二などが集い、文学談義を繰り広げることや静かな環境で執筆に興じていたという歴史を有しています。
学生街なので便利
東京大学を中心とする学生街なので、リーズナブルな価格でボリュームたっぷりの定食やラーメンなどが食べられるお店や、安い居酒屋も多く、近隣にオフィスを構えるオフィスワーカーにとっても、ランチや仕事終わりの飲み会に重宝します。
東大生や教授陣が集う、読書しながらお茶ができる静かな雰囲気の喫茶店などもあり、静かな雰囲気で仕事をしたい時などにも便利です。
高級住宅街と格安アパートの融合
本郷は東大があるエリートのイメージがあり、孟母三遷で東大合格を目指して近くに暮らそうとするファミリー向けに高級マンションなども建ち並んでいます。
セキュリティが気になる女子大生向けの高級賃貸マンションや、親も東大卒のエリートで子どものために高級ワンルームマンションを購入するなどのケースも少なくありません。
一方で、経済的な理由で学費が安い国立大学を選んだ学生向けの格安ながらも築年数の経ったアパートが今も残されていたり、極狭のワンルームマンションなども珍しくありません。
学生によっては勉強や研究が忙しく、アルバイトで稼ぐ時間もない方もいるので、格安の賃貸住宅へのニーズは依然として高いです。
本郷の歴史
本郷は帝国大学以前からの東大の歴史や、文豪が集まった街など歴史も深い街ですが、どのような歴史をたどってきたのか見ていきましょう。
江戸時代の本郷
東京大学の本郷キャンパスが西面する本郷通りは、5街道の1つである中山道でもあったことから、江戸時代には中山道に沿うように加賀藩の上屋敷や小笠原佐渡守の中屋敷などの大名屋敷や武家屋敷、寺社などが集まっていました。
明治時代の本郷
明治維新が起こると幕府時代の領地は政府に没収されるなどしました。大名屋敷や武家屋敷の跡地の多くが東大のキャンパスになっています。肥前唐津藩下屋敷は地震研究所や農学部のグランド、野球場などになっており、水戸藩中屋敷の跡地には応用微生物研究所や農学部、農場などになっています。
加賀藩江戸藩邸の跡地には、本郷消防署や文京区立四中の敷地になりました。東京大学の中で、最も古い現存する建築物は赤門ですが、赤門はもともと文政10年(1827年)に第11代将軍徳川家斉の娘である溶姫が、加賀藩第13代藩主前田斉泰に嫁いだ際に建立されたものです。
東京大学のために設立された門ではなく、2人の新居となった御守殿の門でした。東京大学キャンパスのシンボル的な存在で、夏目漱石の小説にも登場する三四郎池も、2人の新居の庭園に設けられていた池です。
東京大学が本郷の地に広大なキャンパスの敷地を得られたのも、三四郎池などのある美しい環境が整備されているのも、江戸時代にこの地に広大で立派な大名屋敷や武家屋敷などがあったことが大きく影響しているのではないでしょうか。
古くから続く文教エリア
本郷をはじめ、隣接する湯島などのエリアは、古くから文教エリアとして歴史を刻んできました。江戸時代には幕府の直轄学校でもある昌平坂学問所が湯島に設置され、跡地にはお茶の水女子大学の前身となる東京女子師範学校や筑波大学の前身となる東京高等師範学校、東京学芸大学の前身となる東京府女子師範学校が設けられました。
それらの大学が移転した跡地には東京医科歯科大学の湯島キャンパスが移転してきています。東京大学も、加賀藩などの屋敷跡に設置され、その場所には東京大学の本郷キャンパスのほか、東京大学医学部附属病院や東京大学総合研究博物館、東京大学東洋文化研究所、東京大学社会科学研究所などの主要機関も勢ぞろいしているエリアです。
こうした文教エリアであったことから、東大出身か否かを問わず、本郷エリアには多くの文豪が暮らしてきた歴史もあります。樋口一葉や石川啄木などが暮らした住居跡などが残っており、文学ファンの散策スポットとしても人気です。
本郷の交通アクセス
本郷には東京メトロ丸ノ内線と都営大江戸線の本郷三丁目駅があります。池袋駅まで4駅で出られるので、JR山手線への乗り換えもでき、東武東上線や西武池袋線などの私鉄にも乗り換えられるので、ビジネスでの移動や通勤にも便利です。
丸ノ内線を使えば、大手町駅や東京駅、銀座駅や霞ヶ関駅や国会議事堂前駅、赤坂見附駅や四ツ谷駅、新宿駅などオフィス街や官公庁街などにダイレクトに行けるのでビジネスシーンにも役立ちます。
都営大江戸線は飯田橋駅や都庁前駅をはじめ、勝どき駅や汐留駅など最新のオフィス街、羽田空港へ向かう東京モノレールに乗り換えられる大門駅、六本木駅や青山一丁目駅、代々木駅や新宿駅などのオフィス街にダイレクトに行けます。
さらに、練馬駅や光が丘駅などの都心に通う人が暮らすベッドタウンとも繋っているため、本郷にオフィスがあると人材採用にも有利に働くのがメリットです。
本郷は東京大学などもあり、都営バスなどの路線バスの便も豊富なので、近隣への移動もスムーズです。
本郷のオフィス賃料相場
本郷賃料相場の坪単価は20坪~30坪のオフィスで14,000円、30坪~50坪のオフィスで15,800円、50坪~100坪のオフィスで15,300円、100坪~200坪で円19,300円となっています。
駅からの距離や立地、周辺環境の影響や、オフィスビルの規模や築年数、設備やサービスなどによっても変動しますので、確認が必要です。
まとめ
本郷は日本の最高学府である東京大学の本キャンパスがある場所であり、歴史もある文教エリアです。
キャンパス内の緑も豊かで歴史ある有名な建物も多いですが、街全体としてアカデミックな雰囲気があります。
本郷三丁目駅から東京メトロ丸ノ内線と都営大江戸線が使えるため、ビジネスでの移動や通勤にも便利です。