中野駅を中心とした中野エリアは現在複数の再開発事業が並行して進行しており、進化を続けているエリアです。
大規模な高層オフィスビルや複合施設も建設が計画されており、将来的に中野エリアにオフィスを構えたいと考えている経営者も多いでしょう。
この記事では中野エリアの特徴や歴史、交通アクセスだけでなく、中野エリアのオフィス事情や賃料相場などについても詳しく紹介していきます。中野でオフィスの賃貸を検討されているなら、ぜひ参考にしてください。
目次
中野の特徴
中野エリアは中野駅を中心に、北側を走る早稲田通りと南側を走る青梅街道に挟まれたエリアです。中野区の行政の中心であり、中野駅周辺には中野区役所や中野税務署などの行政機関や公的施設が集積しています。
エリア内にはJRのほかに東京メトロ東西線や丸ノ内線、都営地下鉄大江戸線などの路線が乗り入れており、都心へのアクセスに優れています。
このアクセスの良さから中野駅周辺のエリアは多くの人が集まるエリアとなっており、23区の中でも特に人口密度が高いエリアの1つです。
駅前には「中野サンモール商店街」「中野ブロードウェイ」「中野サンプラザ(閉館)」といった商業施設が建ち並び、都内でも有数の繁華街となっています。また、近年は「100年に1度」と言われるほど大規模な再開発が行われており、その変化が注目されているエリアです。
中野の歴史
中野は現在では都内でも有数の繁華街、オフィス街として知られていますが、このような街並みはどのような歴史や変遷を経て形成されてきたのでしょうか。
江戸時代は小麦やそばの生産を行う農村として発展
江戸時代の中野エリアは青梅街道沿いの農村であり、江戸幕府からは鷹狩りの地に指定されていました。五代将軍綱吉の時代には「生類憐みの令」により保護された野犬の収容地として、現在の中野駅周辺に100haにも及ぶお囲い(犬小屋)が置かれ、30万頭ほどの野犬が収容されていたと記録されています。
八代将軍吉宗の頃になるとお囲いのあった場所に高円寺から「桃園」を移し、桃の花の名所として多くの観光客で賑わうようになりました。
また、農地から収穫した小麦から作られた味噌や醤油、ビールなどの工場が整備されました。そばの生産量も多く、江戸時代に江戸で消費されたそばのほとんどが中野エリアで生産されたものだと言われています。
明治時代に中野駅が誕生し、市街地化が進む
明治時代になると甲州鉄道が開通したことに伴って「中野駅」も開設されました。中野エリアの北には江戸時代から多くの参拝客を集めた「新井薬師」や「北野神社」があったことから、中野駅は参拝客で賑わうようになります。
また、1897年以降は陸軍の鉄道隊や通信隊など軍事関係の施設が次々に中野駅の北口側に建設されたことで、軍人やその家族が移り住んできたことから一気に人口が増えて市街地化が進みました。
関東大震災後にはベッドタウンとして発展
1923年の関東大震災により東京は大きな被害を受けますが、武蔵野台地にある中野エリアは地盤が強固だったことから被害が少なく、被害の大きかった地域からたくさんの人々が流入してきます。
これによって中野エリアの人口が爆発的に増えたことから駅前から現在の中野ブロードウェイにかけて商店街が形成され、中野駅は都心のベッドタウンとして発展していきます。
戦後に闇市から繁華街へ
中野エリアに米軍の駐屯地が置かれたことから横流しされた物資を闇市で捌く商人が増え、その闇市が戦後に商店街へと発展していきました。
1960年代になると東京メトロ東西線が開通したことに伴って中野ブロードウェイや中野サンプラザも開業し、繁華街として多くの商業施設が軒を連ねる繁華街となります。
再開発により進化する中野エリア
バブル期には「まんだらけ」をはじめとするサブカルブームに乗って中野駅周辺も「サブカルの聖地」として人気を集めましたが、1990年代以降は施設の老朽化などにより再整備の必要性が叫ばれるようになりました。
2000年代に入ると具体的に再開発プロジェクトが計画されるようになり、2010年以降は実行に移されてきています。現在も中野エリアで複数の再開発プロジェクトが進行中であり、今後街並みがどのように変化するのか注目です。
中野の交通アクセス
中野には、エリアのほぼ中央に位置する主要駅「中野駅」以外にも「新中野駅」「東中野駅」「中野坂上駅」と4つの駅を利用することが可能であり、非常に交通アクセスが良いのが特徴です。
ここでは、それぞれの駅のアクセスについて具体的に見ていきます。
新宿駅まで5分、都心へのアクセスに優れた中野駅
中野エリアの主要駅である「中野駅」にはJR中央線・総武線、東京メトロ東西線の3つの路線が乗り入れています。中央線快速を利用すれば新宿駅まではわずか5分ですし、東京駅へも17分で移動することが可能です。
新宿駅で山手線に乗り換えれば池袋駅や渋谷駅へは20分足らず、品川駅へも30分で到着するので、都心の主要駅へのアクセスは申し分ありません。三鷹駅や立川駅、八王子駅など西東京エリアへも便利に移動することができます。
東西線は中野駅から千葉県の西船橋駅までを繋ぐ路線です。混雑の激しい中央線・総武線のバイパス的な役割を果たす路線であり、高田馬場駅や飯田橋駅、大手町駅などへダイレクトにアクセスできるのが特徴です。
総武線・中央線と直通運転を実施しており、中野駅から先は三鷹駅まで、西船橋駅より先は津田沼駅まで乗り換えなしで利用できます。
新宿駅・東京駅にダイレクトにアクセスできる新中野駅
「新中野駅」は中野エリアの南側に位置する、東京メトロ丸ノ内線の駅です。新宿駅から3駅目で、所要時間は7分です。1路線しか走っていないことに不安を感じるかもしれませんが、新宿駅にはJR・私鉄・地下鉄を合わせれば10を超える路線が乗り入れているので、アクセスに不安はありません。
渋谷駅や池袋駅までは20分ほど、東京駅へは乗り換えなしで26分で到着します。
JRと地下鉄大江戸線の2路線利用可能な東中野駅
「東中野駅」は中野駅の東側にある駅で、神田川を挟んで新宿区と境を接するエリアにあります。
JR中央線・総武線と都営地下鉄大江戸線が乗り入れている駅です。JRの駅としては中野駅よりも新宿駅に近い場所にありますが、快速電車は停車しません。
そのため、新宿駅までの所要時間は中野駅と同じ5分ですが、東京駅へは乗り換える必要があるので中野駅発よりも所要時間が若干多くなり、25分ほどかかります。それでもアクセスは十分に良好と言えるでしょう。
大江戸線は練馬区の光が丘駅から新宿駅までを直線的に、新宿から先は都内を環状に結ぶ路線です。東中野駅から新宿駅までの所要時間はJRが5分、大江戸線は9分ですから大江戸線のほうが時間はかかりますが、代々木駅や六本木駅、飯田橋駅などに直接アクセスできるのが強みです。
新宿へのアクセスが抜群の中野坂上駅
中野エリアの南東側にある「中野坂上駅」は、高層ビルが建ち並ぶ西新宿のオフィス街のすぐ近くにある駅です。JRの路線は通っていませんが、東京メトロ丸ノ内線、都営地下鉄大江戸線と地下鉄2路線を利用することができます。
丸ノ内線は池袋駅から荻窪駅までを結ぶ本線と方南町駅までを結ぶ分岐線があり、ちょうど中野坂上駅が分岐駅となっています。丸ノ内線を利用することで新宿駅まではわずか3分、東京駅へも22分で移動することができます。
また、大手町駅や霞ヶ関駅、銀座駅などの主要駅にダイレクトにアクセスすることが可能です。池袋駅へも乗り換えなしでアクセスできますが大回りになるため、新宿駅から埼京線などに乗り換えたほうが時間を大幅に短縮できるでしょう。
さらに、中野坂上駅からは大江戸線を使って新宿駅に出ることもできるので、新宿駅へのアクセスは抜群です。新宿エリアからほど近い場所で仕事の拠点を探すなら中野坂上駅周辺はおすすめです。
中野のオフィス賃料相場
中野エリアで大規模なオフィスを探すなら、中野駅周辺あるいは中野坂上駅周辺がおすすめです。中野駅は言うまでもなく中野エリアの主要駅であり、交通アクセスの良さから大企業の本社や支社が入っているオフィスビルが建ち並んでいます。
この記事でも紹介した通り、中野駅は大規模な再開発プロジェクトが複数進行中であり、今後も高層のオフィスビルや複合施設が次々に建設される予定です。
魅力的な物件が増えることで中野駅周辺のビジネス街としてもブランドも高くなることが予想されるので、さらなる活性化が期待できるでしょう。
中野駅周辺のオフィス賃料相場は、30~50坪の物件で坪単価16,620円、50坪~100坪の物件が18,460円、100坪超の物件で22,700円です。中野坂上駅周辺も中野エリアでは注目のビジネス街です。
中野坂上駅の最大の強みは、超高層ビルが建ち並ぶ都内屈指のオフィス街「西新宿」に隣接していることです。青梅通り沿いは特にオフィスの需要が高いエリアであり、オフィスを構えることで企業のイメージアップにも繋がるでしょう。
中野坂上駅周辺のオフィス賃料相場は、30~50坪の物件で坪単価11,750円、50坪~100坪の物件が9,000円、100坪超の物件で27,000円です。
まとめ
今回は、中野エリアの特徴や賃貸オフィスの情報を紹介してきました。中野エリアといえば東京を代表する繁華街の1つであり、「サブカルの街」「学生の街」といったイメージを持っている人も多いかもしれません。
しかし、大規模な再開発によってこれからはビジネス拠点としての性格が強まっていくと考えられます。魅力的なオフィスビルの建設も計画されているので、中野エリアでオフィスを検討されているのであれば以下のサイトで情報をこまめにチェックしてみてはいかがでしょうか。