竹ノ塚と聞いて、すぐにピンと来る方もいれば、どのエリアか分からないという方もいるかもしれません。

竹ノ塚は、東武伊勢崎線沿線にあり、東京都足立区と埼玉県の境に位置する地域です。どんな特徴や歴史があるのかを見ていきましょう。

竹ノ塚の特徴

竹ノ塚は足立区でも有数のベッドタウンとして、ファミリー層を中心に多くの人が暮らす街です。
どのような特徴があるのかを見ていきましょう。

団地が多い街

竹ノ塚には、竹ノ塚第一、第二、第三団地など、大規模な団地群が形成されています。これは、高度成長期の住宅不足を補う目的で開発されたものです。

東武伊勢崎線が東京メトロ日比谷線と乗り入れをスタートし、都心部への通勤、通学も便利になった時期と重なります。駅から団地に向かう道路には並木道が整備されるなど、環境も整っており、現在でも多くの人が暮らしている場所です。

ファミリー層が暮らしやすい街

竹ノ塚は団地だけでなく、同時に宅地分譲も行われたので、一戸建ても多くあります。計画的な区画整備のもとで開発されたため、団地や一戸建て街のそばには公園が整備されるなど、快適な環境が広がります。

駅前には昔ながらの商店街があったり、スーパーマーケットなども多かったりするので、暮らしやすい街です。

お隣は埼玉県

竹ノ塚は東京都足立区に位置しますが、お隣は埼玉県草加市で、ちょうど県境にある地域です。環七通りも走るなど道路網も便利で、埼玉方面へのアクセスや都心部へのアクセスも便利なのが特徴です。

竹ノ塚の歴史

竹ノ塚の地名は、高台に多数の古墳(塚)が発掘されたことに由来し、歴史が深い地域です。

戦前は農地が広がっており、現在のような住宅街ではありませんでした。現在のような姿に発展していき、都心部に通勤、通学する方のベッドタウンとして多くの人が暮らすようになったのは、東武伊勢崎線の開通や団地の開発が大きく影響しています。

交通網の発展や団地の開発とともに成長してきた、竹ノ塚の歴史を見ていきましょう。

東武伊勢崎線の開通

明治時代後期の1899年(明治32年)、北千住駅から埼玉方面にかけて東武線が開通しました。

その際に開設された駅は、西新井駅、草加駅、越ヶ谷駅(現在の北越谷駅)、粕壁駅(現在の春日部駅)、杉戸駅(現在の東武動物公園駅)です。そこから7ヶ月後、翌年の1900年(明治33年)に竹ノ塚駅が開業しています。その意味で、竹ノ塚は歴史もある地域です。

戦後の成長

戦後の高度成長期に入る1962年、東武伊勢崎線は東京メトロ日比谷線との相互乗り入れができるようになり、都心部へのアクセスが飛躍的に便利になります。

それに先駆け、1958年には竹ノ塚駅の隣である西新井で、足立区内で初となる西新井第一団地が建てられました。

1962年に日比谷線との直通運転がスタートすると、通勤や通学が便利になったため、東武伊勢崎線沿線の開発、住宅街化が進んでいきます。日本住宅公団が建てた公団竹の塚第一団地が、1965年に入居開始となりました。

その1年前に入居開始となった公団花畑団地も、最寄り駅は竹ノ塚駅で、駅から東武バスでアクセスします。竹ノ塚駅に隣接する埼玉県草加市にも草加松原団地、さらにお隣の埼玉県春日部市にも武里団地ができ、東武伊勢崎線沿線上は住宅街として一気に人口が増えていきました。

高度成長期の団地開発

日本が戦後復興を遂げ、高度成長期に入っていく頃、日本ではマイホームブームもあり、多くの人がマイホームを取得したいと憧れる時代になりました。

現在では古いイメージのある団地ですが、その当時は画期的で、モダンな生活ができるなどと憧れられる存在でした。

高度経済成長に伴う都市部の住宅不足を補う目的で、国の政策の一環として設置された日本住宅公団は、1961年(昭和36年)に、竹ノ塚駅の東側に約100ヘクタールにおよぶ農地を取得します。

宅地開発と区画整理を行い、1963年~1965年にかけて次々に団地群を建設していきました。現在でも残っている竹ノ塚第1団地、竹ノ塚第2団地、竹ノ塚第3団地と、竹ノ塚駅前市街地住宅など、2,808戸もの住宅を開発していったのです。

また、区画整理後の新市街地を一般公募で分譲したことで、戸建て住宅も続々と建っていきました。竹ノ塚の街は、計画的な区画整理に伴い開発されているので、団地の通りには美しい並木道が整備されていたり、各団地のそばには公園があったりするなど、環境が整備されています。

高度成長期によって東京に人口が集中し、それをさばく受け皿として、竹ノ塚をはじめとする東武東上線沿線が開発、発展していきました。

人口集中とラッシュ問題

日比谷線との直通運転がスタートしたことで、東武伊勢崎線沿線は団地が次々に開発され、人口が一気に増えていきます。

竹ノ塚も団地の街の1つでしたが、その先にある草加市や春日部市でも団地が次々に開発されたり、戸建てのニュータウンなどができたりしたことから、通勤時の東武伊勢崎線は非常に混雑しました。

竹ノ塚駅には始発列車もあり、埼玉方面からやってくる電車には乗れないほど、すでにパンパンの状態です。その電車が行きつくターミナル駅である、北千住駅での乗り換えも大混雑し、当時の国土交通省の大臣が視察に訪れたほどです。

東武鉄道も、混雑を解消するための対策は講じていました。1974年には、北千住駅から竹ノ塚駅間を複々線化し、現在の東武スカイツリーラインにあたる浅草発着の準急電車と、日比谷線直通の各駅停車の分離を図るなどしていました。

それでも、都市部に通う方のベッドタウン化した埼玉県と足立区からのラッシュ客は、簡単に減りませんでした。

竹ノ塚の交通アクセス

竹ノ塚の交通アクセス

竹ノ塚には竹ノ塚駅があり、東武伊勢崎線が使えます。東武伊勢崎線は、東京メトロ日比谷線と乗り入れをしているので、乗り換えをせずに日比谷線を使えます。

上野駅や秋葉原駅などのターミナル駅をはじめ、茅場町駅や八丁堀駅などの金融街、銀座駅、日比谷駅、霞ヶ関駅や虎ノ門ヒルズ駅などのオフィス街や官庁街に行くことが可能です。

さらに、六本木駅や恵比寿駅など、IT企業や商業施設が多いエリアまでダイレクトに行けるため、ビジネス利用にも便利です。竹ノ塚駅からは、東京都内でも有数のターミナル駅である北千住駅まで、各駅停車で5駅です。

東武伊勢崎線の快速は停まりませんが、竹ノ塚始発の電車があるため、朝のラッシュ時に座って乗れるメリットがあります。

北千住駅で乗り換えれば、大手町駅や表参道駅などにダイレクトに行ける東京メトロ千代田線、千葉県や茨城県とつながる常磐線やつくばエクスプレスも使えます。東武伊勢崎線は埼玉県とつながっており、常磐線やつくばエクスプレスは千葉県や茨城県とつながっているので、通勤もスムーズです。

竹ノ塚の立地によっては、新交通システム日暮里・舎人ライナーの谷在家駅や舎人駅が利用できます。日暮里・舎人ライナーを使えば、JR線の西日暮里や日暮里にスピーディーに出られます。短時間で山手線に乗り換えられるので、便利です。

竹ノ塚は東武バスをはじめ、路線バスも充実しているため、足立区内や都内などへのアクセスもスムーズにできます。また、すぐ近くに環七通りが通っているので、車での移動もしやすいです。

竹ノ塚のオフィス賃料相場

竹ノ塚の賃料相場の坪単価は、7,000円前後~8,000円前後です。立地や駅からの距離、周辺環境、オフィスビルの築年数や規模、設備、広さなどによっても変動するので、確認が必要です。

まとめ

竹ノ塚は、東京都と埼玉県の境にある足立区にある地域です。東京メトロ日比谷線と直通する東武伊勢崎線が使えることから、都心部に通勤、通学する人のベッドタウンとして人気があります。

下町風情も漂う暮らしやすい街で、環七通りも通っています。鉄道、バス、車の交通の利便性が高く、都心部に比べて賃料が安いので、低コストでオフィスを構えることが可能です。

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