大井といえば、トゥインクルレースで有名になった、大井競馬場を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。品川のお隣駅という都市部の立地ながら、競馬場があるユニークな地域です。

大井にはどのような特徴があり、どんな歴史をたどってきた街なのかを見ていきましょう。

大井の特徴

大井は東京都品川区にある地域で、新幹線も発着するターミナル駅である品川駅から、京浜東北線でわずか1駅の都市部に位置します。

わずか1駅であっても山手線の外側に位置するため、マンション価格や家賃、オフィスの賃料などが、山手線内に比べて下がるのが一般的な傾向です。品川や新橋、東京など、オフィス街にすぐ出られるのに賃料相場が低いといった傾向があることから、社会人の一人暮らしや共働きカップルに人気があるほか、オフィスを構えるにも便利な立地です。

近年は再開発などの影響で、駅周辺の商業施設や生活関連施設、オフィスインフラなどもますます充実しており、賃料相場も上昇傾向にあります。そんな大井の地域の特徴を見ていきましょう。

大井競馬場がある街

大井は、新幹線も発着する主要ターミナル駅である、品川駅のお隣です。都市部に位置する立地ながら、大井競馬場があります。

大井競馬場でも、都心にある競馬場という立地を生かし、トゥインクルレースというナイター競馬を開催して、新たな競馬ファンをつくってきました。通常、競馬のレースは日中に開催されており、大きなレースとなれば休日の昼間が基本です。

しかし、大井競馬場では、平日の夜間にナイター競馬を開催しています。会社帰りのビジネスマンや、OLの方などを呼び込もうという戦略です。これまで競馬をしたことがない方も、まずは雰囲気から親しんでほしいというコンセプトのもと、初心者でも楽しめる環境を整えています。

競馬が初めての方に分かりやすく教えてくれるサービスがあったり、デートを楽しめるカップルシートが用意されていたりします。会社帰りの同僚などが集まって、食事やお酒を楽しみながら競馬観戦ができるルームが設けられているのです。

大井にオフィスを構えれば、会社帰りにリフレッシュしたり、会社の上司や部下、同僚とのコミュニケーションを深めたりする場としても、利用できるのではないでしょうか。

鉛筆の街

大井に古くから暮らす地域の人たちには、鉛筆の街と呼ばれることもあります。なぜかというと、大井には古くより三菱鉛筆の工場があり、現在も本社ビルがあるためです。

現在では、鉛筆を使う人が減っているものの、シャープペンシルやボールペンの需要をはじめ、消せるボールペンなど、より便利な文具を開発し続けています。近年の文具ブームもあり、勢いが失せることなく、この地に君臨している企業の1つです。

暮らしやすく働きやすい街

大井は交通の便が良く、都心のオフィス街や商業地区にすぐに出られる立地です。大井の駅前にも、日常の買い物からや飲食ができる専門店などがそろった商業施設があり、商店街も残るなど便利な街です。

暮らしやすく、働きやすい街として人気があります。

大井の歴史

大井は、かつて大井村であったのが大井町になり、戦後には品川区大井へと変遷してきました。現在の大井町駅の駅名は、かつてあった大井町に由縁があります。
どのような歴史を経てきたのかを見ていきましょう。

大井発展の契機

大井が発展を遂げるキッカケとなったといわれているのが、明治13年(1880年)に大井村にできた日本初の民間毛糸紡績工場です。工場が稼働してから、次々に別の工場も進出するなど、地域が都市化する契機となりました。

紡績工場が戦後まもない昭和25年(1950年)に閉鎖されると、紡績工場の事務所ビルは阪急百貨店に売却されます。

そして、昭和28年(1953年)に、阪急百貨店東京大井店が開業することになります。阪急百貨店は地域の方に親しまれ、平成12年(2000年)には、阪急大井町デイリーショッパーズへと業態変更をしました。

さらに駅前の再開発を経て、平成23年(2011年)には、阪急大井町ガーデンとしてリニューアルオープンしています。名称は変わっても、紡績工場の跡地からスタートした阪急百貨店の歴史は、今も続いています。

鉛筆工場の進出

三菱鉛筆の前身にあたる真崎鉛筆製造所は、明治20年(1887年)に現在の新宿区で創業しました。業績が好調になると、大正4年(1915年)に大井にあった毛糸紡績工場を買い取り、工場を移転しました。

その後、横浜に本社を置く大和鉛筆が、真崎鉛筆を買収します。第二次世界大戦では大井工場が被災しますが、戦後すぐに復興されました。戦後の昭和27年(1952年)、会社名を三菱鉛筆と改称し、昭和39年(1964年)に大井町へ本社を移転して現在に至ります。

世界的ブランドに成長したカメラ工場

大正6年(1917年)に創業した日本光学工業は、設立当初こそ小石川に工場を置きましたが、すぐに大井の用地を買収し、大正7年(1918年)には大井工場へと移転します。当時の情勢もあり、日本海軍向けの軍需光学機器などを製造していました。

戦後すぐの昭和21年(1946年)には、大井工場の操業を再開し、戦前の軍需機器ではなく、双眼鏡などの製造をスタートさせます。そして、昭和23年(1948年)に、ニコン(I型)と名付けた小型カメラを開発、発売するに至ります。

その後は、ニコンのブランドで一眼レフなどの高性能なカメラを続々と生み出し、日本を代表するカメラメーカーへと発展を遂げていきました。社員が通勤に利用していた大井の通りは、地元の人たちからは光学通りと呼ばれるまでになっていました。

昭和63年(1988年)になると、会社名がニコンに改称されます。平成28年(2016年)に工場は解体され、本社は品川駅に近い港区に置かれていました。

2021年11月に、成長の歴史を刻んできた大井製作所の敷地内の空地に、新本社を建設することを発表しています。地上6階、延床面積42,000平方メートルにわたる新社屋となり、大井の町に戻ってくることが決定しました。

大井の交通アクセス

大井には大井町駅があり、JR京浜東北線、東急大井町線、東京臨海高速鉄道りんかい線の3路線を使えるのが便利です。

JR京浜東北線では、新幹線も発着する品川駅まで、わずか1駅で行くことが可能です。さらに、田町駅や浜松町駅、新橋駅、有楽町駅、東京駅や神田駅、上野駅など、オフィス街や主要ターミナル駅にもダイレクトに行けます。

京浜東北線は、横浜方面や埼玉方面までつながっているので、通勤にも便利な路線です。
東急大井町線を使えば、自由が丘駅や尾山台駅、二子玉川駅、高津駅、溝の口駅などへダイレクトで行けます。ベッドタウンとしても人気の路線なので、通勤に便利です。

東京臨海高速鉄道りんかい線を使えば、天王洲アイル駅や東京テレポート駅、国際展示場駅などにすぐに行けます。IT企業などの集積するエリアや、展示会への出展をはじめ、展示会に訪れてビジネスチャンスをゲットしたいときも、速やかに移動できます。

大井のオフィス賃料相場

大井の賃料相場の坪単価は、50坪~100坪のオフィスで14,000円、100坪~200坪で17,400円となっています。立地や駅からの距離、オフィスビルの築年数や規模、設備やサービスなどによっても変動するので、確認が必要です。

まとめ

大井は、工場地帯として発展してきた歴史を持ちます。山手線の駅から、わずか1駅しか離れていないにもかかわらず、大井競馬場でナイター競馬が楽しめるなど、個性的な特徴を備えています。

京浜東北線で、品川駅や新橋駅、東京駅などのオフィス街や、新幹線も発着する主要なターミナル駅にも出やすいです。東急大井町線、東京臨海高速鉄道りんかい線も使えて、ビジネスでの移動にも通勤にも便利なエリアです。

【大井】の賃貸オフィスはこちらから。

【大井町駅】の賃貸オフィスはこちらから。