世田谷といえば、高級住宅街というイメージがあるでしょう。

ビジネス街である渋谷や横浜などへのアクセスが良いことから、近年はオフィスの需要も高まっています。落ち着いたビジネス環境を求めて、世田谷エリアにオフィスを構えたいと考えている経営者も多いのではないのでしょうか。

この記事では、世田谷駅を中心とした世田谷エリアの特徴や歴史、交通アクセスに加え、オフィス事情や賃料相場などについても詳しくご紹介していきます。

世田谷エリアでオフィスを検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

世田谷の特徴

世田谷は、世田谷区の中央東側に位置する世田谷・経堂・駒沢・三軒茶屋・上馬といった地区の総称であり、東急世田谷線がエリアを横断するように走っています。東急田園都市線や、小田急小田原線も利用できます。

世田谷区役所や世田谷税務署、東京法務局の世田谷出張所などの行政施設が集まっており、世田谷区のなかでも中心的な役割があるエリアです。

世田谷エリアは基本的に住宅地であり、緑豊かな公園や緑道なども多いことから、ファミリー層に特に人気があります。また、都心から近いこともあって、20代・30代の単身者が多いのも特徴であり、活気のあるエリアです。

一方で、同じ世田谷エリアのなかでも、三軒茶屋駅の周辺はお洒落なお店が多く、商業施設が多く見られるエリアとなっています。

オフィスについては、世田谷駅や三軒茶屋駅、駒沢大学駅などの周辺に比較的多く見られますが、元来が住宅地なので、物件数自体はそれほど多くありません。

世田谷の歴史

世田谷は、どこにでもあるような田舎の農村といった風景が広がっていましたが、それがどのように現在の世田谷へと変わっていったのでしょうか。
世田谷エリアの歴史や変遷を見ていきましょう。

軍事施設の移転により人口が一気に増える

世田谷エリアが大きく変化するキッカケとなったのは、明治時代になって軍事施設が移転してきたことです。農村であった世田エリアには広大な土地があったため、1890年に現在の池尻一帯に陸軍の「駒沢練兵場」が移転してきました。

さらに、その西側には1989年に「近衛野戦砲兵連隊」が移転してきました。これにより、軍人やその家族、軍人相手に商売をする商人なども移り住むようになり、世田谷エリアは一気に人口が増えて、街として発展していきます。

なお、これらの軍事施設の跡地は、現在では世田谷公園や昭和女子大学、都営住宅などになっています。

鉄道の開通により宅地化が一層進む

世田谷エリアが大きく発展するもう1つの契機が、鉄道の開通です。

1907年に開通した玉電は、渋谷駅と二子玉川駅(当時の二子玉川園駅)を結ぶ路線です。
当初は、多摩川の砂利を運搬する目的でつくられました。しかし、1930年代になると、多摩川での砂利の採取が禁止されたため、東急に買われて旅客運送車両として生まれ変わります。

現在は、ほとんどの部分が廃止されてしまいましたが、三軒茶屋駅と下高井戸駅を結ぶ区間は、東急世田谷線として存続しています。また、1913年には、京王電気軌道(現在の京王線)も、笹塚と調布の間で開通しました。

東急や京王が世田谷エリアで積極的に区画整理を行い、沿線の宅地化を進めたことで、現在の高級住宅地としての基礎が築かれていきます。

戦後は商業地としても発展

第二次世界大戦での被害が比較的少なかったことから、1945年には30万人足らずだった世田谷の人口は、2倍以上の65万人に急増しています。主要な駅の前には、たくさんの店舗が並ぶようになりました。

ボロ市で有名な世田谷駅前の商店街や経堂すずらん商店街は、現在でも多くの人で賑わっています。

近年はオフィス街としても注目の世田谷エリア

このように、住宅地、商業地として発展してきた世田谷エリアは、都心から近くアクセスも良いことから、近年オフィスの需要も高まってきました。

その象徴的な建物が、三軒茶屋エリアの再開発に伴って建設された「キャロットタワー」です。レンガ調の外観が印象的な地上27階の高層ビルで、6階~25階がオフィスフロアとなっています。

世田谷の交通アクセス

世田谷の交通アクセス

世田谷の交通アクセスの大きな特徴は、JR線と地下鉄が1本も走っていないことです。特に地下鉄は、23区の地下を網の目のように走っているイメージがありますが、世田谷エリアにまったく走っていないのは、不思議な感じさえするでしょう。

JRも地下鉄も走っていないとなると、アクセス面で弱いのではないかと思われがちですが、そんなことはありません。エリア内には、東急や小田急の路線が合計3路線走っており、駅と駅の間隔も短いため、アクセスは良好です。

世田谷エリアのなかでも中心的な駅が、世田谷駅です。世田谷エリアの西側、世田谷区のほぼ中央に位置する駅で、東急世田谷線が停車します。

東急世田谷線は、世田谷区内の三軒茶屋駅と下高井戸駅を結ぶ路線であり、世田谷エリアの中央を東から西に横断するように走っています。都電荒川線と同じく、路面電車に分類される鉄道であり、わずか2両編成とローカルな雰囲気が漂う路線です。
全長5kmの路線距離のなかに10の駅があり、駅と駅との間の距離が1kmを超える場所はありません。

世田谷駅から8分の場所にある三軒茶屋駅で、東急田園都市線に乗り換えれば、渋谷駅まで20分ほどでアクセスできます。下高井戸駅からは京王線に接続しているので、京王線快速を利用することで、新宿駅へも30分以内にアクセスすることが可能です。

また、世田谷駅から下高井戸方面へ3つ目の駅である山下駅は、小田急小田原線の豪徳寺と非常に近い場所にあるため、乗り換えが可能であり、神奈川方面へも便利に移動できます。

世田谷のオフィス賃料相場

世田谷は、賃貸オフィスの物件数はあまり多くありません。しかし、世田谷駅や三軒茶屋駅、駒沢大学駅などの周辺では、比較的多く見つけられるでしょう。

それぞれの駅周辺のオフィス事情や賃料相場について、ご紹介します。

世田谷駅周辺のオフィス

世田谷周辺は区の行政施設が集積しているエリアで、駅周辺は閑静な住宅街となっています。オフィスについて、規模の大きなものはないものの、環状7号線沿いには中層・低層のオフィスビルが点在しています。

世田谷区周辺のオフィスの賃料相場は、坪単価10,000~11,000円です。世田谷区のなかでは、リーズナブルといえるでしょう。

世田谷区から徒歩8分ほどの場所にある「明治安田生命世田谷ビル」は、110坪と比較的大きなオフィスです。世田谷駅周辺で、100坪超の物件を探している方にはおすすめです。

三軒茶屋駅周辺のオフィス

世田谷エリアで高層のオフィスビルを探しているなら、三軒茶屋駅が注目です。すでに紹介しましたが、三軒茶屋駅には「キャロットタワー」があり、「サンタワーズ」という18階建てのオフィスビルもあります。

東急田園都市線と東急世田谷線の2路線を利用できるのも、おすすめできるポイントです。
三軒茶屋駅周辺のオフィスの賃料相場は、14,000~24,000円となっています。

駒沢大学駅周辺のオフィス

駅名の通り、駒沢大学の最寄り駅で、近くには駒沢公園もあって自然が豊富です。隣の三軒茶屋駅に比べると、大きなオフィスビルは多くありません。
しかし、渋谷区まで7分という立地もあって、玉川通り沿いを中心に中・低層のオフィスビルが点在しています。

「駒沢中村ビル」も玉川通り沿いにあり、駒沢公園にも近いことから、環境の良いオフィスを探しているならおすすめの物件といえるでしょう。駒沢大学駅周辺のオフィス賃料相場は、坪単価8,000~15,000円です。

まとめ

ここまで、世田谷エリアの特徴やオフィスの賃料相場について見てきました。世田谷エリアは住宅街なので、賃貸オフィス向けの物件数はあまり多くありません。

しかし、駅前には地域のランドマークにもなっている大型物件もあり、会社の規模や業種・職種に合わせてオフィスを選べます。都心へのアクセスに優れていることから、今後も賃貸オフィス物件は増えることが予想されるので、世田谷エリアは魅力的といえるでしょう。

世田谷エリアでオフィスをお探しなら、以下のサイトから検索されてみてはいかがでしょうか。

【世田谷】の賃貸オフィスはこちらから。

【明治安田生命世田谷ビル】の賃貸オフィスはこちらから。

【サンタワーズB棟】の賃貸オフィスはこちらから。

【駒沢中村ビル】の賃貸オフィスはこちらから。