舎人は、東京都足立区にある街で、埼玉県と接するエリアです。知名度の低いエリアでしたが、新交通システムの日暮里・舎人ライナーが開通したことで利便性が高まり、注目度もアップしています。

どのような特徴や歴史があるのかを見ていきましょう。

舎人の特徴

舎人は、足立区の北西部に位置し、埼玉県と接する県境のエリアです。かつては鉄道が走っておらず、主な移動手段は路線バスでした。

新交通システムの日暮里・舎人ライナーの開通により、日暮里駅や西日暮里駅といったJR線や東京メトロの千代田線などに、乗り換えやすくなりました。通勤や通学の便も良くなり、注目が高まっているエリアです。

日暮里・舎人ライナーの開通で便利に

舎人は足立区の北端に位置し、かつて鉄道駅はなく、路線バスが唯一の移動手段でした。しかし、日暮里・舎人ライナーが開通したことで、JR線や東京メトロと乗り換えしやすくなり、一気に利便性が向上しています。

日暮里・舎人ライナーは、新橋からお台場を結ぶゆりかもめと同じ新交通システムです。
運転士も車掌もおらず、自動運転で走ります。日暮里駅から舎人エリアの約10キロを結んでいます。専用の高架専用軌道を走行するので、交通渋滞や交通事故の心配がありません。

基本的に時刻表通りに走るため、通勤や外出で急いでいるときも安心です。電気を動力にしているので、排気ガスを出さず、周辺環境への公害リスクも少ないので、軌道が走る周辺住民も安心して暮らせます。ゴムタイヤで走るため、電車と比べて振動や騒音が少なく、乗り心地も快適です。

緑豊かで広い公園がある

舎人公園や見沼代親水公園など、広大で緑豊かな公園が多く、自然が多い環境で過ごせます。子どもを安心して遊ばせられるので、子育て中のファミリー層にも人気のエリアです。

物価が安めで暮らしやすい

足立区は都心部に比べると物価が安めで、下町風情が漂う庶民的な雰囲気のエリアです。舎人は足立区に位置するうえ、埼玉県の県境にあるので、より暮らしやすい環境があります。

マンション価格や家賃なども都心部に比べると安く、日暮里・舎人ライナーの開通で通勤もしやすくなったことで、新婚カップルが新居を構える場所としても人気を集めています。

舎人の歴史

舎人は、どのような歴史を持つ地域なのでしょうか。
舎人の歴史について見ていきましょう。

舎人の地名の由来

舎人とは、皇族や身分が高い人に仕える役職の名称であり、歴史の教科書などに出てきます。足立区のこの地に、舎人という地名がついたのはなぜなのでしょうか。

定かなことは分かっておらず、諸説あります。1つ目は、戦国武将であった舎人氏が、戦国時代にこの地に暮らしていたという説です。舎人氏は舎人城を拠点に暮らしていたとされますが、舎人では発掘調査などが行われていません。

ただし、舎人二丁目周辺にはかつて堀があったことや、内出や御殿といった地名が残っていることから、もしかしたら城があったかもしれません。

2つ目の説は、聖徳太子が地名をつけたという説です。聖徳太子が身分を隠して関東地方を巡行していたとき、聖徳太子だと正体を見破った唯一の人物が舎人の役職者だったため、舎人と命名したというものです。

入谷の源証寺が所蔵している「太子堂縁起」には、舎人村の村名の縁起を記した説があり、これに基づく説になります。

3つめは、地形に基づいて名付けられたという説です。小石の多い痩せ地のことを石根と書いて、トネと呼びます。この場所が入谷や谷の奥にあったことから、トネ+イリでトネイリ、そこからトネリになったという説です。

バス路線しかなかった舎人

舎人には鉄道駅がなく、公共の移動手段としては路線バスだけが頼みでした。舎人エリアから、隣接する足立区の西新井駅や竹ノ塚駅などにバスで出て、そこで東武伊勢崎線に乗り換えるのが一般的なルートです。

また、都バスで日暮里駅まで出る路線もありましたが、渋滞することも多く、舎人エリアから1時間かかることもありました。

路線バスは、自宅から停留所が近いと便利ではありますが、電車と違って到着時間が読みにくいのがネックです。特に、朝夕のラッシュ時などには本来の到着時刻を多くオーバーし、電車の乗り換えに間に合わなかったり、学校や仕事に遅刻したりする恐れもあります。

公園など自然が多く、暮らしやすい環境でありながら交通の便が悪いので、都心に通勤、通学したい人にとっては不便な環境です。そのため、鉄道路線の開通や延長を地域住民が長年希望していました。

日暮里・舎人ライナーの導入決定

日暮里・舎人ライナーの建設が決まり、工事は平成9年(1997年)12月からスタートしました。新交通システムは高架橋を設けて、空中を走っていく路線です。

そのため、238基もの支柱と橋桁の建設工事が行われ、約10年の年月を経て、平成18年(2006年)10月にインフラの整備が完了します。

その後、駅舎の建設工事や電気、通信工事、駅舎設備工事、車両搬入が行われ、平成20年(2008年)3月に開業しました。

舎人エリアにある見沼代親水公園付近から、都バスで日暮里まで出るには、渋滞すると1時間以上かかることもありました。しかし、日暮里・舎人ライナーを使うと、日暮里駅まで約20分と大きく短縮されます。

新交通システムはバスや鉄道と異なり、渋滞がないうえに人身事故などのリスクも抑えられるので、定刻で走るのが魅力です。停電など思わぬトラブルがない限り、遅刻する心配もなくなりました。

舎人の交通アクセス

舎人の交通アクセス

舎人では、日暮里・舎人ライナーが代表的な交通手段になります。舎人エリアには3つの駅があるので、オフィスの立地によって使い分けられます。

舎人公園周辺なら舎人公園駅、舎人一丁目なら舎人駅、舎人二丁目なら見沼代親水公園駅の利用が便利です。日暮里・舎人ライナーを使うと、西日暮里駅や日暮里駅のJR山手線が使える駅に出られるので、都心部や関東近郊への移動も便利になります。

西日暮里駅は、東京メトロ千代田線とJR山手線、京浜東北線に乗り換えられます。千代田線を使えば、大手町駅や霞ヶ関駅、国会議事堂前駅、日比谷駅、表参道駅など、オフィス街や官庁街に出やすいです。

日暮里駅からも、JR山手線や京浜東北線を使えるほか、常磐線も使えるので、千葉県や茨城県からの通勤や出張にも便利に使えます。舎人エリアから終点の日暮里までの所要時間は、舎人公園駅から16分、舎人駅から18分、見沼代親水公園駅から20分となっており、スピーディーに乗り換えが可能です。

舎人エリアは環七通りが近くを走っており、都心部や関東近郊なら車でのアクセスも便利です。
また、日暮里・舎人ライナーが通る前の重要な足であった路線バスも、充実しています。
足立区内や近隣の区域に出る場合、路線バスの利用も可能です。

舎人のオフィス賃料相場

舎人の賃料相場の坪単価は、8,000円前後です。最寄り駅や駅からの距離、立地や周辺環境、ビルの規模や築年数、セキュリティや設備などによっても変動するので、確認が必要です。

まとめ

舎人は、日暮里・舎人ライナーが開通したことで、一気に交通の便が良くなりました。広い公園があるなど自然も多く、足立区の庶民的な雰囲気から都心部より物価が安いなどの理由で、新婚カップルや子育て中のファミリーに人気が高まっているエリアです。

舎人エリアには、日暮里・舎人ライナーの駅が3つあります。日暮里駅や西日暮里駅まで出ると、JR線や千代田線などに乗り換えられるので、ビジネスでの移動や通勤にも便利です。

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