志村は、東京都板橋区にある街です。
志村1丁目~志村3丁目までの町名があります。江戸時代の志村の周辺には、江戸と京都を結ぶ「中山道」が整備されて、交通の要となっていました。東京都交通局三田線の志村坂上駅の近くには、江戸時代に築造された「志村一里塚」が残されています。

この記事では、 志村の特徴、歴史、交通アクセスなどをご紹介します。最後に、志村内のオフィス賃料の相場についても紹介しているので、参考にしてみてください。

志村の特徴

最初に、志村の特徴をいくつかご紹介します。

①中山道の道しるべ「志村一里塚」

志村の特徴といえば、志村一里塚でしょう。一里塚は、江戸時代に徳川家康が秀忠に命じて、街道沿いに築かせたものです。志村1丁目にある志村一里塚は、中山道の3番目の一里塚として築かれました。

中山道を行きかう旅人たちは、道のりの目安や休憩場所として、志村一里塚を利用していたのです。明治以降に多くの一里塚が取り壊されてしまいますが、志村一里塚はその当時の姿のままで残りました。

また、志村一里塚から少し離れた清水坂付近にも「富士大山道道標・庚申塔」が残っており、江戸時代の交通の歴史を知る貴重なスポットとなっています。

②「志村銀座商店街」がある

「志村銀座商店街」があることも、志村の特徴です。志村坂上駅の改札を出て、大通りから1本入った場所に、飲食店やレトロな雰囲気の商店など、たくさんの店舗が建ち並んでいます。地元の人たちの間では「しむらん通り」と呼ばれているようです。

「志村銀座まつり」や「サンバinシムラ」などのイベント開催時には、たくさんの人たちで賑わいを見せます。

③城山熊野神社がある

志村2丁目にある「城山熊野神社」も、志村の特徴といえます。城山熊野神社は、長久3年に志村将監が紀州熊野から勧請したとされる神社です。伊邪那岐命、伊邪那美命、事解男命などの神様たちをお祀りしています。

境内では、歴史ある鳥居、板橋区最古の絵馬がある絵馬殿、鎮守の森、志村城跡石碑、神輿蔵などが見学できます。

④公園がたくさんある街

志村は、緑が多い街です。板橋区立志村公園、板橋区立志村第三公園、板橋区立志村城山公園などの公園があり、自然を身近に感じられます。

また、志村の周辺にも、板橋区立小豆沢公園、板橋区立見次公園などの大きな公園があります。

志村の歴史

志村を含めて、現在の板橋区があるエリアは、かつて「武蔵国豊島郡」と呼ばれていました。ここでは、志村の歴史を簡単に見ていきましょう。

中世頃には志村城があった?

「志村」という地名は、中世頃にこの地を治めていた豪族の「志村氏」が由来です。鎌倉時代の歴史書には、「志村」の名前が記録されています。
中世の頃に志村一帯を治めていたのは、武蔵豊島氏の一族である「志村氏」です。

現在の志村2丁目あたりには、志村城(しむらじょう)がありました。築城年代については明らかになっていませんが、志村氏によって築かれたお城ではないかと推測されています。

城山熊野神社の境内には、志村城跡石碑が残されているので、志村の歴史に興味がある方はぜひ訪れてみると良いでしょう。

昭和7年に志村が板橋区に組み込まれる

近世末頃の板橋区は「武蔵国豊島郡」と呼ばれており、志村を含めて17の村がありました。当時の志村は、大根などの野菜の栽培が盛んな農村地だったのです。

1932年(昭和7年)10月1日に、志村のほか、北豊島郡板橋町、上板橋村、赤塚村、練馬町、上練馬村、中新井村、石神井村、大泉村の9つの町が合併して板橋区が誕生します。

その後、旧練馬町、上練馬村、中新井村、石神井村、大泉村と板橋町の一部は、板橋区から分離して練馬区となりました。

昭和~現在まで

志村エリアは、戦前から板橋区の工業の中心地として発展してきました。しかしながら、終戦後は多くの工場が郊外へ移転したことで、志村エリアは住宅化が進み、商店も多く建ち並ぶようになります。

1966年(昭和41)年に、都電志村線(巣鴨・志村橋間)が廃止されました。その2年後の1968年(昭和43年)12月には、都営地下鉄6号線(現在の都営三田線)が開通しました。

志村の交通アクセス

ここでは、志村の交通アクセスについて、ご紹介していきます。

①志村の鉄道

志村の鉄道

志村エリアに乗り入れている鉄道会社は、都営地下鉄三田線のみです。最寄り駅は、 志村1丁目にある「志村坂上駅」、もしくは志村3丁目にある「志村三丁目駅」です。

どちらの駅も、1日の乗降客数は13,000人前後となっています。志村坂上駅から大手町駅までは、電車にて30分ほどでアクセスできます。都心まで乗り換えなしの1本で移動できるのが、メリットです。

また、都営地下鉄三田線は、目黒方面へのアクセスも良好です。志村坂上駅から目黒駅までは、電車にて50分ほどでアクセスできます。

②志村のバス

志村エリアには、路線バスが通っています。
都営地下鉄三田線の志村坂上駅からは、国際興業バスが運行しており、池袋駅西口、高島平駅、赤羽駅西口などへアクセスできます。

③志村の道路

志村エリアを通る主要な道路は、国道17号線です。国道17号線とは、東京都中央区の日本橋から、新潟県を結ぶ道路のことです。

なお、豊島区の明治通りの西巣鴨交差点から、板橋区の埼玉県境までの区間は「中山道(中仙道、仲仙道)」とも呼ばれています。

そのほかに、東京都道311号環状八号線(環八通り)、東京都道445号常盤台赤羽線(前野中央通り)、城山通り、御成塚通りなどの道路も通っています。

志村には、首都高速5号池袋線が通っており、志村パーキングエリアが最寄りです。志村パーキングエリア内には、男女別トイレ、多目的トイレ、自動販売機などが設置されています。

志村のオフィス賃料相場

最後に、志村のオフィス事情や賃料相場をご紹介していきます。

志村のオフィス事情

志村エリアには、大規模な賃貸オフィス、シェアオフィス、レンタルオフィスなどの物件がほとんどありません。小規模な物件が多い傾向となっています。

賃料の相場

板橋区全体のオフィスの賃料相場は、30坪以下の物件が11,000円/坪です。広さ別で見ると、30~50坪の物件は8,647円/坪、50~100坪の物件は10,000円/坪、100~300坪の物件は17,000円/坪が賃料相場です。

都営三田線の志村坂上駅から徒歩圏内で見ると、5,000円/坪~36,000円/坪まで、さまざまな賃料の物件があります。

ただし、志村エリア内でも、立地、物件の規模、築年数、設備、用途などの条件によって、賃料には大きな幅があります。賃貸オフィスを借りる際には、しっかりとリサーチしておいたほうが良いでしょう。

なお、都営三田線の志村坂上駅から徒歩30秒ほどの場所に、シェアオフィスが1件だけあります。利用料金は、30分間利用で220円~となっており、お手頃価格で利用できます。

まとめ

板橋区志村の特徴は、中山道の道しるべや休憩スポットとして利用されていた「志村一里塚」が残されていることです。志村2丁目にある城山熊野神社では、志村城跡石碑を見られます。

志村の周辺には公園が多く、自然を身近に感じられる環境となっていることも特徴です。
志村坂上駅の近くには「志村銀座商店街」もあります。

志村には、都営地下鉄三田線が通っており、志村坂上駅から大手町駅までは30分程度で移動可能です。

賃貸オフィスの数は少なめですが、都心へのアクセスが良いというメリットがあります。

【志村】の賃貸オフィスはこちらから。

【志村坂上駅】の賃貸オフィスはこちらから。