板橋区というと、オフィス街よりも、住宅街のイメージを持っている方が多いでしょう。都内屈指のターミナル駅である池袋駅から、電車で数分の立地であり、都心のベッドタウンとして発展しています。

一方で、最近は板橋駅付近で再開発が行われるなど、駅前のオフィスビルも増加中です。

この記事では、板橋区の特徴や歴史、交通アクセスとともに、板橋区のオフィスの状況や賃料相場についてもご紹介していきます。

板橋区で賃貸オフィスを検討されている場合は、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

板橋区の特徴

板橋区は、東京都23区の北西部に位置し、荒川を挟んで埼玉県戸田市と隣接しています。武蔵野台地の北東の端でもあり、区の西部には高台のエリアも見られます。

しかし、多くのエリアは荒川や石神井川などが流れる低地であり、起伏に富んでいることから、坂が多く見られるのが特徴です。

板橋区は、旧中山道の板橋宿を中心としたエリアであり、現在でも歴史的・文化的な資源が多く残る場所として知られています。街並みについても、古い木造住宅や工場が多いです。

近年は防災などの理由から、駅前を中心に再開発も盛んに行われるようになり、大型のマンションや複合施設などが次々に建設されています。

板橋区の歴史

板橋区は非常に古い歴史を持つエリアであり、特に赤塚など練馬区と境を接するエリアは、旧石器時代にすでに集落があったことが分かっています。

平安時代の末期には、すでに「板橋」という地名が書物に登場しており、この地名は石神井川に木の板で作られた橋がかかっていたことが由来です。また、源頼朝や上杉謙信が進軍の際に通過した場所としても有名で、古くから交通の要衝であったことが分かります。

江戸を代表する宿場町

古くから交通の要衝として多くの人で賑わっていた板橋は、江戸時代に入ると、中山道の1番目の宿場「板橋宿」として整備されました。また、中山道の脇道として整備された、川越街道の起点ともなりました。

板橋宿は東海道の「品川宿」、甲州街道の「内藤新宿」、奥州街道・日光街道の「千住宿」と並んで「江戸四宿」の1つに数えられる大きな宿場町です。すぐ近くには、上宿・仲宿・平尾宿もあり、これら宿場町と一体になって大きく発展していきます。

街道沿いには、多くの旅籠や飲食店、商店が建ち並び、遊郭も見られるようになりました。1600年代半ばには、加賀藩主の前田綱紀が、板橋宿の近くに21万8千坪という広大な土地を拝領し、加賀藩江戸下屋敷が建設されました。

現在の加賀公園がある場所で、近辺には金沢にちなんだ地名や建設物も多く見られます。

このように江戸時代の板橋は、街道を行き来する旅人や商人、さらには金沢藩の武士などで非常に賑わったエリアであり、当時の商店の名残が現在も商店街などにも見られます。

なお、板橋宿は、戊辰戦争で幕府側として戦った新選組局長・近藤勇が囚われて、拘束された場所としても有名です。

明治時代は工業地として発展、近郊農村が形成される

明治時代に入ると、加賀藩下屋敷が取り潰され、跡地に兵部省によって「東京砲兵工廠板橋火薬製造所」が建設されました。

その後、第二次世界大戦が終結するまで大量の火薬が製造され、火薬製造のメッカとなります。

また、1888年には、赤羽と品川を結ぶ日本鉄道品川線が開通し、その中間駅として「板橋駅」が開業しました。これによって、製造した火薬を各地に輸送できるようになったため、板橋の近代工業化が一気に進むことになります。

この流れは、東上鉄道(現在の東武東上線)や市電の開通によって、さらに加速を見せました。

一方で、荒川や石神井川は江戸時代から何度も氾濫を起こし、市民生活に多大な影響を与えていたため、明治時代以降は改修工事が繰り返し行われました。

その結果、低地では安全に稲作や畑作が営めるようになり、都心向けの近郊農村としても発展していくことになります。

戦後は都心のベッドタウンとして発展、町工場も多く見られるエリアに

戦後になると、都営三田線の開通や環状7号線の整備などにより、都心へのアクセスが格段に良くなりました。

東武鉄道による東上線の宅地開発などの影響もあって、それまで農地であった場所に住宅やマンションが次々に建設されるようになり、都心のベッドタウンとして市街地が拡充していきました。

また、板橋火薬製造所の近辺には、大砲技術に不可欠な光学機器関連の工場が多かったことから、レンズや双眼鏡などを製造する工場が多く見られるエリアでもあります。

「ニコン」や「アサヒペンタックス」「ゼンザブロニカ」といったメーカーは、いずれも板橋にルーツを持つ企業で、「トプコン」は今でも板橋区内に本社があります。

このような経緯から、板橋区内には大手メーカーだけでなく、町工場も多いエリアであり、特に舟渡エリアは都内でも有数の工場地帯です。

近年は工場跡地にマンションやオフィスが増加、再開発にも期待

バブル以降は工場の地方移転や海外移転などが相次ぎ、跡地にはマンションや商業施設、オフィスが次々に建設されています。板橋区内では、数多くの再開発も実施・計画されており、浮間舟渡駅や成増駅ではすでに、再開発事業が完了しています。

将来的に板橋駅西口や上板橋駅南口、大山町ピッコロスクエアなどでも再開発が予定されており、さらなるオフィス増加が期待されるエリアです。

板橋区の交通アクセス

板橋区の交通アクセス

板橋区は、区の北部を旧中山道沿いに都営地下鉄三田線が、区の南部を東武東上線が走り、その2つの路線を縦断するようにJR埼京線が走っています。

板橋駅は、JR埼京線の駅で池袋駅まで5分、新宿駅まで10分、渋谷駅にも15分でダイレクトにアクセスすることが可能です。通勤快速を利用すれば、大宮駅までも30分以内で到着するので、埼玉方面への移動にも便利に利用できます。

2019年からは、相鉄線との直通運転もスタートしており、横浜へも乗り換えなしでアクセスできます。

都営地下鉄三田線は、板橋区の西高島平駅から、品川区の目黒駅までを結ぶ路線です。

板橋区内には、西高島平駅以外にも、高島平駅・志村坂上駅・板橋区役所前駅・新板橋駅など11の駅があります。大手町や日比谷駅など、都内屈指のビジネス街へ乗り換えなしで移動できます。

巣鴨駅からは山手線、春日駅から地下鉄南北線・丸ノ内線・大江戸線などに乗り換えられるので、都内主要駅へのアクセスは抜群です。

東武東上線は、池袋駅から埼玉県の寄居駅までを結ぶ路線で、板橋区内には大山駅やときわ台駅、成増駅など7つの駅があります。なお、下板橋駅は豊島区の駅であり、東武練馬駅は板橋区の駅です。

埼玉方面への移動はもちろん、地下鉄有楽町線・副都心線と相互乗り入れを実施しているため、永田町駅や有楽町駅、渋谷駅への移動も便利です。

道路も、中山道や川越街道、環状7号線、環状8号線などの幹線道路、さらに首都高5号線も走っているので、車での移動でも不便を感じることはないでしょう。

板橋区のオフィス事情

板橋区は、東京副都心の1つである池袋からほど近い場所にあるにもかかわらず、板橋区全体で見ると住宅地や工場地が多く、オフィスはあまり多くありません。

比較的オフィスが多い場所としては、板橋エリア、志村エリアが挙げられます。板橋駅を中心とする板橋エリアにおいて、以前は工場が建ち並んでいましたが、近年は工場跡地にオフィスが増えてきています。

特に池袋へ続く駅の南側・西側は、大規模なオフィスはないものの、中小のオフィスビルが点在しているエリアです。板橋駅西口では、現在再開発計画が進行中であり、地上38階建てのオフィスビルが建設されることになっています。

志村エリアは、板橋区内で最も人口が多いエリアであり、三田線沿線で都心までのアクセスが良いことから、オフィスビルが見られます。印刷業界トップの凸版印刷の工場があることから、印刷会社が多く見られるのが特徴です。

板橋区のオフィス賃料相場

板橋区のオフィスの賃料相場(坪単価)は、30坪以下の物件で11,000円、30~50坪の物件で8,647円、50~100坪の物件が10,000円、10坪を超える物件は17,000円となっています。

まとめ

ここまで、板橋区の特徴や交通アクセス、オフィス事情などについて見てきました。板橋区はオフィスの数があまり多くありませんが、板橋エリアや志村エリアでは比較的オフィスビルが多く見られます。今後の再開発にも期待です。

隣接する池袋エリアと比べると、オフィスの賃料はリーズナブルであり、池袋の近くでオフィスを探している方にとっては、注目のエリアといえるでしょう。
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