大田区は、東京都の東南部側にある区です。多摩川を挟んで、神奈川県の川崎市と隣接しています。
本記事では、大田区の主な特徴、歴史、交通アクセスなどをご紹介していきます。
大田区内のオフィス事情や賃料の相場についても紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
大田区の特徴
最初に、大田区の特徴をご紹介します。
①東京の空の玄関口「羽田空港」がある!
大田区の特徴といえば、東京湾の多摩川河口にある羽田空港(東京国際空港)でしょう。
1931年(昭和6年)に「東京飛行場」として開港しました。1952年(昭和27年)にアメリカ軍から返還されて「東京国際空港」となりました。
その後に「第1ターミナル」「第2ターミナル」「国際線ターミナル」などがオープンし、東京の空の玄関口となったのです。
羽田空港の特徴は、敷地面積の広さです。1,515haの広さとなっており、大田区の面積の約4分の1を羽田空港が占めています。
羽田空港内には、お土産物店、レストラン、カフェ、展望デッキなどの施設がたくさんそろっており、ショッピングや観光も楽しめる場所となっています。
②高い技術力を誇る町工場が多い「ものづくりのまち」
「ものづくりのまち」であることも、大田区の特徴です。
大田区内には、約3,500の町工場や中小企業などが集まっています。特に、高度な加工技術を有する中小企業が多いことで知られています。
業種分類で見ると「金属製品」や「一般機械」などの関連工場が過半数を占めている状況です。金属の切削や研磨などの加工技術を得意とする工場が集まっており、高い技術力を国内外に提供しています。
③海・川・公園などの自然スポットが多い!
東京23区でありながら、自然と触れ合えるスポットが多いことも、大田区の特徴です。
南西部側には一級河川の多摩川が流れており、のんびりとした雰囲気となっています。河川敷で愛犬のお散歩、ジョギング、野球やサッカーなどのスポーツを楽しむ人も少なくありません。
大田区内には「萩中公園」「城南島海浜公園」「平和の森公園」など、自然豊かな公園がたくさんそろっています。大田区東海エリアには、野鳥観察が楽しめる「東京港野鳥公園」もあります。
大田区京浜島2丁目にある「京浜島つばさ公園」では、東京湾、羽田空港を離着陸する飛行機などの景色を眺めながら、バーベキューを楽しむことも可能です。
④エリアによって街の雰囲気が異なる
エリアによって街の雰囲気が異なることも、大田区の特徴です。大田区役所のある蒲田駅周辺は、大きな商店街、歓楽街などがあり、都会的で賑やかな雰囲気です。
一方、高級住宅街がある田園調布エリアは、美しい景観が広がっており、静かで落ち着いた雰囲気となっています。
矢口エリアは、住宅街と町工場が混在しており、下町らしい風情が感じられる街です。大森や山王などのエリアは、かつて川端康成、尾﨑士郎、村岡花子などの文士たちが住んでおり、「馬込文士村」と呼ばれていました。
大田区の歴史
大田区が誕生したのは、1947年(昭和22年)3月15日です。
「大森区」と「蒲田区」のそれぞれの文字を取って「大田区」という名称がつけられました。
ここでは、大田区の歴史をご紹介していきます。
縄文時代~
現在の大田区がある場所には、縄文時代の頃から人々が暮らしていました。大田区と品川区にある「大森貝塚」は、縄文時代後期から末期頃にかけての貝塚だといわれています。
また、古墳時代の頃には首長がいたと推測されており、「荏原台古墳群」が発見されています。
江戸時代~
江戸時代の大田区は、交通の要所として栄えていました。大森や羽田などの海に近いエリアでは、海苔の養殖が盛んでした。
明治時代~昭和初期頃にかけては、日本一の海苔生産地を誇っていたのです。しかしながら、1962年(昭和37年)に漁業権放棄の決定をされたことで、海苔養殖の歴史に幕を閉じることとなりました。
大田区平和の森公園にある「大森海苔のふるさと館」では、海苔養殖の歴史や生活技術などの貴重な資料を見られます。
大正時代には、池上線、目蒲線、東横線などの路線が開業します。また、関東大震災以降は街の住宅化が進められ、田園調布、雪谷、久が原などの住宅街が誕生しました。
昭和~平成
1932年(昭和 7年 )に大森区と蒲田区ができますが、1947年(昭和22年)にこの2つの区が合併したことで、大田区となりました。
その後、平和島、昭和島、京浜島、大井ふ頭の一部も、大田区に組み込まれます。平成に入ると、大田区東海エリアに「大田市場」がオープンしました。
大田区の交通アクセス
ここでは、大田区の交通アクセスについてご紹介していきます。
①大田区の鉄道
大田区内を通る鉄道は、東日本旅客鉄道の京浜東北線、京浜急行電鉄の本線や空港線です。そのほかに、東急電鉄、東京モノレール、東京都交通局(都営地下鉄)、東京臨海高速鉄道なども利用できます。
京浜急行電鉄や東京モノレールなどを利用すれば、羽田空港方面へ短時間でアクセスできます。
②大田区のバス
大田区内を通る路線バスは、京浜急行バス、川崎鶴見臨港バス、東急バス、都営バスなどです。大田区コミュニティバスの「たまちゃんバス」も走っています。
③大田区の道路
大田区を通る主要な国道は、国道1号(第二京浜)、国道15号(第一京浜)、国道357号(湾岸道路)、国道131号(環八通り、産業道路)などです。
首都高速道路も通っており、1号羽田線へは平和島、昭和島、空港西、羽田などの出入口からアクセスできます。
④大田区の空路
羽田空港があるため、空路での移動が利用できることも、大田区の交通アクセスの特徴です。北海道から沖縄まで、全国各地に向かう国内便が就航しています。
そのほかに、アメリカ、シンガポール、中国、台湾、ハワイ、カナダ、オーストラリアなどの国へ向かう国際便も就航しています。
海外旅行や海外出張の際にも、スムーズに移動できるでしょう。
大田区のオフィス賃料相場
最後に、大田区のオフィス事情や賃料相場などをご紹介していきます。
大田区のオフィス事情
大田区内には、賃貸オフィスがたくさんそろっています。特にオフィスが多く集まるエリアは、大森や蒲田などのエリアです。
大森エリアの東側はオフィス街となっており、大きなビルもたくさんも建ち並んでいます。周辺には繁華街もあるので、昼休みや仕事帰りに食事やお酒が楽しめることでしょう。
蒲田の周辺には大田区役所もあり、複数の路線も利用できるため、ビジネスをするのに便利な環境が整っています。
大森や蒲田は、羽田空港へのアクセスが良好というメリットもあります。国内外への出張が多い企業にとっても、都合の良いエリアといえるでしょう。
オフィス賃料相場
大田区全体での賃料の相場は、30坪以下の物件の場合で14,923円となっています。
ただし、大田区のオフィスの賃料相場は、エリアによって差があります。
オフィス賃料が比較的安いエリアは、北部側の大森や平和島エリアです。このエリアにおける30坪以下の物件の相場は、14,593円となっています。
一方、蒲田や雪谷エリアなどのエリアは、賃料が高い傾向です。このエリアにおける30坪以下の物件の相場は、15,252円となっています。
物件の規模、交通アクセス、築年数、設備などによっても賃料が異なるので、よく比較してみると良いでしょう。
まとめ
大田区は「羽田空港」があることから、東京の空の玄関口となっています。町工場も多く、「ものづくりのまち」の顔を持つことも特徴です。
下町や高級住宅街など、エリアによって街の雰囲気が異なることも、大田区の特徴といえます。
海、川、公園などが多いエリアなので、自然を身近に感じながら仕事ができるでしょう。
また大田区は、複数の鉄道、路線バス、空港、高速道路などが利用でき、交通アクセスも非常に良い環境です。