駒場というと、やはり思い浮かぶのは東大のキャンパスかもしれません。
駒場東大前駅の目の前に広がる広大なキャンパスがあるほか、駒場はどのような場所なのでしょうか。
駒場の街の特徴や歴史を見ていきましょう。

駒場の特徴

駒場は目黒区に位置しており、渋谷からも近く、駒場東大キャンパスがあることでも知られています。
駒場はどのような地域なのか、特徴を見ていきましょう。

東大のキャンパスがある

東大のキャンパスがある

東大の本部キャンパスは、東大赤門があることで有名な文京区の本郷キャンパスです。
駒場にあるキャンパスは教養学部と理学部数学科があり、1年生~2年生の間は本郷キャンパスではなく、駒場キャンパスで全学生が学ぶことになっています。
そのため、高校を卒業したばかりの若い学生が集まっており、賑わいもあります。
日本の最高学府である東大に進学した自信に満ち溢れ、将来を見据えて学ぶ意欲が高い学生たちにあふれるキャンパスです。

学生街であり文教地区

駒場エリアには、東大進学率が高いことで知られる国立筑波大学附属駒場中・高等学校や、私立駒場東邦中・高等学校をはじめ、東京都立駒場高等学校や東京都立国際高等学校などが集まっており、東京でも有数の文教地区といわれています。
学生街なので治安もよく、若者たちで賑わうエリアです。
学生向けの手ごろな価格でボリュームある定食を提供するお店や、学生たちが集まるカフェなどが集まっているのも魅力です。

自然や歴史を感じるスポットが残る

自然や歴史を感じるスポットが残る

駒場には、地名の由来となった駒場の跡地につくられた目黒区立駒場野公園をはじめ、東大駒場キャンパスの歴史ある建物や緑などがあり、自然豊かな地域です。
東大駒場キャンパスは開設当初、農学部のキャンパスでした。

日本に稲作の最新技術をもたらしたドイツ人博士が、教授陣や学生たちと作り上げたケルネル田圃があり、駒場野公園に現在でも受け継がれています。
駒場野公園には、バードサンクチュアリや昆虫採集などもできる自然観察舎、水遊びができるゾーン、デイキャンプ場所など自然に親しめる環境が整っています。
テニスコートやゲートボール場、駒場体育館もあり、世代を超えて地域内外の方が楽しめるスポットです。

もう1つ歴史と自然に親しめるスポットが、駒場公園です。
加賀百万石の当主であった、旧前田家の前田利為侯爵駒場邸の跡地が公園になりました。
敷地内には、昭和初期の和洋両建築の粋を集めた、昭和4年に建てられた化粧レンガやタイル張りの洋館、昭和5年に完成した書院づくりの和館などもありました。

自然の大木をはじめ、名石をあしらった幽すいな奥庭、芝生の広場なども設けられた、加賀百万石を誇る盛大な邸宅であったといわれています。
現在も和館や洋館が残されており、水屋や待合所を備えた茶室や和室の縁側からは、流れのある池や美しい庭園を眺められます。

閑静な住宅街が残る

現在では邸宅が並ぶ高級住宅街でも、高級マンションなどが建ち並ぶエリアも増えているなか、駒場公園の周辺は第一種低層住居専用地域に指定されたままです。
戸建住宅が建ち並んでおり、古くから暮らすシニア世代をはじめ、文教地区であることもあり、子育てファミリー世帯などが多く、落ち着きのある閑静な住宅街が広がっています。
そのため治安もよく、暮らしやすい地域でもあります。

駒場の歴史

では、このエリアに駒場という地名がついた由来や、この地に東大のキャンパスができた歴史などを紐解いていきましょう。

駒場の地名の由来

駒場の駒とは馬のことを指し、古くは馬の牧場があった地域です。
良質な馬が産出されることで有名だったと伝えられています。
江戸時代になり、八代将軍の徳川吉宗の時代には、薬園も開設されました。
幕末になると、この地で軍事教練が行われ、銃声が轟いていたといわれています。

駒場農学校の開設と新しい農法の導入

明治時代に入り、江戸幕府の領地が政府に接収されると、この地に駒場農学校が開設されます。
明治維新が起こり、日本を世界と台頭の国へと成長させるべく、殖産興業政策が行われました。
その1つの対策として、農民の知識や経験則に基づく在来農法ではなく、先進国の農業技術を導入し、近代農法を形成しようと国外から外国人講師が招かれます。
クラーク博士で有名な札幌農学校では、アメリカの農業技術が導入されます。
同時期に開設された駒場農学校では、ドイツ人のケルネルを招聘し、ドイツ農法に基づく近代農法の実践的な取り組みや研究が行われました。

今も受け継がれるケルネル田圃(たんぼ)

ドイツから招聘されたケルネルは、明治14年から駒場農学校で、水田土壤の研究とイネ作肥料の研究などに大きな功績を残します。
学校名が東京農林学校、東京帝国大学農科大学と変わる過程でも指導を続け、明治25年にドイツに帰国するまで、近代日本の農学の基礎づくりに貢献した人物です。
ケルネル田圃は試験田として開設されたもので、水田土壌やイネ作肥料の研究などが行われていました。

現在も駒場野公園内に残されており、筑波大学附属駒場中学・高校の生徒たちが、毎年6月になると田植えを行います。
大切に育てて秋には稲刈りを行い、卒業式や入学式の際に収穫したお米をお赤飯にして、生徒たちが楽しんでいるといいます。

駒場農学校の歴史

駒場農学校の歴史

現在は、東大駒場キャンパスと駒場野公園は分かれています。
しかし、明治11年に駒場農学校が開設された当時は、現在の教養学部のキャンパスだけでなく、駒場公園や駒場野公園まで広がる、約6万坪の敷地であったといわれています。
その後もさらに拡張され、最盛期の明治17年には、16万5,000坪の広さを有していました。

在来農法の改良に取り組むための本邦農場、欧米の農作物を試植する泰西農場をはじめ、園芸や植物園、家畜病院、気象台などが設置されていました。
後に、敷地の一部は旧東京教育大学農学部が開設されますが、その後に筑波大学となって茨城県に移転します。
その跡地である約2万8,000平方メートルの地には、駒場農学校時代から受け継がれてきたケルネル田圃と池・雑木林を残して公園として整備され、昭和61年3月に駒場野公園として開園しています。

駒場の交通アクセス

駒場の交通アクセス

駒場には駒場東大前駅があり、京王井の頭線が使えます。
JR山手線や湘南新宿ライン、東京メトロ銀座線や半蔵門線などと乗り換えられる、主要ターミナル駅の渋谷駅までわずか2駅で、交通アクセスが便利です。

京王井の頭線は、下北沢駅や明大前駅などの若者が多く暮らす駅や、永福町駅や浜田山駅など高級住宅街もあるファミリーに人気の住宅街、三鷹台駅や吉祥寺駅など社会人も暮らしやすいエリアともダイレクトにつながっています。
そのため、駒場にオフィスを構えると通勤もしやすく、人材採用にも有利に働きます。

駒場のオフィス賃料相場

駒場の賃料相場の坪単価は、18,000円前後です。
立地や駅からの距離、周辺環境、オフィスビルの築年数や広さによっても変動するので、確認が必要です。

まとめ

駒場は広大な東大のキャンパスがあるほか、名門の中学や高校もあり、学生街としての賑わいがあります。
自然に親しめる場所も多く、快適な環境が整っているエリアです。
駒場東大前駅から京王井の頭線が使え、渋谷にも2駅でアクセスできるほか、沿線には住宅街も多いため、ビジネスの移動にも通勤にも便利です。

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