目黒区南は環七通りが通り、東急大井町線の大岡山駅や洗足駅と、東急東横線の都立大学駅の間にあるエリアです。
目黒区南の街の特徴や歴史を見ていきましょう。

南の特徴

目黒区南は、高級住宅街の碑文谷に隣接しています。
目黒区内でファミリー層などに人気の住宅街である、大岡山や洗足にも接しているエリアです。
隣接するエリアに比べ、地域や町名としての知名度は低いですが、どのような特徴があるのかを見ていきましょう。

閑静な住宅街

目黒区南は東急大井町線沿いにあり、ファミリー層を中心に人気があります。
分譲住宅やマンションなどが多い、大岡山や洗足エリアに近いです。
政財界人や大物芸能人などの邸宅があることで知られる、高級住宅街の碑文谷に隣接しています。
さらに、若い社会人などにも人気がある、東急東横線の都立大学エリアにも挟まれた地域です。

住宅街として人気のエリアに挟まれている場所なので、やはり閑静な住宅街がひろがっています。
目黒区南部に位置する碑文谷や大岡山、洗足エリアは、目黒区のほかのエリアに比べて、木造住宅が多いのが特徴です。
南も戸建て住宅をはじめ、低層マンションが建ち並ぶ、閑静な住宅街が形成されています。
デザイナーズマンションなど高級マンションが多く、洗練された雰囲気を感じるエリアです。

緑や自然に触れられるスポットが多い

緑や自然に触れられるスポットが多い

南をはじめ、碑文谷など周辺エリアは、公園、森林や庭などがある神社仏閣も多く、緑や自然に触れられるスポットが多いのも特徴です。
閑静な住宅街の中に、広大な公園や気軽に立ち寄ってリフレッシュできるような緑の公園があり、都心部でありながら快適な環境が整っています。

駅は少し遠くても生活は便利

南には、地域名を冠する鉄道駅はなく、最寄り駅として大岡山駅や洗足駅、都立大学駅などを使えます。
南の立地にもよりますが、どの駅も徒歩で10分以上はかかる距離にあるので、駅までのアクセスは少し不便を感じるかもしれません。
駅まで出れば、商店街やスーパー、ドラッグストアなどがそろい、大きな病院もあるので、生活に不便はないでしょう。

南の歴史

南はどのような歴史を持つ地域なのか、周辺エリアと歩んできた道を見ていきましょう。

竹林がある田園地区

現在の目黒区南部エリアは、都心の一角にある高級住宅街や洗練された場所というイメージがありますが、江戸時代までは竹林が多い自然豊かな地域でした。
竹林を活かして、タケノコの生産をはじめ、野菜や米、麦などの栽培を行っていました。
目黒のタケノコは、太くて柔らかくて美味しいと評価が高く、大正時代には最盛期を迎えます。
目黒のタケノコが人気を博したキッカケをつくったのが、当時の目黒不動前にあった料亭です。

角伊勢・内田屋・大黒屋といった料亭で、春の旬の味覚として名物筍飯を提供すると話題を集め、正岡子規ら多くの文人墨客も舌鼓を打ったといわれています。
目黒のタケノコ栽培は農家の収入源ともなり、目黒の地質に合った目黒式と名付けられた、独特の栽培法が採られていました。
地下茎を掘り起こし、深く掘った溝に埋め直して肥料を施す、タケノコ農家が編み出した地質に合った栽培法です。
4月下旬から5月上旬の収穫期には、一家総出でも足りず、ときには人を雇って収穫を行っていました。
柔らかいタケノコを収穫するには、地上へ出る前に速やかに抜く必要があるためです。
収穫されたタケノコは仲買人に渡され、神田や駒込にあった青物市場へと運ばれていきました。

「東京府志料」という資料によれば、目黒エリアにおける明治5年の農産物の収入のうち、タケノコが占める収入割合は碑文谷村で2割弱、衾村で1割弱でした。
季節限定である農産物でありながら、かなりの割合を占めていました。
勘定の支払いをタケノコが採れるまで待ってくれ、タケノコが採れたら支払うといった農家も多かったといいます。
タケノコ勘定という言葉が生まれたほど、タケノコが農家を潤わせてくれました。
目黒南部の農家を潤わせていた竹林は、関東大震災が起きると様相が変わっていきます。
関東大震災では、下町を中心に大きな被害を受け、多くの人が家を失いました。
比較的地盤が強かった目黒の地は、被災した地域などから移り住むために、どんどん切り開かれていきます。

その後、鉄道が開通すると宅地化がいっそう進み、多くの家が建つようになりました。
これによって、竹林の多くは消滅しました。
ただし現在でも、南から徒歩圏にあるすずめのお宿緑地公園などに、当時から続く竹林が残っています。

目黒南部に農地が多かったことは、南にある南一丁目緑地公園からも紐解けます。
この公園は、平成30年に開園するまでは生産緑地でした。
つまり、もともと農地であった場所です。
農地であったところが、農業を営む人がいなくなり、目黒区で買い取った生産緑地を公園に転換したものです。

地域の特性とこれから

南を含む目黒区南部エリアは、目黒区の北部エリアや東部エリア、西部エリアに比べて住宅率が高く、事業所率は最も低いエリアです。
また、ほかのエリアと比べると高齢化率が高くなっており、古くから残る木造住宅をはじめ、老朽化したマンションや空き家なども増えてきました。

地域の課題として、空き家対策、木造住宅の割合が高いことから防災対策の充実、また緑を活かした景観づくりが求められています。
南にも通る環七通りをはじめ、目黒通りなどは、都市活動軸として位置づけられており、幹線道路の沿道に商業と業務環境を充実していくことが必要です。
地域住民や事業者との連携、協力を図りながら、幹線道路沿いのマンションやオフィスビルの低層階にお店を出店したり、景観に配慮した街並みを形成したりすることが求められています。

住環境と調和させながら、幹線道路の沿道に即した商業エリアや、業務環境を整備することが目指されているので、南エリアはよりオフィスも構えやすくなり、仕事もしやすくなっていくことでしょう。

南の交通アクセス

南の交通アクセス

南を冠する駅はありませんが、立地により、東急大井町線の大岡山駅と洗足駅、または東急東横線の都立大学駅が最寄り駅になります。
東急大井町線は、目黒駅までダイレクトに行けるので、JR線山手線への乗り換えに便利です。
日吉方面へもつながっており、神奈川エリアからの通勤にも使えます。
東急東横線を使えると、代官山駅や渋谷駅までダイレクトに行けるほか、横浜駅までつながっているので、ビジネスでの移動や通勤にも便利です。
南には環七通りが通るのをはじめ、目黒通りとも接続しているので、車での交通アクセスは比較的スムーズです。

南のオフィス賃料相場

南の賃料相場の坪単価は、10,000円前後~14,000円前後です。
立地や最寄り駅、駅からの距離、周辺環境や利便性、オフィスビルの築年数や階数、広さ、備わっている設備やセキュリティ体制などによっても変動するので、確認が必要です。
特に最寄り駅までは、所要時間が長くなる立地が多いので、交通の利便性はよく検討しましょう。

まとめ

南は、駅から少し離れた場所にある閑静な住宅街であり、高級マンションなども多いエリアです。
緑に親しめるスポットが点在しており、静かな環境で業務に取り組みたいときにおすすめです。
交通の便は、大岡山駅や洗足駅、都立大学駅から鉄道の利用ができます。
環七通りが通り、目黒通りにも出やすいので、車での移動は便利です。

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