本町は渋谷区にある町で、鉄道駅がないことから、あまり地名や地域として目立たないかもしれません。

渋谷の外れに位置し、新宿や初台に隣接する本町の特徴や歴史を紐解いていきましょう。

本町の特徴

本町は渋谷区の北西に位置し、東側は新宿区に隣接し、北側は中野区と接しています。
本町という駅はありませんが、京王新線の初台駅と幡ヶ谷駅、都営大江戸線の西新宿駅が最寄駅として使え、2路線3駅が使える立地です。

都内の主要ターミナル駅である新宿駅に近く、渋谷駅へのアクセスもしやすいことから、大企業の本社もあるなどオフィス街でもあります。

本町らしい特徴をほかにも見ていきましょう。

新国立劇場がある場所

新国立劇場がある場所

初台駅と直結する大きな複合施設として、東京オペラシティがあり、この界隈のランドマークとなっています。

東京オペラシティは新国立劇場などの文化施設と、ショップやレストランなどの商業ゾーン、オフィスゾーンが融合された高層ビルです。

この大型の施設は区の境目にあり、東京オペラシティのビルは新宿区に位置し、新国立劇場のアドレスは渋谷区本町1丁目にあたります。新国立劇場は、まさに本町を象徴するランドマークです。

新国立劇場にはオペラ劇場をはじめ、中劇場、小劇場の3つの劇場があり、オペラをはじめ、クラシックコンサートやバレエ、演劇などの公演が開催されます。

世界的な楽団や劇団、バレエ団なども来日するため、全国から多くの観客が訪れます。

本町の地域を知らなくても、訪れた経験がある方が多いかもしれません。

ノスタルジックな不動通商店街

ノスタルジックな不動通商店街

初台の駅前は東京オペラシティを中心にビルが建ち並んでおり、新宿副都心の並びとして近代的な雰囲気があります。

ですが、甲州街道を挟むと、一気に昭和レトロな雰囲気を残すノスタルジックな場所が広がっているのです。

地域で長く親しまれてきた幡ヶ谷不動尊に連なる通りに、不動通り商店街が形成され、現在でも多くの買い物客で賑わっています。
不動通り商店街は約1kmも続き、食料品店から雑貨店、美容室など長い歴史を持つさまざまなお店が連なっています。

商店街の街路灯には幡ヶ谷不動尊の紋が描かれるなど、不動尊との結びつきが深いのも特徴的です。

地元で親しまれてきた荘厳寺

不動通商店街は、幡ヶ谷不動の通りにある商店街として名付けられていますが、その不動尊は正式名称を荘厳寺(しょうごんじ)と言います。

初台駅から徒歩で6分ほどの場所にあり、不動明王が祀られており、古くより地元の方には幡ヶ谷不動として親しまれてきました。

毎日のように地元の方や近隣で働く方が訪れては、お参りをしていきます。
ちょっとした願い事を願掛けするにも親しまれている場所です。

幡ヶ谷氷川神社

幡ヶ谷氷川神社

幡ヶ谷氷川神社は、創建は戦国時代以前と言われる歴史ある神社で、本町をはじめ、幡ヶ谷や笹塚など近隣エリアの氏神様として、地域の方に信仰されてきました。

幡ヶ谷氷川神社には、農業神・疫神・冥府の神である素戔嗚尊と川の神である奇稲田姫尊が祀られています。

本町は明治時代までは水田が広がっており、現在は暗渠となった川も流れていました。

そのため、農業の神や川の神が祀られた幡ヶ谷氷川神社は、地域の方にとって大切な守り神だったのではないでしょうか。
現在でも、秋には例大祭が2日間にわたって行われています。

町の人が神輿を担いで地域を練り歩き、太鼓の音が鳴り響き、神輿の担ぎ手たちの威勢のいい声が地域に響き渡ります。

幡ヶ谷氷川神社の境内の通り沿いに屋台も並び、多くの人が祭りの雰囲気を楽しみ、夜まで賑わいが絶えないほどです。

新宿副都心のビルも見える場所で、こうした地域の祭りが繰り広げられているのは驚くべき対照的な光景であり、いつまでも残したい伝統です。

本町の歴史

本町はどのような歴史を経てきたのでしょうか。
歴史を簡単に振り返ると、氷川神社、荘厳寺など歴史ある寺社があり、明治時代以前より集落が形成されていることがわかります。

旧神田川支流や玉川上水新水路が埋め立てられて造られた旧神田川支流遊歩道と水道道路は本町の歴史的遺構となっています。

近年は、新国立劇場をはじめ、渋谷区初の区立小中一貫校となる渋谷本町学園が整備されるなど、文化・教育施設と商店街が残る下町風情漂う住宅地が融合した地域となってきました。

本町内には9つの町会と6つの商店会が組成されており、住民の活動や地域経済の動きも活発です。都心に位置しながら、地域に根差した住民組織や商店会があるのが、本町の地域資源と位置付けられています。

商店街が連なる幡ヶ谷不動の歴史

地域の方には古くより幡ヶ谷不動、お不動さんとして親しまれてきた荘厳寺は、1561(永禄4)年の創建と言われています。

歴史あるお寺は、現在では本町のランドマークとなっている近代的な東京オペラシティや新国立劇場の裏側に位置しており、54階建てという大規模な超高層ビルと、古いお寺の対照的なコントラストは初めて見る方に驚きを与える光景と言えるかもしれません。

幡ヶ谷不動に祀られている不動尊は、名だたる武将たちの手を経て、この地に安置されたものという言い伝えがあります。

天慶年間に平将門を討滅した平貞盛と藤原秀郷、永禄年間には甲州を代表する武田信玄、さらに鎌倉時代には北条氏政など、歴史的な武将の手を経てきました。

現在の東村山市にあたる多摩郡宅部村(現在の東村山市)の三光院に安置されていましたが、1747(延享4)年に霊夢のお告げがあり、この地に遷祀された歴史を持ちます。

幡ヶ谷の地に遷祀されたことから、地域の方から幡ヶ谷不動として親しまれるようになりました。

幡ヶ谷不動にある常夜燈は、かつて甲州街道と明治通りが交差するところに置かれていた道標です。

台座には、この地から十二社熊野神社や大宮八幡宮までの距離や井の頭弁財天までの距離が刻まれており、昔の人たちが熊野詣など参詣に訪れるための案内板として機能していました。

今でも御朱印帳を集める人やパワースポット巡りをする方がいますが、昔も時代ごとに熊野詣などの信仰ブームが起こっていました。

近郊をはじめ、関東エリアや全国各地から歩いてやってくる人たちにとって、重要な指標を担っていたものです。

常夜燈の存在からも、江戸時代に整備された五街道の一つ、甲州街道沿いにあった本町は、当時から多くの人が行き交い、賑わいのある街を形成してきたことがわかります。

本町の交通アクセス

本町には本町という駅はありません。
最寄駅として使えるのは、京王電鉄京王新線の初台駅や幡谷駅、都営大江戸線の西新宿五丁目駅などで、オフィスの立地や鉄道を使って行きたい目的地に合わせて選ぶことができます。

京王新線は新宿から初台、幡ヶ谷、笹塚の4駅だけの路線ですが、京王線とつながっているので明大前や千歳烏山、調布や府中、八王子方面まで行くことができます。

都営大江戸線を使えば、代々木や青山一丁目、六本木や麻布十番をはじめ、羽田空港へ行く東京モノレールの乗り換えができる大門、汐留や勝どき、月島や森下などの下町から、上野御徒町や飯田橋など幅広くアクセスできるので便利です。

本町のオフィス賃料相場

坪単価は11,000円前後です。
立地や最寄り駅、駅からの距離、ビルの築年数や備わっている設備、周辺環境によっても変動しますので、確認が必要です。

まとめ

本町は渋谷区の外れ、西新宿や初台に近接する立地で、高層ビルなどのオフィスビル群と古くから地元に根差した幡ヶ谷氷川神社や幡谷不動があり、商店街も残されている地域です。
新宿などにもアクセスがいい都心の立地でありながら、ノスタルジックな雰囲気も残るのが魅力です

【初台・本町・笹塚】の賃貸オフィスはこちらから。