白金と聞いて、どのようなイメージをお持ちでしょうか。世代によってはセレブな街、高級住宅街のイメージが強いかもしれません。
今回は、白金の特徴や歴史についてご紹介していきます。

白金の特徴

白金は港区の高台にあり、目黒から少し離れたところに位置します。かつては駅がなく、電車が通っていませんでした。

八芳園や都ホテルなどの大きなホテルがありましたが、電車でアクセスができず、ホテル専用のシャトルバスに乗るか、目黒駅から路線バスに乗るしかなかったのです。

気軽にアクセスできる駅がなかったせいか、界隈には高級車を所有するセレブが住み、邸宅やルーフバルコニーを備えた広大な面積を持つ高級マンションが建ち並ぶ高級住宅街になっていました。

ですが、2000年になってようやく白金台駅と白金高輪駅ができ、新しく開通した東京メトロ南北線をはじめ、都営三田線も通るようになりました。

鉄道の開通により、アクセスが便利になり、オフィスも増えていくなど、新たな街の様相を呈するようになっています。

シロガネーゼのブームが起こる

世代によっては、白金と聞くとシロガネーゼという流行語を思い出すのではないでしょうか。
1998年に女性ファッション誌が作り出した造語で、白金の高級住宅街に暮らすセレブなマダムたちのことを指していました。

バブル崩壊後も白金の地には華やかな暮らしを続けるセレブたちがおり、高級ブランドに身を包み、プラチナ通りで買い物を楽しんだり、お茶をしたり、高級ベビーカーに子どもを乗せて散歩して歩くといった姿が取り沙汰されました。

当時はシロガネーゼに憧れ、セレブな専業主婦を目指して婚活するような女性までいたほどです。

プラチナ通り

プラチナ通り

白金を代表する街の通りで、白金エリアを通る外苑西通りの一部を指しています。

高級貴金属のプラチナは日本語で白金(はっきん)と呼ばれるため、白金の名前と文字って、プラチナ通りと名付けられました。

白金の高級な雰囲気を象徴する通りになっており、通り沿いにおしゃれなカフェやスイーツショップ、エレガントなファッションやジュエリー、インテリア雑貨などを扱うショップやインターナショナルな雰囲気の高級スーパーなどが建ち並んでいます。

銀杏並木もあり、見た目にも雰囲気のある美しい場所です。
このプラチナ通りを平日の昼間から買い物して歩いたり、ランチをしたり、お茶を飲んで優雅に過ごすセレブをシロガネーゼと呼んでいました。

庭園が多い

白金の地には、大きな庭園を備えたホテルや結婚式場、植物園や美術館などが多いのも特徴です。

結婚式場として知られる1950年創業の八芳園は、約1万2,000坪もの敷地を持ち、美しい緑の芝生の広場で四季折々の草花に囲まれながら、ウエディングを挙げることができます。

八芳園のある場所は、江戸時代には大久保家の屋敷であった場所で歴史もあります。

目黒駅から白金へと向かう場所にあるのが、都会のオアシスとも言える国立科学博物館付属自然教育園です。
園内にはコナラやケヤキ、マツなどの林が広がり、池や小川も流れ、ススキやヨシの草地などもあり、野生の鳥や昆虫なども集まってきます。

整備された庭園というよりは、田舎の野山や里山に入り込んだような、豊かな自然を感じられる場所です。
ここは、かつて高松藩主松平讃岐守の下屋敷があった場所でした。

東京都庭園美術館は、1933年に建てられたアール・デコ様式の旧朝香宮邸とその庭園を利用した美術館です。
洋風でクラシカルな美しい建物と、季節の花々が咲き誇る美しい庭園の中で、美術鑑賞ができます。

このように、庭園や自然、芸術を身近に感じられるスポットが充実しているのも、白金のエレガントで高級な雰囲気や暮らしを醸し出す所以です。

アカデミックな街

白金にはお嬢様校としても知られる聖心女子学院をはじめ、日本最古のキリスト教主義学校である明治学院大学、将来のお受験に役立ち、エリートになるための第一歩とされる東京の三大名門公立小学校の一つである港区白金小学校などがあります。

アカデミックな街と言われることもありますが、こうした名門校があるのも、セレブさや高級さが醸し出される理由の一つです。

白金の歴史

白金に広大な敷地を持つ施設が多く、高級住宅街として発展してきたのはなぜなのか、歴史を紐解いていきましょう。

白金の名称の由来

その昔、応永年間に富裕な豪族であった柳下上総介が白金村を開いたと言われています。

柳下上総介は大量の銀(しろかね)を所有する大金持ちであり、当時白金長者と呼ばれていたようです。
そこから地名が付いたというエピソードが残されています。

もっとも、江戸時代の白金エリアは耕作地なども広がる、静かな田舎町といった形でした。

ですが、やがて大きな屋敷が建ち並ぶようになります。

八芳園のあった場所は、江戸時代の初期には徳川家康の側臣であった大久保彦左衛門の屋敷が置かれており、国立自然教育園があった場所は高松藩主松平讃岐守の下屋敷でした。

東京都庭園美術館がある場所は昭和初期に建てられた朝香宮邸であるなど、徳川家に仕えた家臣や大名をはじめ、明治期以降は皇族や華族の邸宅が並んでいたことがわかります。

高級住宅街として知名度が上がった理由

戦後も、白金の地は高級住宅街として邸宅が建ち並ぶ、閑静な場所でした。
都心部にありながら鉄道駅がなく、界隈から訪れるような人もなく、開業以来人気を集めた八芳園へ結婚式など特別な日だけに人が集まるような場所だったためです。

その後、バブル期には高級マンションが建ち並ぶようになっていきます。
ワンフロア、ワン住戸のようなマンションが多く、広大なルーフバルコニーから八芳園などの庭園を見渡せるような物件もありました。

こうした暮らしがクローズアップされるようになったのが、ファッション雑誌での特集と、2000年の東京メトロ南北線、都営地下鉄三田線の開通です。

地下鉄が通ったことで、誰もが立ち寄れる場所になり、雑誌を見た女性たちがプラチナ通りに訪れてショッピングをするなど、気軽に訪れることができるようになりました。

白金の交通アクセス

白金の交通アクセス

白金には白金駅はなく、都営三田線または東京メトロ南北線の白金台駅または白金高輪駅が最寄駅として使えます。
同じ路線が通っていますので、近いほうを利用すれば良いでしょう。
都営三田線を使うと目黒駅まで出て、JR山手線に乗り換えられるので便利です。

また、都営三田線で大手町や日比谷など都心部へダイレクトアクセスでき、さらに巣鴨や板橋、埼玉方面まで抜けることができます。

東京メトロ南北線も目黒駅に出られるほか、六本木一丁目や永田町、四ツ谷、市ヶ谷、飯田橋、後楽園や東大前などに出ることができ、そのまま埼玉方面へ乗り入れることも可能です。

白金のオフィス賃料相場

白金はかつては高級住宅街として有名でしたが、地下鉄駅ができたことで、オフィスビルも増えています。
坪単価は20,000円前後です。

立地や利用できる最寄駅、駅からの距離、ビルの築年数や設備、周辺環境によっても変動しますので、確認が必要です。

まとめ

白金は歴史ある場所で、長きにわたって高級住宅街として知られてきました。都心の中心部に位置しながら、鉄道駅がなく、セレブな雰囲気を携えてきた場所です。

2000年に東京メトロ南北線と都営三田線の白金台駅と白金高輪駅ができたことで、一気にアクセスも良くなり、街の様子も少しずつ変化しています。

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