赤坂は、東京都港区の北西部、武蔵野台地の東端に位置するエリアです。
赤坂といえば実業家や政治家、芸能人などが豪邸を構える高級住宅地、そして高級料亭やクラブなどが多く見られる繁華街というイメージを持っている方も多いでしょう。
しかし、近年は青山通りや外堀通り、六本木通りに沿って数多くのオフィスビルが立ち並び、企業が本社を置くためのオフィス街としてのニーズも非常に高まっています。
ここでは、赤坂エリアの特徴や歴史、オフィス賃料の相場などについて詳しくご紹介していきます。
赤坂エリアで賃貸オフィスを検討されている方はぜひ参考にしてください。
目次
赤坂エリアの歴史
赤坂といえば、現在では青山や麻布などと並んで非常にブランド価値の高い街として知られていますが、これまでどのようにして発展してきたのでしょうか。
詳しく見ていきましょう。
地名の由来は茜(あかね)坂?
赤坂という地名の由来については諸説ありますが、最も有力な説は茜坂が赤坂に変化したというものです。
江戸時代以前、このエリアはまだ開発が行われていなかったこともあり、染め物の原料などに使われる茜草が群生していました。
特に紀伊国坂のてっぺんには茜草が密集していたため、そこへ続く坂道のことを地域の人々が「茜坂」と呼び、それが転訛して赤坂になったという説です。
もう1つの説は、見た目が赤かったからという説です。
この地域は、武蔵野台地の東端に位置していることから、関東ローム層の赤土で覆われていて坂自体が赤く見えました。
このことから、赤坂と呼ばれるようになったというものです。
なお、文献などで最初に「赤坂」という地名が見られるのは江戸時代に入ってからで、それまでは人継村(ひとつぎむら)と呼ばれていました。
徳川家康の江戸入府とともに開発される
赤坂の歴史は、徳川家康が江戸入府と同時に始まります。
赤坂は、江戸城のすぐ西側のエリアだったこともあり、重要な防衛拠点として整備され、紀州徳川家などの有力大名や身分の高い旗本・御家人など、役人を配置するための武家屋敷が立ち並んでいました。
この当時の区画は、現在の赤坂でもあちこちで見ることができます。
また、江戸の総鎮守である「山王日枝神社」をはじめとして「豊川稲荷東京別院」「赤坂不動尊」といった格式の高い神社やお寺があったことから、幕府にとって非常に重要な地域であり、付近には赤坂見附の城門が設置され見張り役の番兵が駐在していたことでも知られています。
明治時代には高級住宅街や繁華街として発展
江戸幕府が倒れると、赤坂に暮らしていた大名や役人はそれぞれ自分たちの国元に帰っていき、立ち並んでいた大名屋敷や武家屋敷も使われなくなり、一時的に荒廃しました。
しかし、明治維新後には赤坂区となり、新政府の役人や公家が京都から大量に移り住んで住居を構えたことから、赤坂は防衛拠点としての街から軍人や裕福層が集まる住宅街へと変化していきました。
また、比較的身分の低い武士が多かった赤坂見附や溜池といったエリアには料亭や旅館などが立ち並び、花街が形成されるなど繁華街としても発展していきます。
外国人も多く集まる有数の高級住宅街・商業地へ
1923年の関東大震災は東京に大きな被害をもたらしましたが、赤坂エリアは被害が比較的少なかったことから、昭和初期には住宅地・繁華街として大きな発展を遂げていきました。
国会議事堂や首相官邸がある永田町から近いため有名な政治家の住む豪邸が多く見られるのもこのエリアの特徴の一つです。
戦後になると料亭だけでなくキャバレーやクラブなども急激に増えて、銀座と並ぶ繁華街として大きな賑わいを見せるようになり、実業家や芸能人、文化人なども多く集まるようになります。
バブル期には円安の影響もあって多くの国が大使館を置いたこと、赤坂には東京23区で唯一米軍の基地があったことなどから赤坂を訪れる外国人も多く、外資系企業やオフィスが多く見られる地域にもなっています。
赤坂エリアの特徴
ここまで見てきたように、赤坂エリアは江戸時代に防衛拠点として整備されたのが始まりであり、その後は高級住宅街や繁華街として大きく発展してきました。
しかし、近年は再開発事業などの影響で街並みも大きく変化しています。
そこで、ここでは現在の赤坂エリアの特徴についてご紹介していきます。
高級住宅街・繁華街からビジネス街へ
赤坂については、高級料亭や高級クラブなど繁華街としてのイメージを強く持っている方も多いですが、現在ではそのような店舗はかなり減ってきていて、オフィス街としてビジネス色の濃い街へと変化してきてきました。
バブル崩壊後は都市再開発事業も盛んに行われ、「TBSテレビ」や「赤坂サカス」「東京ミッドタウン」「赤坂Bizタワー」といった企業の本社ビルや複合商業施設がランドマークとなっています。
また、エンタメ関連の企業が多くあるエリアでもあり、「ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル」「ユニバーサルミュージック」といった企業や「旧ジャニーズ事務所」「バーニング事務所」などの芸能事務所が拠点を置いていることでも知られています。
豊かな自然や歴史的な建造物も多く残る
近年はビジネス街として発展している赤坂エリアですが、表通りから一歩奥に入ると昔ながらの路地があり、高級住宅街としての落ち着いた雰囲気を残しているのも大きな特徴です。
司馬遼太郎や勝海舟、高橋是清、乃木希典など多くの政治家、文化人、軍人が愛したことからもわかるように、非常に品格のある街並みを見ることができます。
高橋是清の邸宅跡は現在「高橋是清翁記念公園」として整備され、住民の憩いの場所となっていますし、乃木希典の邸宅跡である「乃木公園」は桜の名所としても有名です。
さらに、このエリアには「赤坂氷川神社」「赤坂不動尊」「山王日枝神社」など、歴史や文化を受け継ぐ建造物も多く、高級住宅地としてもいまだに高い人気を誇っています。
赤坂エリアの賃貸オフィス事情
赤坂エリアは賃貸オフィスのニーズが非常に高いエリアであり、新しいオフィスの候補地として赤坂を考えているという方も多いでしょう。
では、赤坂の賃貸オフィスを選ぶことでどのようなメリットがあるのでしょうか。
大企業が集積している
赤坂エリアの魅力の一つは大企業、特にメディア関連や広告関連の企業が集積している点です。
今後も大規模な再開発が計画されていることから、事業を行ううえでの拠点としてさらなる発展が見込めるエリアでもあります。
また、外資系企業の日本拠点も多いことから、今後商圏を大きく展開していくうえで有利な条件が揃っているのも魅力でしょう。
交通アクセスが抜群である
国内屈指の商業地ということもあって、赤坂エリアには多くの路線が乗り入れているため、交通アクセスは非常に良好です。
「赤坂駅」には千代田線、「赤坂見附駅」には銀座線と丸ノ内線が乗り入れていますし、「六本木駅」からは大江戸線、「溜池山王駅」からは銀座線、南北線を利用することができます。
このほか、南北線・有楽町線・半蔵門線が乗り入れている「永田町駅」や千代田線の「乃木坂駅」も徒歩圏内であり、新宿駅や渋谷駅、東京駅、品川駅など都内主要駅へは20分以内でアクセスすることが可能です。
アクセスの良さを重視して賃貸オフィスを選ぶ際にも、赤坂エリアは重要な候補地の一つとなるでしょう。
賃貸オフィスのニーズが高くさまざまな物件が揃っている
賃貸オフィスの選択肢が多いのも赤坂エリアの魅力です。
赤坂Bizタワーや赤坂ガーデンシティ、アークヒルズなど大型のオフィスビルが数多くある一方で、弁護士事務所などに向いている比較的小さいオフィスも揃っているので、自社の規模にぴったり合う物件を見つけやすくなっています。
赤坂エリアのオフィス賃料相場は高め
赤坂エリアのオフィス賃料の相場(坪単価)は次の通りです。
- 30坪~50坪・・・18,000円~20,000円
- 50坪~100坪・・・22,000円~24,000円
- 100坪超・・・25,000円
港区赤坂という魅力的な立地ということもあり、賃料の相場や高めとなっています。
まとめ
赤坂はすでに日本を代表するビジネス街として非常に人気の高いエリアとなっていますが、今後さらなる再開発も予定されているので、より便利でより快適な街として発展していくことは間違いないでしょう。
賃貸オフィスの賃料相場は安くありませんが、交通アクセスの良さや環境は最高クラスであり、赤坂にオフィスを持つことの意義は今後さらに大きくなっていくことは確実です。
赤坂エリアで賃貸オフィスをお探しなら理想的なエリアの一つと言えるでしょう。