東京都の佃は、中央区にある街であり、隅田川にある佃島と石川島からなる町です。
江戸の味として私たちの間でなじみのある佃煮は、こちらの佃が発祥だといわれています。
今回は、この佃周辺にあるおすすめの観光スポットや商業施設、公共施設をピックアップし、魅力をご紹介していきます。
目次
佃にある観光スポット
佃は高層ビルの建ち並ぶ街ですが、江戸時代からの歴史ある観光名所もいくつか残されています。
家康公となじみの深い住吉神社
徳川家康が関東に下降する際に、摂津国佃の漁夫33人と住吉の社の神職平岡権大夫好次が分霊を奉載し、寛永年間に幕府から鉄砲洲向かいの干潟を賜った歴史があります。
その後、故郷である佃の名をとって佃島と命名し、正保3年に住吉三神と神功皇后、徳川家康の御神霊を佃の住吉神社に祀られました。
主祭神は住吉三神として知られる底筒之男命(そこつつのおのみこと)、中筒之男命(なかつつのおのみこと)、表筒之男命(うわつつのおのみこと)です。
また、相殿神は息長足姫命(おきながたらしひめのみこと)、東照御親命(あずまてるみおやのみこと)になります。
主祭神である住吉三神は、海の中から現れた神様であり、こちらの神社では海上安全や渡航安全の神として崇拝されており、海運業の方や問屋組合の方などからの信仰を受けています。
住吉神社は、毎年8月6日に祭が行われており、3年に1度開催される本祭には多くの方が集まって活気があふれ、盛り上がりを見せるのも特徴のひとつです。
ハゼ釣りのメッカは佃にアリ!ハゼが釣れる佃堀
佃堀は、住吉神社の掘割であり、橋を造る際に佃川を埋め立てた際に残された川の一部です。
色鮮やかな朱色が美しい佃小橋と佃堀、その背景に大川端リバーシティ21のビル群が望めるコントラストは、ちょっとしたフォトジェニックスポットとしても人気を集めています。
また、佃堀はハゼ釣りのメッカとも呼ばれています。
佃小橋をはさんだ2か所にハゼが釣れる釣りスポットがあり、ハゼ釣りを楽しむ釣り人や親子連れで平日休日問わずにぎわっているのが特徴です。
そのため、都内で気軽に釣りを楽しみたい方におすすめのレジャースポットといえるでしょう。
意外な場所にお地蔵さまが!佃天台地蔵尊
佃島を歩いていると、狭い路地のところに「佃天台地蔵尊」と書かれた赤い旗が見られます。
その路地を進んでいくと、地蔵堂と立派な銀杏の木があり、堂内には寄進された提灯などが飾られていて、常にきれいな供花が供えられています。
こちらのお地蔵さまは、正式には「佃天台子育地蔵尊」と呼ばれる、自然石の石版に彫られた地蔵像です。
江戸時代から受け継がれてきており、佃島がかつて川で囲まれていた時代に、子どもたちが水難事故に遭わないようにといった願いを込めて建てられたものです。
今では子育てや家内安全、長寿延命などに御利益があるとされていますので、ぜひ散策の際に立ち寄られてみてはいかがでしょうか。
佃にある商業施設
佃といえば、佃煮で有名な街です。
ここでは、その中でもおすすめの名店をご紹介します。
江戸時代から続く佃煮のお店「佃源 田中屋」
こちらのエリアの中でもファンが多い佃煮のお店といえば、「佃源 田中屋」です。
こちらのお店は江戸時代に創業された老舗名店で、江戸時代からの伝統の味が受け継がれた評判の高いお店となっています。
濃口醤油と三温糖、長年継ぎ足されてきた秘伝のタレで調理されており、独特の辛さの中にほんのりした甘さがうまく調和された味が魅力です。
昆布をはじめ、しらすやあさりなどが人気商品となっていますので、お土産やご飯のお供におすすめです。
佃でもっとも古い佃煮の老舗名店「佃煮 天安本店」
非常に歴史のある老舗名店の佃煮屋「佃煮 天安本店」は、藍染めの太鼓のれんが目印のお店です。
天保8年に開業されたお店で、佃にある佃煮のお店では最古といわれているお店になります。
タレは、創業以来180年以上にわたり受け継がれてきた秘伝の煮汁を使用して作られており、お醤油は300年もの歴史がある千葉県産「澪つくし」が使用されています。
長年の歴史の中で、厳選したこだわりの原材料で作られた佃煮です。
常に20種類にもおよぶ商品が店内で販売されており、昆布や海苔、あさりなどのほか、エビやハゼなどの珍しい商品が販売されていることもあります。
店内には、かつての佃島の写真なども飾られているので、買い物ついでに佃島の歴史をのぞいてみるのもおすすめです。
佃にある公共施設
佃にある代表的な公共施設としては、2つの公園と区民が利用できる区民館があります。
子どもから大人まで楽しめる佃公園
佃公園は、隅田川沿いにある区立公園で、佃大橋と中央大橋の間に設けられています。
公園には、子どもたちが楽しめる遊具としてブランコ・滑り台・シーソー・スプリング遊具・鉄棒・多彩なアスレチック遊具など、さまざまなものが整備されており、連日家族連れでにぎわいます。
また、足裏マッサージが楽しめる「健康こみち」もあり、大人だけでも楽しめる場所です。
園内には桜並木が植樹されているので、桜の時期になると多くの花見客でにぎわいを見せます。
また、川沿いにあるテラスでは釣りなどもできるため、老若男女が楽しめるスポットです。
江戸時代に常夜灯として活躍した石川島灯台を復元したモニュメントは、この公園のシンボルにもなっており、噴水が備わった池の広場とあわせて区民の憩いの場として活躍しています。
石川島公園
石川島公園は、隅田川と豊洲運河にはさまれた場所にある中央大橋から、相生橋の先までの細長い公園であり、佃公園とテラスを介してつながった公園です。
石川島とは元々、隅田川河口の三角州であり、徳川家光の代に石川八左衛門が拝領したことから石川島と呼ばれるようになったという歴史があります。
かつて石川島播磨重工業の造船所が設けられていた地であることから、石川島公園と名付けられているそうです。
園内には御影石が美しいパリ広場があり、この場所から見るスカイツリーの景色は絶景です。
休日診療を受け付けてくれる駅チカ便利な佃区民館
佃区民館は、月島駅から徒歩1分ほどの立地にある便利な区民館です。
普段は、セミナーや区民のイベント、会議などで活用されているスポットです。
区民館は休日診療所と調剤薬局が入っている複合施設となっており、休日に具合が悪くなった場合も安心して医療サービスが受けられるようになっています。
近隣にお住まいの方々にとっては、非常に頼りになるスポットといえるでしょう。
まとめ
佃島には、食や歴史、ちょっとしたレジャーなどが楽しめるスポットです。
近くにある月島のもんじゃストリートに寄ったついでに、佃島の街を堪能するのもおすすめです。
今回ご紹介した佃煮は、いずれも贈答用としても販売されていますので、ギフトとしてお使いいただくのも良いでしょう。