人形町は、江戸の中心でもあった日本橋にある、下町情緒あふれる町です。
人形町は元々、歌舞伎に次いで建てられた人形浄瑠璃の芝居小屋が多く集まった土地で、ここに人形を製作したり修理したりする職人が住んでいたことから名付けられた街です。
人形焼きの発祥としても知られる人形町で、今回は代表的な観光スポットや商業施設、公共施設をご紹介していきます。
目次
人形町の観光スポット
まず、人形町で人気のある観光スポットについてご紹介していきます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
安産でご利益のある日本橋の水天宮
人形町には、福岡県に総本山が所在する全国総本宮水天宮の分霊社である、日本橋の水天宮があります。
有馬家の屋敷にあった神社であり、参勤交代の時に江戸でも参拝できるよう願いが込められ、有馬家の藩主が福岡県久留米市から分社したといわれています。
水天宮は元々、安産や水難除けの神様として有名な神社ですが、日本橋にある水天宮も安産祈願で有名です。
そのため、戌の日には安全祈願に訪れる妊婦さんが後を絶ちません。
2018年に、江戸鎮座200年を記念する記念事業として社殿建て替えが行われており、待合室が設置されるほか、足の不自由な方も安全に参拝できるようスロープが設けられました。
▼安産・子授けの水天宮ホームページ
https://www.suitengu.or.jp/annai
食べ歩きを楽しむならココ!甘酒横丁
明治座から続く通りに位置する甘酒横丁は、食べ歩きグルメや散策が楽しめる商店街です。
昔ながらの老舗店を中心に、さまざまなグルメ店が建ち並ぶ下町情緒あふれるスポットで、多くの観光客でにぎわう人形町でも人気のスポットになります。
甘酒横丁は、かつて通りの入り口で甘酒が飲めたことから名付けられました。
大正5年創業のたい焼き店である柳屋は、尻尾から頭までしっかりとつぶあんが入っているのが特徴です。
また、昭和23年に創業されたとうふの双葉も老舗名店として有名で、かつての尾張屋の甘酒を引き継いでいます。
甘酒と豆乳を合わせたソフトクリームも、暑い夏にはおすすめです。
▼甘酒横丁のホームページ
http://amazakeyokocho.jp/
ランナーの聖地でもある大観音寺
明治13年に建てられた大観音寺は、鉄造菩薩頭が本尊となっており、人形供養で有名です。
境内には本願地蔵尊や韋駄天守、毘沙門天などが鎮座しているのが特徴です。
本願地蔵尊は、願いごとがかなうお地蔵さまとされていて、多くの方が入試合格や子授け、心願成就などといった祈願で訪れています。
また、韋駄天守は「走りの守護神」としても知られており、東京マラソンのコースに近いこともあって、マラソンの日が近づくと多くのランナーが参拝に訪れます。
▼大観音寺の観光情報(東京中央区オフィシャル観光ガイドより)
https://centraltokyo-tourism.com/ja-jp/spot/detail/106666
眺めているだけでも楽しい江戸からくり櫓
人形町商店街に佇む江戸からくり櫓は、町のシンボルにもなっているからくり時計付きの櫓です。
水天宮側に高さ650㎝にもなる江戸落語からくり櫓があるほか、人形町交差点側に高さ755㎝にもなる町火消しからくり櫓があります。
それぞれ11~19時まで、1時間おきにからくり時計が動き、見ている観光客や住民を和ませてくれる癒やしスポットでもあります。
江戸落語からくり櫓は、噺家が現れて人形町の由来について刻々と語られるというもので、噺家担当は立川談志さんの内弟子である立川談幸さんです。
そのため、落語好きな方も楽しめるからくり時計といえます。
▼人形町からくり櫓の観光情報(東京中央区オフィシャル観光ガイドより)
https://centraltokyo-tourism.com/ja-jp/spot/detail/106516
強運厄除けの神で知られる小網神社
人形町にある小網神社は、比較的コンパクトな佇まいではありますが、行列ができるほど人気があるお参りスポットです。
御祭神は、倉稲魂神と呼ばれるお稲荷大神であり、五穀豊穣や商売繁盛の神様として知られています。
かつて東京大空襲の際に、社殿や境内が被害を受けず無事だったこと、第二次世界大戦でお守りを身に着けた兵士が無事に生還できたことから、強運厄除けの神として多くの方から信仰されるようになったといわれています。
人気のあるスポットではありますが、閉門時間などはありませんので、24時間365日自由に参拝可能です。
このほかにも、ご祭神として市杵島姫命と呼ばれる水をつかさどる神様が祀られており、水の気は金運アップ効果があるため、ご利益を得るために訪れる方も多いです。
▼小網神社のオフィシャルサイト
https://www.koamijinja.or.jp/
人形町の商業施設
次に、人形町にある注目の商業施設を紹介していきましょう。
最新のスポットもあわせてご紹介しますので、人形町に立ち寄った際にはぜひ訪れてみてください。
2023年にオープンしたばかりの複合施設エムズクロス人形町ハシゴ楼
人形町から徒歩1分、人形町交差点に面した立地にあるエムズクロス人形町は、食やサービスを通した新たな交流・価値創造の拠点として営まれている都市型複合商業施設です。
1~5階までの飲食横丁であるハシゴ楼は、地元の人気店をはじめ全国にある新進気鋭のお店など、和洋中ジャンルを問わないさまざまな飲食店が集結しています。
まるでハシゴを上り下りするようにハシゴ酒を楽しめる施設で、仕事帰りやランチでの利用にもおすすめのスポットです。
6階からはバーや英会話教室、歯科医院、貸会議室といったサービスも利用できるようになっています。
▼エムズクロス人形町ハシゴ楼のホームページ
https://www.hashigoro.jp/ms_cross/
人形焼きの老舗名店!人形焼本舗板倉屋
人形焼本舗板倉屋は、老舗の人形焼きが楽しめるお店として知られており、甘酒横丁の少し手前に位置しています。
明治40年に創業されたこちらのお店では、昔ながらの手焼きで作られているのが特徴で、人の温かみが感じられる美しい人形焼きを堪能できます。
お店で焼いたばかりのできたてを食べるのがおすすめで、控えめでやさしいこしあんの味に癒やされることでしょう。
▼人形焼本舗板倉屋のホームページ
https://itakuraya.com/
人形町の公共施設
人形町にある公共施設には、歴史のある施設が多いのが特徴です。
その中でも有名なのが、西郷隆盛の屋敷跡がある学校です。
西郷隆盛の自宅跡が残された日本橋小学校
中央区にある日本橋小学校には、西郷隆盛が暮らしていた屋敷の跡地が残されています。
西郷隆盛といえば、薩摩藩(現在の鹿児島)のイメージが強いかもしれませんが、実は明治4年から2年間は人形町に住んでいたそうです。
この屋敷の大きさはおよそ2600坪にもおよぶ広さで、この屋敷に15人ほどの書生と7人の下男、そして犬を数頭飼って暮らしていました。
実際の跡地は、日本橋小学校と日本橋幼稚園に変わっていますが、日本橋小学校の校門に跡地として看板が立てられています。
無線WiFiが利用できる日本橋図書館
中央区には複数の図書館がありますが、人形町にあるのが日本橋図書館です。
先ほどご紹介した日本橋小学校との複合施設となっており、図書館は6~7階で開かれています。
6階には、予約制の読書室や映画鑑賞会が行われる図書館ホールがあるのが特徴です。
7階は一般開放されていて、WiFiが利用できる学習コーナーもあり、学生だけでなく資格試験などの勉強などにも役立ちます。
▼日本橋図書館の図書館情報
https://www.library.city.chuo.tokyo.jp/contents;jsessionid=9DDE724423346A98493D4B17D448A3C3?0&pid=12
まとめ
人形町にはおいしい食べ歩きグルメや神社、ご利益の得られるお寺、歴史的な施設など、江戸の下町情緒を感じられる町並みが広がっています。
グルメのジャンルも豊富であり、仕事の合間や休憩にちょっとした食べ歩きも楽しめます。
また、商売繁盛のご利益が得られるスポットに出かけて、ビジネスの祈願をするのもおすすめです。