中央区といえば千代田区や港区と並んで都心を形成する特別区のひとつであり、銀座や日本橋、月島などがあることでも知られています。
日本の文化や商業、情報の中心地として発展してきたエリアであることから区内には大企業のオフィスや大規模な商業施設が多く見られ、この地に新しいオフィスを構えたいと考えている経営者の方も多いことでしょう。
そこで、ここでは中央区エリアの特徴とともに、賃貸オフィスの状況についても詳しく紹介していきます。

中央区の歴史

江戸時代以前の中央区は、葦などが生い茂る潮の浜でした。
このような土地にどのようにして中央区の街が生まれて、発展してきたのでしょうか。

徳川家康の江戸城入城とともに生まれた街

中央区は徳川家康の江戸城入城とともに誕生した街です。
地理的に江戸城のすぐ東側にあったため、城下町の整備の過程で埋め立てが行われ、日本橋や京橋が完成したのが1603年のことです。
1604年には日本橋を起点とした全国の道程が定められたことにより、交通の要衝として街が大きな発展を遂げるきっかけとなりました。
このような背景から、伝馬の供給に携わる役人や旅籠を営む商人が多く活躍したエリアであり、その名残は日本橋小伝馬町などの地名にも残っています。

運河の街として大きな発展を遂げる

運河の街として大きな発展を遂げる

現在の中央区は日本を代表する商業の街となっていますが、この契機となったのが1657年に発生した明暦の大火です。
現在の文京区の本妙寺から起こった大火事(振袖火事)は中央区一体をも焼け野原とし、死者は10万人を超えました。
江戸幕府は大火事の後ただちに復興事業に着手し、中央区も新しい区画に基づいて新しい街に生まれ変わります。
元々埋立地であり海沿いの地域であったこともあり、中央区内には大きな運河が数多く整備されました。
当時江戸の人口は爆発的に増加していましたが、運河の開通によって物資を大量に輸送することが可能となり、江戸中期の発展に大きく貢献することになります。
現在も中央区には隅田川や神田川、日本橋川、汐留川など数多くの河川があり、「中央区は河川の街」というイメージが定着しています。

明治時代になり日本橋区と京橋区が制定される

明治時代になり廃藩置県や郡区町村編成法が施行されると東京府が日本の首都となり、現在の中央区エリアには日本橋区と京橋区という2つの区が制定されました。
この2区制は、1947年までおよそ70年間続くことになります。
新橋・横浜間には鉄道が開通するなど産業の発展も目覚ましく、江戸の中心地として人やモノ、文化の集積地として大いに栄えました。

関東大震災からの復興

このように大きく反映してきた中央区でしたが1912年に発生した関東大震災により日本橋エリアはほぼ全壊、京橋エリアもほとんどが消失してしまいます。
しかし、震災後の復興は急ピッチで進められ大きな街道沿いには松坂屋や三越などの百貨店が進出し、おしゃれなカフェやバーなども建ち並び「銀ブラ」を楽しむ人達で大いに賑わいました。

戦後は東京を代表するオフィス街へ

戦後は東京を代表するオフィス街へ

戦後、日本橋区と京橋区は合併して中央区が誕生します。
戦前までは武家屋敷なども多く見られたエリアでしたが、戦後は銀行や証券会社、百貨店など大きな企業や商業施設が次々にオフィスや店舗を構えるようになりました。
高度経済成長期には都心離れによって定住人口が激減し、商業の街としての傾向が強まります。
しかし、近年は都心回帰の傾向も見られてタワーマンションが数多く建設されるなど定住人口が増えつつあります。

中央区の特徴

中央区はどのような街なのでしょうか。
ここからは、その特徴を見ていきましょう。

23区で3番めに小さな区

中央区は東京23区のほぼ中央に位置し、南側は東京湾、東側は隅田川に面しています。
中央区のほとんどは江戸時代以降に埋め立てられたエリアであり、起伏がほとんどなく河川が非常に多いのが特徴です。
面積が10km²と非常に小さく、23区の中で台東区、荒川区に次ぐ小ささとなっています。

住宅地よりも商業地としての色合いが濃い

中央区は大企業の本社や金融機関などが集中しているオフィス街です。
一方で家賃が高いことから住宅を持つことが難しく、昼間人口に比べて夜間人口が極端に少なくなっています。
建物はオフィスビルが目立ち、たまーマンション等の住宅は見られるものの戸建住宅はほとんどありません。

エリアによってさまざまな一面を持っている

エリアによってさまざまな一面を持っている

中央区は面積的には小さな区ですが、誰もが知っているような地名も多く、その特徴もさまざまです。
日本橋・京橋エリアは日本銀行があることからもわかるように金融の中心地であると同時に、街道の拠点として交通の要衝でもあります。
江戸時代の末期には人口世界一であったといわれ、古くから続く老舗も多く見られます。
銀座エリアは百貨店やハイブランドショップが建ち並ぶおしゃれな街並みが特徴で、情報の発信基地として人気です。
月島は以前は工場や倉庫が建ち並ぶエリアというイメージがありましたが、近年はタワーマンションが数多く建設され、住宅地として発展しています。

また、もんじゃ焼きが有名で下町の雰囲気が残るエリアでもあります。
この他にもウォーターフロントとしてデートスポットになっている八丁堀エリア、戦火を逃れ古くからの街並みが比較的多く残っている人形町、新鮮な食材が楽しめる築地エリアなどさまざまな一面を持っているのが中央区の大きな魅力です。

中央区の賃貸オフィスの特徴

中央区は金融機関や大手企業の本社ビルが数多く存在していることもあり、このエリアに会社を構えることは経営者にとって憧れでもあり、ひとつの目標でもあるでしょう。
ここでは中央区の賃貸オフィスの特徴や家賃相場などについて詳しく紹介していきます。

中央区の交通アクセス

中央区は商業の中心地だけあって交通の便は良好です。
JR総武線が「新日本橋駅」「馬喰町駅」に、京葉線が「八丁堀駅」に停車しますし、都営地下鉄の3路線(浅草線・新宿線・大江戸線)、さらには東京メトロの6路線(銀座線・日比谷線・丸ノ内線・東西線・有楽町線・半蔵門線)も利用可能です。
このように地下鉄が四方八方に張り巡らされているため最寄りの駅まで10分以上歩くことはまずありませんし、都内の移動はもちろんのこと、横浜方面や埼玉方面へもダイレクトにアクセスすることが可能できます。
職種・業種によっては頻繁に地方へ出張に行くこともあると思いますが、東京駅がすぐ近くにあるので新幹線を利用するのに便利ですし、羽田空港へも電車やモノレール、バスを利用すれば30分ほどで到着します。
交通アクセスの良い賃貸オフィスを探すなら中央区エリアはこれ以上ない選択といえるでしょう。

超高層ビルと豊かな自然が共存する素晴らしい環境

中央区は大きな企業の本社や銀行などがオフィスビルが非常の多く存在するだけでなく、百貨店や複合商業施設、ホテルなど超高層ビルが建ち並ぶ非常に壮大で賑やかな街です。
その一方で「浜離宮恩賜庭園」や「晴海埠頭」「水天宮」「築地本願寺」など自然や歴史を身近に感じることのできる癒やしスポットも多く存在し、働きやすい環境がそろっています。

中央区のオフィス賃料相場

中央区は商業の中心地であることから賃貸オフィスが数多く存在しているエリアですが、交通アクセスや環境が素晴らしいことから賃料の相場は他のエリアと比べると高いのが実情です。
中央区の平均賃料は60坪~100坪の物件で坪単価20,000円ほど、100坪以上の物件は25,000円ほどで推移しています。
また、中央区の賃貸オフィスの空室率は7.3%です。
コロナ禍では空室率は上昇傾向にありましたが、現在はその傾向が鈍化し、徐々に下がってきています。

まとめ

ここまで中央区の特徴や賃貸オフィスの状況について見てきましたが、いかがでしたでしょうか。
中央区は日本の経済・金融・商業の中心地であり、オフィス需要が非常に高いこともあって賃料の相場は高めのエリアとなります。
ただし、賃貸オフィスの数も多いので常にアンテナを張り巡らして良い物件を少しでも早く見つけることを心がけるようにしましょう。

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