「従業員が増えてきてオフィスを移転したいけど、どの時期に移転すればよいかわからない」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

オフィスの移転は大がかりかつ、長期間に渡って行われる一大イベントです。オフィス移転に最適な時期を見極めることで、オフィス移転を効率よくスムーズに進められます。

この記事では、オフィス移転に最適な時期を解説するとともに、おすすめのタイミングと、移転のスケジュールについて解説します。オフィスの移転を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

オフィス移転を検討すべき時期

オフィスの移転を検討すべきタイミングは主に以下の4つです。

  • オフィスの利用人数が増減する時期
  • オフィスの老朽化
  • オフィス周辺環境の変化
  • 契約更新の1年前

オフィスの利用人数が増減する時期

従業員数が増減した場合、オフィス移転を検討する良いタイミングです。なぜなら、オフィスの利用人数と広さは、生産性と深い関係があるからです。

従業員数に対してオフィススペースが狭いと作業スペースが窮屈になるため、ストレスを感じやすくなります。

逆に広すぎてしまうと無駄なスペースが増え、賃料や光熱費などが多額にかかるため、従業員の大幅な増減が見込まれる場合は、移転を検討する必要があります。

オフィスの老朽化

オフィスの老朽化が気になる場合も移転を考えるタイミングといっていいでしょう。

老朽化により、建物自体の耐震構造や生活インフラの劣化で、安全性や利便性に問題が出てくるからです。

自社のオフィスの築年数が数十年を超えている場合や、耐震工事や補修工事をこれまで行っていない場合は、移転を検討しましょう。

オフィス周辺環境の変化

オフィス周辺環境の変化により、職場環境に影響を及ぼす可能性も考えられます。

例えば、周辺地域の再開発により地価が高騰し、賃料の値上げを要求される場合や、大型商業施設ができることで騒音や交通渋滞が発生し、業務に支障が出る場合などが挙げられます。

このような場合は、自社に適した場所へ移転を検討した方が良いでしょう。

契約更新の1年前

現オフィスの契約満了時に移転を行うと、賃料の二重請求といった無駄なコストを抑えられます。

また、個人の引っ越しと違いオフィスの移転は様々な作業が発生するため、長期間のスケジュールを計画する必要があります。

契約満了時に移転を行う場合、最低でも契約更新の1年前までには、移転計画の検討を行っておくと良いでしょう。

オフィス移転に最適な時期

オフィスの移転は、いつでもできますが、費用や税務上の観点からおすすめの時期があります。以下でおすすめの時期を3つ解説します。

【6~8月】オフィス移転の閑散期

6~8月はオフィス移転の閑散期です。引っ越しを検討する企業や個人が少ない傾向にあるため、移転を検討しているのであればこの時期が狙い目です。

閑散期は、物件を探している企業が少ないことから、比較的物件の選択肢が多く、引っ越し業者にとってもこの時期は閑散期となるため、他の時期と比べて料金が安くなる傾向にあります。

そのため、6~8月はコスト面や移転先の選択肢を選定できる点でもおすすめの時期といえます。

【5月・9月】大型連休がある月

オフィスの移転は、場合により業務を中断して作業を行う必要も出てくるかもしれません。

しかし通常業務が忙しく、業務を中断できない場合もあるため、大型連休を利用して移転を行うことを検討しましょう。

5月や9月は、ゴールデンウィークやシルバーウィークといった1週間程度の大型連休があり、取引先も休日である可能性があります。

大型連休を狙って移転作業を行うことにより、通常業務を止めることなく移転を完了させることが可能です。

【1~3月】節税目的であればおすすめ

1~3月は、新年度前ということもあり忙しくなりやすい時期ですが、節税したい場合はおすすめの移転時期となります。

1~3月は企業の決算時期と重なるため、この期間に経費を消化すれば、節税効果があるためです。移転で経費にできる費用については、以下があります。

  • 引っ越し代
  • 火災保険料
  • 仲介手数料
  • 移転登記費用
  • オフィス家具購入費

など

他にも、年度前に移転することで、4月の新入社員の受け入れ態勢を整えられるメリットがあります。

オフィス移転を避けた方が良い時期

おすすめのオフィス移転時期を解説しましたが、避けるべき時期もあります。以下で避けるべき時期と理由を解説します。

【3~4月】個人の引っ越しと重なる時期

3~4月は個人の引っ越しが最も活発になる時期であり、引っ越し業者にとっても繁忙期となるため、オフィス移転は避けた方が良いでしょう。

また、繁忙期の引っ越し費用は他の時期と比べて割高になるため、移転費用が高額になるリスクもあります。

できるだけ移転に関わるコストを抑えたい場合は、繁忙期の移転を避けるようにしましょう。

【12月】年末年始のタイミング

12月はどの会社も仕事納めに追われます。

通常業務だけでなく、忘年会を行う企業もあり、他の月よりも引っ越しに割く時間の余裕がないことが多いです。

また、12月は年末年始休暇があるため、引っ越し業者を始めとしたあらゆる業者の手配が困難になるだけではなく、行政機関も閉まっている可能性があり、移転に関する手続きが進まなくなることがあります。

12月は他の月よりも考慮すべき事項が多いため、オフィス移転は避けるべきでしょう。

【10~11月】年末にかけて忙しくなる時期

10~11月にかけても、年末に向けて忙しくなってくる時期です。年内に終わらせる必要性のある通常業務も増えてくるため、オフィスの移転に割く時間がない傾向にあります。

また、10月や11月に決算を行う企業もあり、節税のために移転を計画する企業が増え、通常よりもオフィス移転が多くなる傾向にあります。

オフィス移転の時期を逆算してスケジュールを立てる

オフィス移転を効率よく進めるためには、入念なスケジュールの計画が必須です。

大体の移転時期を決めたら、そこから逆算してスケジュールを立てましょう。オフィス移転の際に主にやるべきことと、時期の目安については以下です。

やるべきこと時期の目安
移転計画の立案、現オフィスの解約通知6ヵ月以上前
新オフィスのレイアウト決定、業者の選定4ヵ月前
旧オフィスの原状回復工事の発注3ヵ月前
新オフィスの内装工事、設備工事、新規什器の搬入1ヵ月前

他にも取引先への通知や社内説明会など、検討すべきことは数多くあるため、前もってスケジュールを細かく立てておくと、移転作業をスムーズに行えます。

オフィス移転をする際の注意点

オフィス移転は、全社員を巻き込んだ引っ越しとなるため、住宅の引っ越しより注意すべき点が多くあります。

例えば、解約予告通知は通常移転の6ヵ月前までに通知する必要があり、通知しなかった場合、契約によりオフィス移転後も賃料の重複が発生する可能性があります。また、原状回復工事も契約期間内に行う必要があるため、考慮が必要です。

業務漏れや注意点を網羅できているか不安という方は、業者に相談し、依頼すると良いでしょう。

最適な時期を見極めてオフィス移転を成功させよう

本記事では、オフィス移転の最適な時期とスケジュールについて解説しました。

オフィス移転は閑散期や、節税を狙える時期に計画するとコストや手間を最小限に抑えられます。また、オフィス移転はやるべきことが多いため、移転時期を決めたら逆算してスケジュールを立てることが必須です。

この記事を参考に、御社にとってベストな移転時期を見極めて、スムーズかつ効率的なオフィス移転を実現しましょう。