オフィス探しの重要な工程の一つがオフィスの内見です。実際にホームページなどで気に入ったオフィス賃貸を見つけても、必ず現地に足を運び、実際にその目で賃貸を確認する必要があります。
しかし、内見ではなにを見るべきなのか、限られた時間の中で効率よくオフィスの内見を行うのは簡単ではありません。
今回は、そんなオフィスの内見で見るべきポイントを網羅しています。オフィス契約をした後に後悔しないためにも、ぜひこの記事を内見する際の参考にしてください。
目次
オフィス内見の重要性
オフィスの内見は、物件の資料やHP上では知ることのできない詳細な情報を把握するための重要なプロセスです。また、オフィスだけでなく、周辺の環境や雰囲気なども知ることができます。
これらを含めたオフィス環境は、会社の業績や従業員の働きやすさに直結します。だからこそオフィスの内見というのは、適切なオフィス選びに欠かせないステップなのです。
内見の準備と持ち物
内見は重要なプロセスですが、時間を無制限にかけられるわけではありません。あらかじめ準備を整えて、スムーズに内見を行えるようにしておきましょう。
働くことを具体的に想像できるようにしておく
オフィス内見の際には、そこで働くことを想像できるようにしておきましょう。
例えば、レイアウト。執務スペースや会議室、ロッカールームの配置はもちろんのこと、必要な什器や備品などをどのように配置するか想定しておくことが重要です。
特に、大きな什器や家具の持ち込む必要がある際は、あらかじめ寸法を測っておいて、内見の際に設置が可能か確認してみましょう。
内見時に最低限必要な持ち物
内見の際、短時間でオフィスの詳細を具体的かつ正確に測定するための持ち物を紹介します。
メモ帳とペン
細かな寸法や気付いたこと感じたことなどを、いつでもメモできるようにしましょう。メモ帳ではなく、図面に書き込んでももちろん問題はありません。
メジャー
入り口やスペースの幅、天井の高さなどの寸法を測れるようにしましょう。引っ越しの荷物搬入の際などに役立ちます。
図面
物件の図面を用意しておけば、内見はよりスムーズに進みます。また、その図面上にオフィスのレイアウトイメージなどを書き込んでおけば、より具体的に頭の中でイメージしながら内見を行うことができるでしょう。
カメラ
オフィスはもちろん、オフィス周辺なども撮影しておけば、あとで見返して確認できますし、他の従業員への共有も可能です。
内見で確認すべきポイント
ここからは内見で確認すべきポイントを紹介していきます。
外観と内観
オフィスやオフィスが入っている建物の外観は、訪問してきた顧客や求職者が最初に企業に対する印象を形成する場所です。企業のブランドやイメージに合致した外観を選びましょう。
内観も同様です。オフィス内はある程度内装工事を入れて、自由にカスタマイズできますが、共用スペースなどの雰囲気をしっかりと確認しておきましょう。
床仕様
床の仕様は、オフィスの見た目だけでなく、機能性にも大きく影響します。例えば、床が硬すぎると、従業員が長時間立って作業を行う場合、足や腰への負担が増えてしまいます。
またIT系の企業であれば特に、OAフロアなどを使い、配線を床下に隠すことができるのか、といったことを確認しても良いですね。
眺望
見晴らしが良く、自然光がたっぷり入るオフィスであれば、そこで働く人をリフレッシュさせてくれ、ストレスの軽減につながるかもしれません。
反対に隣の建物との距離が近ければ、窓からオフィス内が見えてしまい、プライバシーの確保が難しくなります。外部からの視線を遮断しプライバシーを確保したい場合は、ブラインドやカーテンなどの取り付けが可能かどうかも確認しておきましょう。
実際に使用可能な面積
物件の広告や資料に記載されているオフィスの面積は、壁や柱などを含む全体の面積であることが多く、実際に使用可能な面積はそれよりも少ない場合があります。そのため、内見時に実際に使用可能な面積を確認することが重要です。
目安として、従業員一人あたり3坪(10㎡)必要と考えておきましょう。
天井高
天井高は、オフィスの開放感や明るさ、空気の流れなどに影響を与えます。一般的に、オフィスの天井高は2.7m以上が望ましいとされています。
特に、大きな家具や機器を設置する場合は、あらかじめ家具や機器の寸法を出しておき、内見時に設置できるかどうか確認をしましょう。
空調設備の数・位置
空調設備は、オフィスの快適性と従業員の生産性に影響を与えます。適切な温度と湿度を保ち、従業員の健康と集中力を維持するためにも重要な設備です。
あらかじめレイアウトを想定しておけば、空調の設備の位置と数が適切であるか否か判断しやすくなります。
また、空調設備の手入れが行き届いているか、故障はしていないかなども確認しておきましょう。
スプリンクラーの設置
スプリンクラーは、オフィスや建物の条件によっては設置義務が発生します。ですので、基本的に必要な場所には設置されているのですが、例えば、会議室や社長室など、パーテーションで区切ってオフィス内に部屋を作る場合、新たにスプリンクラーを増設しなければならないケースが出てきます。
ですので、内見時にスプリンクラーの位置は確認しておきましょう。
電気容量
オフィスの電気容量は、企業の業務遂行能力に直接影響を与えます。
そして多くの建物では、フロアごとに使用できる電気容量が決まっています。この電気容量を増やす場合には、フロア全体での大規模な工事が必要となるので、あらかじめ電気容量を算出して、内見時に問題がないか確認しておきましょう。
トイレの数
トイレの数は意外に見落としている場合が多いです。オフィス内にある場合もあれば、オフィス街に共用のトイレが設置されている場合もあります。
特に、大人数の従業員がいる場合や男女の従業員がいる場合は、従業員の働きやすさを維持するうえでも、トイレの数が適切であるかどうかチェックしてください。
エレベーター
オフィスが入っている階層が高ければ高いほど、エレベーターの重要性は増してきます。
エレベーターの台数が少ない、狭い、スピードが遅い、といった状況であれば、特に朝の出勤時はエレベーターが混雑してしまい、従業員の出勤時間に大きく影響を与えるでしょう。
当然、遅刻する人も出てくるはずです。そうなれば従業員のモチベーションは下がってゆくでしょう。
共有スペースの管理状態
専有部分であるオフィスだけではなく、共用スペースの状態も忘れずにチェックするようにしましょう。
エントランス、エレベーター、トイレ、休憩スペース、給湯室の共有スペースが清潔に保たれているかどうかは、その建物全体の品質を反映しているといっても過言ではありません。
特に共有スペースは、従業員が日々利用する場所ですので、働きやすさや満足度に直結すると考えてください。
入居テナント
自社以外に入居しているテナントの種類や業種が、結果としてビル全体やそのフロアの雰囲気を形成します。
例えば、クリエイティブな業種のテナントが多いビルは、創造的な雰囲気が醸し出されるかもしれません。ブランディングを重視するのであれば、他の入居テナントを確認してもいいかもしれません。
駐車場
通勤や訪問で自動車を利用する場合は、オフィスの建物自体に駐車場があると非常に便利です。
従業員にとっては、車で通勤できるか否かが、働く決め手になる場合もありますし、営業で移動することが多い場合は、車があった方が便利です。
車が必要だが、ビルに駐車場がない場合は、付近に月極駐車場があるかどうかも合わせて確認しましょう。
周辺施設
オフィス周辺の施設も重要なポイントです。周辺に飲食店、コンビニ、銀行、駅などの施設があるのとないのでは、利便性とモチベーションに大きく影響します。
ビルに付帯する設備
周辺施設と似ていますが、ビルに付帯している設備も重要です。
例えば、喫煙スペース、レストラン、コンビニ、ドラッグストア、大会議室、フィットネスクラブなどなどです。こちらも働く方の利便性とモチベーションに大きく影響します。
電波状況
スマートフォン含むモバイルデバイスの利用が一般的になった今、オフィス内で電波が悪ければ、かなりのストレスとなります。
内見の際には、可能であれば異なるキャリアのスマートフォンや携帯電話を持っていき、電波状況を確認するのが良いでしょう。
柱や梁の位置
柱や梁の位置は、オフィスのレイアウトを決める際に関わってきます。例えば、柱や梁が作業スペースを分断する場合、それを考慮に入れたレイアウトをする必要があります。
内装(居抜き物件の場合)
オフィスは基本的に原状回復された状態で貸し出されます。ですが中には、前回そのオフィスを借りていた会社の内装そのままの状態で貸し出されている居抜き物件もあります。
もし居抜き物件の内装がそのまま使えるなら、内装費用などはかなり圧縮できるでしょう。
管理会社
内見時に、というわけではありませんが、管理会社と管理体制についても確認しておくようにしましょう。
故障や清掃問題、その他トラブルが起きた時の対応がどのようになっているかを把握した上で、契約するかどうか判断してください。
セキュリティのチェック
建物自体は24時間空いているのか、エレベーターは24時間稼働しているのか、オフィスには24時間は入れるのか、といったことはもちろん、セキュリティのシステムも確認しておきましょう。
まとめ
オフィス内見時に確認することはたくさんあります。全てを確認し、理想の条件に近いオフィスを見つけることは、かなり労力がかかるかもしれません。
しかし、オフィス選びは会社とそこで働くすべての人の今後を左右する重要なイベントです。
だからこそ、オフィス移転やオフィス探しを自分ひとりで進めようとはせず、周囲の方々やプロの専門業者の力を借りてください。そしてあなたのオフィス選びが上手くいくことを願っています。