オフィス移転のスケジュールは、会社の規模にもよりますが、一般的に約6カ月~1年程を目安に計画されます。

「長い」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、オフィスの移転はやらなければいけないことが多岐にわたる上に、オフィス移転の経験者なんてそうはいないので、何から始めるべきなのか、何を決めるべきなのか、とにかくわからないことばかりのはずです。

だからこそ、しっかりとスケジュールを組み立てなければ半年や1年はあっという間に過ぎてしまいます。

この記事では、オフィス移転の一般的なスケジュールの概要をまとめておりますので、ぜひこの記事を参考にしてスケジュールを組み立ててみてください。

オフィス移転8ヶ月前

ここからはオフィス移転に8ヶ月間かかると想定した際のスケジュールで紹介していきます。


やるべきこと

  1. オフィス移転の目的や方針を決める
  2. 移転先の条件を出し、物件の調査を行う
  3. 移転スケジュールの作成
  4. オフィスプランニングの実施
  5. 旧オフィスの原状回復や契約書のチェックを行う

オフィス移転の目的や方針を決める

オフィス移転はとても大きなプロジェクトです。ですので、最初にオフィス移転の目的や方針を決めていなければ、プロジェクトは上手く進行しません。

社員が増えて現オフィスが狭くなってきたからもっと広い場所に移転したい、社内でのコミュニケーションが活発に取れるようなオフィスに移転したい、など目的や方針がはっきりと決まっていれば、それを目指して何をすべきかが分かってきます。

この目的を設定する際は、社員全員の意見を吸い上げ、課題などを明確にした上で設定しましょう。

移転先物件の調査を行う

次は、移転先オフィスの条件です。立地・家賃・周辺施設など様々な条件がありますが、社員の意見を聞きつつ、不動産会社のウェブサイトなどで物件を下調べしましょう。

そこから不動産業者や仲介業者に問い合わせ、更に詳細な情報をもらいながら比較検討していきましょう。

移転スケジュールの作成

ここまで来たら、次は移転スケジュールを作成します。準備にかかる期間から大まかな引越し時期を決め、現オフィスの解約予告を提出する時期を決めます。この解約予告を出すタイミングによって現オフィスの退去期限が決まります。

オフィスプランニングの実施

オフィスプランニングでは、移転先オフィスで必要な設備(OA機器や什器)を洗い出し、全体のレイアウトを決めます。

かなり専門的な知識が必要となるため、専門業者と協力しながら進めるのが良いでしょう。

現オフィスの契約内容の確認

トラブルなくスムーズに退去できるように、現オフィスの契約内容を早めに確認しておくことをお勧めします。

原状回復費や預託金・解約金に違約金など、金銭に関連する事項が多くなりますので、詳細に確認しておきましょう。

基本的にオフィスを退去する際は、入居時の状態に戻して返却することが一般的です。そのため、退去時に工事が必要となる場合もあります。

オフィス移転6ヶ月前


やるべきこと

  1. 現オフィスの解約予告と原状回復の確認を行う
  2. 新しいオフィスの物件調査を進める

オフィス移転6ヶ月前

現オフィスの解約予告と原状回復の確認を行う

先ほど大まかなスケジュールを決める際に出てきた解約予告ですが、一般的な解約予告期間は6ヶ月です。ですので、6ヶ月前に解約予告を行なわなかった場合は解約できないケースもあります。

ここでミスをしてしまうと、その後のスケジュールが大きく狂ってしまうため、要注意です。
また解約予告してから退去するまでの間に、原状回復を行う必要がありますので、こちらも要注意です。

移転先オフィスの選定

移転先のオフィスを選定するにあたり、様々な条件を出したと思いますが、移転先のオフィスが絞れてきたら、実際に足を運んで内覧を行ないましょう。

全ての条件に合致するオフィスを見つけることは難しいと考えられます。ですので、条件に優先順位をつけて、それを不動産業者や仲介業者に伝えておくと、スムーズに進めることができます。

オフィス移転5ヶ月前


やるべきこと

  1. 新オフィスの内覧・選定・物件契約
  2. 原状回復工事の業者選定と見積もり依頼を行う
  3. 移転スケジュールの決定
  4. 物件契約と新オフィスのレイアウトを決定する

オフィス移転5ヶ月前

新オフィスの内覧・選定・物件契約

移転先のオフィスを決定する際には、候補として挙げているオフィスのメリットとデメリットを書き出し、優先順位の高い条件を満たしているかどうかを考慮しながら決めていきましょう。

もちろん、契約に関する事項もしっかり検討してください。契約更新のタイミングはいつなのか、更新料は?共益費は?預託金は?などなど、しっかり確認しましょう。

細部まで目を通し、少しでも不明な部分があれば遠慮せずに質問するようにしましょう。

原状回復工事の業者選定と見積もり依頼を行う

現オフィスの原状回復に関しては、そのビルごとに工事を行なう業者が決まっている場合があります。その場合は、指定された業者と打ち合わせを行い、工事費用の見積もりやスケジュールについて話し合いましょう。

もし業者が指定されていない場合は、複数の工事業者に見積りを依頼し、比較検討しましょう。

移転スケジュールの決定

移転先や原状回復工事のスケジュールが決まったら、具体的な移転スケジュールを決定しましょう。

新オフィスのレイアウトを決定する

レイアウトは、社員の働きやすさや生産性を大きく左右する重要な要素です。

新オフィスの広さや形状、窓や空調機器の位置だけでなく、会社の業務内容やニーズを踏まえた上で検討しましょう。

自分たちだけで理想的なレイアウトを考えることも重要ですが、専門業者の意見や知識を取り入れることで、より快適なオフィス空間を作ることができるはずです。

専門業者と協力しながら最適なオフィスレイアウトを決定しましょう。

オフィス移転3ヶ月前


やるべきこと

  1. 全社員への周知
  2. 什器の廃棄や購入
  3. 移転作業等の手配

全社員への周知

オフィス移転は大きなイベントです。移転前後では必ずといっていいほど、イレギュラーや混乱が発生します。

それを最小限に抑えるために、移転前にやるべきこと、移転当日にやるべきこと、移転後にやるべきことを洗い出し、誰が何をするか役割を決める必要があります。

そしてそれらをマニュアルとしてまとめ、全社員に周知しましょう。

什器やOA機器の廃棄や購入

オフィス移転がいよいよ近づいてくると、引越しを意識しなければなりません。
現オフィスからそのまま新オフィスで使用する什器やOA機器は何か、新たに購入する必要があるものは何か、廃棄すべきものは何か、などをこのタイミングでリストアップしておきましょう。

これが上手くできていないと、後で余計な出費に繋がる恐れがあります。

移転作業等の手配

電話回線やコピー機などの移設手配はもちろんですが、新オフィスに移動することで住所はもちろん、電話番号も変更となる場合があります。

この場合は取引先などに通知する必要がありますので、案内文の作成・印刷など、早めに取り組んでおきましょう。

また、オフィス退去2ヶ月前ぐらいのタイミングで原状回復工事を発注しましょう。

オフィス移転1ヶ月前


やるべきこと

  1. 新オフィス工事、什器等の搬入
  2. 取引先への連絡や各種届出の提出を行う

オフィス移転1ヶ月前

新オフィス工事、什器等の搬入

新オフィス移転に向けて、内装工事、電気系統の工事、入什等の搬入などあわただしくなってきます。

特にネット社会である現代においては、インターネットが必要不可欠ですが、インターネットの工事は、1ヶ月程掛かることもあるので、余裕をもって発注しておきましょう。

取引先への連絡や各種届出の提出を行う

オフィス移転がいよいよ目前に迫ったら、先ほどお伝えしたように、取引先などへ住所や電話番号の変更を案内する連絡を忘れずに入れましょう。

また、オフィス移転に際して、各種機関への届出も必要です。この届出は多岐にわたり、提出期限が設けられているものもあるので、しっかりと確認の上、期限を過ぎないように提出しましょう。

まとめ

一般的なオフィス移転のスケジュールを紹介しました。もちろん会社の規模や借りているオフィス、これから借りるオフィスによって細かな部分は変わってくると思います。

ですが、この記事を読んで、オフィス移転の大変さを理解していただけたのではないでしょうか。

オフィス移転を進める場合は、十分に余裕のあるスケジュールを作成し、それに基づいて一つ一つ丁寧にこなしていくように心掛けてください。