新型コロナウイルス感染症をきっかけとし、テレワークを導入する企業は増えました。出社する従業員の人数が減ることによりオフィスの縮小が可能となり、オフィスの移転を検討する企業も多いのではないでしょうか。

オフィスの移転前後でも営業を続けなければならない企業においては、自宅の引越しとはまったく違う工程や作業が発生します。

そこで、オフィス移転を専門とするPM(プロジェクトマネジメント)に依頼することも必要になるでしょう。

この記事では、オフィス移転を行なう企業の担当者に向けて、PMの必要性や依頼における注意事項などを解説します。

オフィス移転のPM(プロジェクトマネジメント)とは

オフィス移転のPM(プロジェクトマネジメント)とは

PM(プロジェクトマネジメント) とは、プロジェクトの進行を管理し、進めていくこと、また、それらを専門に行なう業者のことです。PMが活躍するのはオフィス移転に限りません。プログラムやWebサイトの作成、企画開発など、ありとあらゆる分野にPMは必要です。

そのなかでも、オフィスの移転に関する全体業務を進めていく役割が「オフィス移転のPM」です。オフィス移転のためには完了まで数多くの工程があり、さまざまな人が携わります。

そのため、PMによる全体管理がないと、現段階で何をすべきか不明瞭になり進行が思うように進まないこともあるでしょう。

オフィス移転でPMを外部に委託するメリット

オフィス移転に関する進行をすべて自社でまかなうこともできますが、専門の外部業者に依頼することが一般的です。ここでは、自社でオフィス移転のPMを立ち上げて行なうのではなく、外部業者に委託するメリットについて説明します。

社内の負担軽減

専門業者に委託すれば、従業員は負担が増えることなく通常業務に集中できるようになります。

オフィス移転をするためには、企画、物件探し、内装工事の手続き、移転のための手続き、電気などのインフラ関係の整備など、数多くの作業 が必要です。

そのため、すべて自社で行なおうとすると膨大な手間がかかり、本業がおろそかになる可能性があります。

オフィス移転は企業にとって何度もあることではなく、基本的に社内にノウハウや知識は蓄積していません。

普段の業務に加え、慣れない移転業務まで行なわなければならなくなると、従業員にとって大きな負担になるでしょう。オフィス移転にまつわる業務をPMに委託できれば、社内の負担軽減につながります。

プロ目線でのオフィス移転ができる

オフィス移転PMの外部業者は、オフィス移転を何度もこなしているプロです。オフィス移転に関する知識が備わっているため、失敗のリスクが低いオフィス移転が可能となります。

素人では把握できないようなリスクを回避し、企業にとってより意義のあるオフィス移転をするためには、知識やノウハウが蓄積されたプロに委託したほうがよいでしょう。

オフィス移転におけるPMの進行工程

オフィス移転でPMが行なう工程 を進行順に説明します。

1.ミーティング

クライアントとミーティングを行ない、なぜオフィス移転が必要なのか、新しいオフィスをどのようなものにするのか、目的をヒアリングします。

ただオフィス移転をするのではなく、企業の課題を解消し、オフィスをより良いものにするよう調整から始まることが一般的です。

2.計画・準備

ゴールが確定したら、不動産屋や内装工事業者への手配など、項目別にいつまでに何をすべきか計画表を作ります。そうすることにより営業活動を止めることなく、スムーズにオフィスを移転することが可能です。

3.工程管理をしながらオフィス移転を実行する

計画どおりにオフィス移転を実行していきます。荷物の整理やデータのバックアップなどはクライアントと連携して行ないますが、その都度連絡を取り合い、進捗情報などを把握することもPMの仕事です。

4.移転完了・原状回復工事

移転完了後、新オフィスで問題なく営業活動が始められ、旧オフィスの原状回復工事が完了すればオフィス移転は完了です。PMは今回の移転に関する評価や反省を行ない、次回の移転に活かします。

オフィス移転でPMに依頼するときの注意点

オフィス移転でPMに依頼するときの注意点

オフィス移転ではPMに依頼したほうが良いことを説明しましたが、専門の業者に依頼するだけでオフィス移転が確実に成功するわけではありません。外部業者に依頼するときの注意点について解説します。

希望や要望は細かく伝える

オフィス移転のPMでは、綿密に打ち合わせを行なうことが一般的です。その際には完全にお任せにするのではなく、自社のオフィス移転のイメージや要望は細かく伝えておきましょう。

初めての移転のときには、移転が進むうちに疑問点や要望の変更が起こるかもしれません。そのときには遠慮せず、その都度PMに伝えておきましょう。

費用対効果を考慮する

オフィスの移転は外部のPMに依頼する企業のほうが一般的です。ただ、オフィスの規模が小さい企業、すでに移転先や懇意にしている内装業者が決まっている企業、近場で移転がそこまで負担ではない企業では、自社で行なえる こともあります。

かける費用と効果を見比べ、本当にPMへの依頼が必要か検討してみてください。

まとめ

オフィス移転は自社でも可能ですが、新オフィスで問題なく営業を続けるためにはPMに依頼したほうが安心でしょう。オフィス移転のPMは専門知識や経験を活かしつつ、オフィス移転にまつわる業務を進めていきます。

ただし、満足がいくオフィス移転をするためには、要望や意見を細かくPMに伝えていかなければなりません。PMと連携しつつ、オフィス移転を成功させましょう。