ベンチャー企業が初めて賃貸オフィスを契約する時の選び方と押さえるべきポイント

新しい技術やアイデアを元に事業を起こすベンチャー企業は数多くあります。ビジネスを軌道に乗せるためには事業内容が重要なのはもちろんのこと、業務の拠点となるオフィスの立地も重要なポイントです。

東京には様々なオフィス街がありますが、中でもベンチャー企業は人が集まりやすい都心に集中しています。取引先との打ち合わせや交流会などでの利便性を考え、駅チカ物件を選ぶ企業も多いものです。

都心の家賃相場は他のエリアよりも高くなっていることが多いものの、条件をしっかりと絞って選べば良い物件はたくさんあります。譲れない条件を精査しつつ、自治体の支援なども探してみましょう。

ベンチャー企業に最適な賃貸オフィスとは?

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ベンチャー企業とは、独自性のある製品やサービス、技術などを開発することに挑戦する設立年数が数年程度の新しい企業のことです。そんなベンチャー企業が、賃貸オフィス選びの際に重視すべきポイントを3つ紹介します。

コミュニケーションが取りやすいオフィス

ベンチャー企業のオフィス造りにおいては、社員同士のコミュニケーションが活性化するようなレイアウト・デザインを意識するとよいでしょう。例えば、フリーアドレス制の座席、気兼ねなく話せるカフェブースの設置、オープンな休憩スペースなど、コミュニケーションのハードルが下がりやすい環境が理想です。

立地の良いオフィス

オフィスの立地は企業のイメージやブランディングにも大きく関わってきます。一等地にオフィスを借りて信用力をつけたり、同じ業界・業種が集まるエリアにオフィスを借りて企業間のネットワークを築いたり、目的に合わせてオフィスを借りる場所を検討しましょう。

成長にあった規模のオフィス

ベンチャー企業がオフィスの賃貸契約をする・新たなオフィスに移転する時は、今後の規模拡大や社員の増加を見越して行うことが多いでしょう。

オフィスの移転には初期費用や内装工事費用などもかかり、移転後すぐに移転となると負担が大きくなってしまいます。
今後の目標やビジネスがいつまでにどれくらい成長するか、何年後には社員が何名くらいまで増えていそうかなど考えてオフィスを選定することが大切です。

オフィスの種類とメリット・デメリット

ベンチャー企業がオフィスを借りることには メリットとデメリットの両面があり、それはオフィスの形態ごとにも違ってきます。ここではそれぞれの形態のメリット・デメリットを紹介し ます。初めてオフィスを借りる際の参考にしてください。

賃貸オフィス

最も一般的なオフィス 形態は 賃貸オフィスです。 マンションの部屋を借りるようにオフィスビル内の区画を借り、自社のオフィスとして利用します。
多くの場合、内装や家具のレイアウトなどは、自分たちで工事をして自由に変更することが可能です。

メリット
内装やレイアウトが自由にできるので、自分たちにとって働きやすく作業効率が良いオフィスにできる
洗練された内装にすることで来客に「信頼できる会社だ」という良い印象を与えられる
社員の生産性やモチベーションのアップにつながる

■デメリット
固定費として高額の家賃が発生し、経営にインパクトを与える
住居用と違い、敷金・保証金などの初期費用が高額になりがち
契約期間や解約予告期間が長く一度入居したら簡単に移転できない
初期には内装費用、移転時には原状回復費用などがかかる

レンタルオフィス

レンタルオフィスは、基本的なオフィス家具やインターネット回線など、業務に必要な環境があらかじめ揃っている賃貸事務所のことです。

多くは月額制で、設備も利用料に含まれているため、初期費用としては賃貸オフィスと契約するよりかなり安くオフィスを借りることが可能です。
サービスの種類や料金形態にはさまざまな種類があります。

■メリット
賃貸オフィスを借りる初期費用を抑えられる
業務環境を整えるためのさまざまな工事や契約をする手間が省ける
比較的立地の良い場所にオフィスを借りることができる
受付や電話対応などに対応してくれるサービスもある
移転しやすい

■デメリット
同じスペースを複数企業で仕切って使う場合は情報管理に注意が必要
家具の持ち込みができないので、業務環境をアレンジできない

シェアオフィス

シェアオフィスとは、ひとつのスペースを複数の企業や個人がシェアして利用する形式のオフィスです。シェアオフィスも初期費用や賃料を抑えてオフィスを利用する方法として人気です。

個別にスペースが有ることが多いレンタルオフィスと違い、基本的にオープンスペースのデスクをフリーアドレスで利用、もしくはデスクやパーテーションで区切られたブースがあることが多いです。最近はWebミーティング用に個室や専用ブースがあるシェアオフィスもあります。

■メリット
賃貸契約が必要なく月額利用料で自由に利用できる
複合機などオフィスに必要な基本的な機器がそろっている
オフィスの住所として利用できるサービスもある
一箇所だけでなく同じ会社のオフィスなら出先でも利用できることがある
打合せの時だけ会議室を使うなど効率的に利用できる

■デメリット
場所や時間帯によっては混雑する可能性がある
持ち物や情報管理に注意が必要
来客時など信頼性が低いと感じられる恐れがある

SOHOオフィス

「SOHO」とは「Small Office Home Office」の略語で、マンションの一室や自宅を仕事場とする働き方を指します。
住居用物件やすでに住んでいる自宅を利用するため、賃料を節約することができます。

ただマンションの場合、事務所利用がNGという場合もあるため、どんな物件でもSOHOとしてオフィスにできるわけではない点に注意が必要です。

■メリット
住居用マンションなので初期費用が事業用より安く済む
自宅なら事務所部分の家賃を経費として落とすことも可能
自宅なら通勤時間なしで仕事をすることができる

■デメリット
事務所利用できる物件に限られる
自宅の場合、名刺に自宅住所を記載することになる
看板などの掲出ができない場合がある
打合せがしにくい

ベンチャー企業が審査で注意すべきこと

日本ではオフィス賃貸の審査において、ベンチャー企業は一般企業より厳しく審査されるため、審査に落ちる確率も高くなっています。ここでは、そんなベンチャー企業が希望物件の賃貸審査を通過するための重要ポイントを紹介します。

決算書で安定した収益が出せているか

ビルを貸す側として最も気になるのは、その会社が安定して賃料を支払うことができるのかという点です。オフィスの賃貸は比較的高額・長期の契約になるので、トラブルになった際の貸主側のダメージも大きいからです。

そんな中でベンチャー企業が審査に通るには、安定した収益があるとわかることが大事です。決算書3期分などが求められ、赤字がないか、事業が成長しているかなどが審査されます。

創業からまだ十分に時間が経っていない時は、オフィスが借りられないのかというとそんなことはなく、事業計画書などを提出することで審査をしてもらえることもあります。その他、決算書の代わりに会社や代表の預金額などを確認されることもあります。

重要なのはそのビジネスが順調に成長していて、今後も安定して収益を出せると判断できることです。貸主に安心してもらえるような証拠を提出できるようにしておきましょう。

役員の経歴に問題はないか

まだ社員が少ないベンチャー企業では、経営者の学歴や経歴も重要なチェック対象になります。
反社会的勢力ではないかなども貸主が注意して確認している点なので、過去に上場企業との取引があるなどの実績は重要です。

安心してもらえるように学歴や過去の勤務先、これまで関わってきた取引企業などをしっかり記載しましょう。

審査の通りやすさは業種によって違う

貸主としては、借主のビジネスの業界も気になるところです。ここ数年は社会状況が一気に変化して、少し前まで順風満帆でも急に傾くということもあるので、できれば安定したビジネスをしている会社と契約したいと考えています。

また、来客が多い・騒音が発生しやすいビジネスは、環境によっては周囲からのクレームにつながるため避けられる可能性があります。

そもそもビジネスに合ったオフィスを選ぶことが大事ですが、もし貸主に不安を与える可能性があれば、事前に払拭するための情報を伝えるなど対応しておきましょう。

ベンチャー企業におすすめの渋谷駅周辺の賃貸オフィスビル

ここからは、立地や広さ、賃料などからベンチャー企業におすすめできる物件をご紹介します。

まずは渋谷の物件です。若者の街として有名な渋谷は、EC関連など消費者向けサービスを展開しているIT系のベンチャー企業が集約するエリアです。

IT企業同士の交流会なども活発で、意見交換をして事業に反映させることも可能でしょう。再開発の影響で賃貸オフィスの数自体も増えていて、条件にあった物件が探しやすいエリアです。

渋谷エリアのオフィス街の特徴についてはこちら

渋谷ホームズ|渋谷駅 徒歩8分

渋谷ホームズは、公園通りを代々木公園方面に進んだところに立地しているグレーのマンションタイプの物件です。築年数は経過していますが、内装はリニューアル済みです。

ビルから10分以内に「渋谷パルコ」や「西武渋谷店」をはじめ商業施設や専門店、飲食店やコンビニも多いため、周辺環境は充実しています。またビル1階にはカフェが入居しており、食事や打ち合わせにも便利です。

最寄駅の渋谷駅はターミナル駅で、都内各地・横浜方面や埼玉方面へのアクセスも便利です。JR線や地下鉄の複数の路線が乗り入れており、主要なビジネスエリアや観光スポットへの移動もスムーズです。
また、駅周辺にはバスやタクシーも多くあり、利便性が高いです。

最寄駅は、「渋谷駅」A6c出口から徒歩8分です。そのほか、「神泉駅」、「明治神宮前駅」、「原宿駅」から徒歩10~12分と複数駅・複数路線の利用が可能です。

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大沢ビル|渋谷駅 徒歩2分

大沢ビルは渋谷区道玄坂1丁目に立地しています。「渋谷駅」A0出口より徒歩2分です。地下通路があるので雨天の日でもスムーズに移動できます。複数路線が利用できるので主要駅への移動にも便利です。

周辺は賑わいのあるエリアでマークシティも近いです。飲食店が複数入っているので、ランチ時にも利用できます。渋谷駅は複数路線が利用でき、交通のアクセスが抜群です。

大沢ビルの詳細はこちら

ベンチャー企業におすすめの東京駅周辺の賃貸オフィスビル

大手町や丸の内といった日本でも有数のオフィス街が集まる東京駅周辺は、商社や銀行といった大企業が本社を据えています。

2000年前後に行われた再開発によって高層ビルも増えており、物件数自体も多いのが特徴的です。対企業向けのビジネスを展開している企業が多く、ベンチャー企業の誘致も増えていることから様々な展開が狙えるエリアです。

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八重洲境井ビル|東京駅 徒歩7分

八重洲境井ビルは、スタイリッシュなデザインの外観と複数路線からアクセスできる利便性が好条件な賃貸オフィスビルです。
JR山手線「東京駅」東京メトロ半蔵門線「三越前駅」から徒歩7分の物件です。その他にも「大手町駅」「京橋駅」「日本橋駅」等、複数駅・複数路線が利用可能です。

オフィス内にはキッチンやトイレといった水回りだけではなくシャワー室も完備されているため、外回りが多くとも清潔感を持って仕事できるでしょう。
水回りとバルコニーの影響で間取りはやや複雑な形になっているものの、考えてレイアウトすれば不便はありません。

外堀通りから少し入った場所に立地しており、周辺はオフィス街です。付近には飲食店やカフェ、コンビニが豊富なので、お食事には困りません。郵便局や銀行も揃っており便利です。
近くに日本橋高島屋や東京一番街などの商業施設が多数あるので、お買い物も楽しめます。

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新国際ビル|東京駅 徒歩5分

新国際ビルは、帝国劇場と国際フォーラムの間のエリアに位置しています。近隣には有名企業や大手不動産会社所有の超大型ビルが建ち並んでいます。

面積が広く存在感のある建物で、綺麗に管理されており経年を感じさせません。地下1階~1階にはスイーツショップなどの複数の店舗が入居しています。

周辺のビル内や東京駅構内にはレストラン街や商業施設が併設されているので、お食事やお買い物には困りません。
JR山手線・各線「有楽町駅」とは地下で直結しており、「東京駅」も地下通路で繋がっているため移動にも大変便利です。

新国際ビルの詳細はこちら

ベンチャー企業におすすめの新宿駅周辺の賃貸オフィスビル

多くの路線が乗り入れるターミナル駅として発展している新宿駅周辺地域は、古くから幅広い業種の企業がオフィスを構えています。賃貸オフィスが立地しているエリアは広く展開されていて、その分賃料にも大きな幅があります。

その分物件数も多く条件にあった賃貸オフィスが探しやすいのが利点です。駅周辺には商業施設が多いことから利便性も高く、企業向け消費者向け問わずに企業を運営しやすい条件が整っているといえるでしょう。

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中川ビル|新宿駅 徒歩5分

外観だけではなくエントランス、内観ともに白を基調とした清潔感の感じられる建物です。長
方形の建物の中央部分にエレベーターや階段が設置されており、両端にオフィスが展開される形になっていて、水回りは各テナントフロア内の中央部分に設置されています。

そのためオフィス部分は長方形の形で、柱がない構造になっているフロアもあるため柔軟性のあるレイアウトが可能です。

中川ビルの詳細はこちら

同栄新宿ビル|新宿駅 徒歩5分

同栄新宿ビルは、靖国通りに面した場所に立地しています。周囲には新宿区役所をはじめ商業施設やオフィスビルが多く、周辺環境はは充実しています。

1階にはカフェ、2階にはファミリーレストランが入居しているので、気分転換や簡単な打合せに便利です。最寄り駅は、「新宿三丁目駅」・「新宿駅」どちらも徒歩5分の好立地で、複数路線の使用が可能です。新宿駅はターミナル駅で、都内各方面などへのアクセスが良いです。

同栄新宿ビルの詳細はこちら

まとめ

企業戦略を立てていく上で、オフィス選びは非常に重要な要素です。どのようなオフィスをどこに構えるかによっても、その後の展開が異なる可能性があります。それぞれのエリアの特徴を確認し、今後の展開を見据えた賃貸オフィス選びをしていきましょう。