自宅とは別に事務所を借りる場合、コスト面で大きな負担がかかります。そのため、みなさんのなかには、今住んでいる自宅を事務所にしたいと考えている方もいるのではないでしょうか。

事務所兼自宅賃貸には、メリットだけでなくデメリットもあります。また、実際に借りる際には、事前に確認しておかなければならない点もあるため注意が必要です。

そこでこの記事では、事務所兼自宅賃貸のメリット・デメリットや、事務所兼自宅賃貸として法人契約する際の必要書類について、さらに借りる際の注意点について解説します。

事務所兼自宅賃貸のメリット・デメリットとは

事務所兼自宅賃貸のメリット・デメリットとは

事務所兼自宅賃貸は、通勤や賃貸オフィスを借りる際にかかるコストを削減できるといったメリットがありますが、同時にデメリットにも目を向けなければなりません。

まずは、事務所と自宅を一つにまとめるメリット・デメリットについて、見ていきましょう。

事務所兼自宅賃貸のメリット

事務所兼自宅賃貸であれば、自宅から事務所まで通勤する手間が省けるため、その分の通勤時間や交通費の削減が可能です。

また、コスト削減の点でいえば、賃貸オフィスを借りるよりも初期費用やランニングコストを大幅にカットできます。

ほかにも、家賃や電気代・通信費など事業にかかわる費用であれば、一部を経費として計上することも可能です。加えて、仕事と家事・育児の両立がしやすいのもメリットといえるでしょう。

事務所兼自宅賃貸のデメリット

職場と自宅が同じだと仕事とプライベートを混同しやすく、メリハリのない状態に陥る可能性があります。人によっては、「終業後でもリラックスできない」「仕事に集中できずサボってしまう」といったこともあるかもしれません。

さらに、名刺やコーポレートサイトに事務所の所在地を記載する場合は、自宅の住所を記載することになるため、個人情報が知られてしまいます。

上記のほかには、人とコミュニケーションを取る機会が減る場合や、自宅を事務所にしていることで顧客や取引先からの信用度が低くなる場合もあるでしょう。

事務所兼自宅賃貸として法人契約する際に必要な書類

事務所兼自宅賃貸として法人契約する場合は、以下の書類を用意する必要があります。

  • 会社謄本
  • 法人の印鑑証明書
  • 決算報告書
  • 会社案内
  • 法人税納税証明書
  • 本人確認書類
  • 住民票
  • 写真 など

会社案内に関しては、会社の概要がわかるパンフレットなどで問題ありません。本人確認書類には、社員証のコピーもしくは、運転免許証・パスポートなどが挙げられます。上記に加えて、家族で入居する場合は、全員分の顔がわかる写真も必要です。

また、連帯保証人が必要になる場合は、連帯保証人の確約書や住民票、印鑑証明書、収入証明書などの提出を求められるケースもあります。

事務所兼自宅賃貸の注意点

事務所兼自宅賃貸の注意点

住居用の物件を事務所兼自宅賃貸として契約する際は、契約内容や事務所として利用可能な業種かどうかなど確認しておくべきことがあります。

ここからは、事務所兼自宅賃貸を利用するにあたって、気を付けたほうがよい点について確認していきましょう。

契約内容を事前に確認する

住居として借りた部屋を勝手に事務所として利用してしまうと、契約違反として退去させられる可能性があるため注意が必要です。

住居用と事務所用では、それぞれオーナーが支払わなければならない税金が異なります。事務所として貸すほうが税金は高くなり、さらに保険料なども違ってきます。そのため、オーナーの許可を得ずに勝手に事務所にするのはやめましょう。

事務所兼自宅賃貸として利用したい場合は、事前に必ず契約内容に目を通して、事務所として利用可能かどうか確認するようにしてください。

事務所利用が可能な業種か確認する

事務所兼自宅賃貸として借りる物件が集合住宅の場合、隣人や下階の住人とのトラブルを避けるために、事務所として利用できない業種があります。

例えば、エステサロンやネイルサロンなどお客さんの出入りが多い業種や、特殊な機械を導入しなければならない業種は許可が下りない可能性が高いです。

一方でイラストレーターやWebライターなど、インターネットを使用する業種などであれば、問題なく事務所兼自宅賃貸として利用できるケースが多いでしょう。

まとめ

事務所兼自宅賃貸のメリット・デメリットは、以下のとおりです。

メリットデメリット
・通勤にかかる時間や交通費を省ける
・賃貸オフィスにかかるコストを削減できる
・家賃や光熱費の一部を経費として計上できる
・家事や育児との両立がしやすくなる
・仕事とプライベートを混同しやすい
・個人情報が知られてしまう
・人とコミュニケーションを取る機会が減る
・会社や事業の信用度が低くなる場合がある

事務所兼自宅賃貸として法人契約する場合は、会社謄本や法人の印鑑証明書など提出しなければならない書類があるため、事前に準備しておくようにしましょう。

また、今住んでいる自宅を勝手に事務所としても利用してしまうと、契約違反により退去を命じられる可能性があるため注意が必要です。

さらに、業種によっては事務所利用ができないケースもあるため、前もってオーナーや管理会社に確認しておきましょう。