東京23区の西側に位置する中野区は、新宿区や渋谷区に隣接しているエリアであり、早い時期から都心のベッドタウンとして発展してきました。近年はサブカルの聖地としても有名です。
一方、都心へのアクセスが良いことから、中野区はオフィス街としてのニーズも高く、近年は再開発によって駅前に大型のオフィスビルも増えてきています。
この記事では、中野区を中野エリア、本町・弥生町エリア、江古田・新井エリアの3つに分けて、それぞれの地域的な特徴と主要駅をご紹介します。
エリアごとのオフィス事情にも触れているので、中野区でオフィスを検討されている方は参考にしてください。
目次
中野エリアの特徴と主要駅
中野エリアは、中野区のほぼ中央に位置し、西側で杉並区高円寺と境を接するエリアです。中野区の行政の中心地であり、中野区役所や税務署をはじめ、行政機関の多くがこのエリアに集中しています。
また、大学がいくつかあり、学生が多いエリアです。
中野エリアの主要駅は中野駅で、JR中央線・総武線、東京メトロ東西線が乗り入れる駅です。JRを利用することで新宿駅までは5分、渋谷駅や新宿駅までは15分、東京駅まで18分、品川駅や上野駅へも30分以内で移動することができます。
一方、東西線は中野区から西船橋駅を結ぶ路線で、都心部を東から西へ横断するように走っています。乗り換えに便利な飯田橋駅まで15分、都内屈指のビジネス街である大手町駅・日本橋駅までも乗り換えることなく20分~25分ほどでアクセスすることができるので非常に便利です。
中央線や総武線と直通運転を実施しているので、中野駅から西は三鷹駅まで、西船橋駅から東は津田沼駅までダイレクトでアクセスすることができますし、東葉高速鉄道とも直通運転をしているので、習志野や八千代といったエリアへ向かうこともできます。
また、バス便が充実しているのも中野駅の特徴であり、新宿や池袋、渋谷などの大きなターミナル駅へは電車を使わずにバスだけで移動することが可能です。中野駅周辺には、中野ブロードウェイ、中野サンプラザ、中野サンモール商店街などの商業施設が建ち並び、都内を代表する繁華街というイメージを強く持っている人も多いでしょう。
しかし、このエリアでは現在大規模な再開発が進行中であり、今後は街並みが大きく様変わりすることが予想されます。中野サンプラザがあった中野4丁目エリアも、NAKANOサンプラザシティとして商業施設・オフィス・レジデンスが一体となった大型複合商業施設の建設が計画されています。
中野エリアは、中野区でも大型のオフィスビルが多いエリアですが、今後10年ほどの間にさらに多くの大型オフィスビルが建設されることになるため、ビジネス街としてのブランド価値も大きく上昇していくでしょう。
中野駅周辺のオフィスビルの賃料相場は現在14,000円~23,000円ですが、相場も今後上昇することが考えられます。都心の一等地にオフィスを持ちたいと考えているなら注目のエリアと言えるでしょう。
本町・弥生町エリアの特徴と主要駅
本町は、中野区の中東部、弥生町はその南側に位置し、神田川を境に新宿区西新宿に隣接するエリアです。弥生町は弥生時代の遺跡があることでも知られ、地名の由来ともなっています。
本町エリアの主要駅は東京メトロ丸の内線と都営地下鉄大江戸線の2つの路線が乗り入れている中野坂上駅です。
丸の内線を利用すれば新宿駅まではわずか3分、霞ヶ関駅や東京駅、大手町駅など都内を代表するビジネス街へも20分~25分とアクセスは抜群です。西側は、中野坂上駅で荻窪駅方面と方南町駅方面へ分岐しています。
一方、大江戸線は新宿駅を中心に都心部を回る環状線部分と、新宿駅から練馬区光が丘を結ぶ放射部分から構成される路線です。新宿駅まで3分、六本木駅まで16分と、こちらも都内を便利に移動することができます。
このアクセスの良さと新宿副都心に隣接した立地から、本町エリアは中野区でもオフィスの需要が高いエリアの一つです。駅前を中心に山手通りなどの幹線道路沿いには大型のオフィスビルが建ち並び、ビジネス街を形成しています。
オフィスの賃料相場も坪単価14,000円~24,000円と中野駅前と同等であり、大規模なオフィスを探しているならば有力な候補地となるでしょう。
弥生町エリアの主要駅は中野新橋駅です。東京メトロ丸ノ内線の駅で新宿駅までは5分ですが、中野坂上駅止まりの列車もあるので注意が必要です。
新宿から見て中野坂上駅の1つ先の駅ですが、駅周辺の様子は中野坂上駅とは異なり大型のオフィスビルはありません。低層・中層のオフィスビルはありますが、オフィス街の喧騒からは離れ落ち着いた雰囲気がある住宅地が広がっています。
大型の商業施設も少なく、本郷通りに沿って街を縦断するように商店街が走っており、どこか懐かしい雰囲気も感じることができるエリアです。
江古田・新井エリアの特徴と主要駅
江古田・新井は、中野区の北東側に位置する練馬区に近いエリアです。周辺には、新井薬師や北野神社など江戸時代から多くの参拝客が訪れた歴史的・文化的な資源が点在しており、古い寺社街が残るエリアでもあります。
このエリアの主要駅は、西武新宿線の沼袋駅です。西武新宿線は、西武新宿駅から埼玉県の本川越駅を結ぶ路線で、西武新宿駅までの所要時間は12分です。西武新宿駅は、JRなどが乗り入れる新宿駅からは500mほど離れた歌舞伎町にあり、乗り換えの際には不便を感じることもあるでしょう。
ラッシュ時には乗り換えに10分近く時間を要することもあることから、多くの乗客は1つ先の高田馬場駅まで行って山手線や東京メトロ東西線を利用します。高田馬場を経由することで渋谷駅や池袋駅まで20分ほど、大手町駅や日本橋駅へも30分ほどでアクセスすることができます。
新宿駅へ行く必要がある場合には、新江古田駅を利用するのも一つの方法です。新江古田駅はこのエリアの北の端、練馬区との境にある駅で、都営地下鉄大江戸線が乗り入れています。大江戸線を利用すれば新宿駅までは乗り換えなしで15分ですし、麻生や六本木、青山といったエリアへもダイレクトでアクセスすることが可能です。
江古田・新井エリアは、歴史的な建造物が多く哲学堂公園や平和の森公園など自然も多いことから、閑静な住宅地として人気がある一方で、オフィスとしての需要はあまり高くありません。
物件はいくつか見られるものの、どれも小規模なもので、中規模・大規模なオフィスビルを見つけることは難しいでしょう。
沼袋駅周辺のオフィスの賃料相場は10,000~12,000円と中野区では比較的安いので、限られた予算の中で中野区内にオフィスを構えたいという場合にはおすすめです。
まとめ
ここまで、中野区の3つのエリアの特徴と主要駅について見てきました。同じ中野区でもそれぞれのエリアや駅で特徴がまったく異なることがわかっていただけたと思います。
中野区は、比較的古くに建設された低層・中層のオフィスビルと近年の再開発によって建設された大規模な高層オフィスビルが混在しているエリアであり、いろいろなタイプの物件があります。
会社の規模や業種・職種、予算などさまざまな条件に合わせて物件を選ぶことができるので、中野区でオフィスを検討されているなら以下のサイトから検索してみてはいかがでしょうか。