西新井というと、聞いたことがないという方と、西新井大師がある街とピンと来る方に二分されるかもしれません。西新井は足立区にあり、住宅街としても人気がある西新井の特徴や歴史を見ていきましょう。

西新井の特徴

西新井はどのような特徴のある街なのでしょうか。足立区でも有数のベッドタウンとして、ファミリー層を中心に人気がある地域です。主な特徴をご紹介します。

西新井大師のある街

天長の昔、弘法大師が自ら仏像を彫って安置したと伝えらており、由緒正しく歴史あるお寺です。古くより地域内外から信仰を集めており、初詣には多くの参拝客が集まり、年末年始にはテレビCMなども流れます。

毎月1日、8日、11日、21日、28日に行われる縁日も、多くの参拝客で賑わうなど、厄除けやパワースポットとして親しまれているお寺です。中でも毎月21日は弘法大師さまのご縁日であることから、バスや鉄道を使って多くの参拝客が訪れ、参道のお店も大混雑します。

特に草団子が有名で、縁日の度に参拝に訪れては名物の草団子を大量購入し、ご近所や親戚に配るという方も少なくありません。

ファミリー層を中心に多くの人が暮らす住宅街

古くからある住居兼商店街や一戸建てが密集する地域をはじめ、大企業の社宅団地群、さらに民間マンションも続々と誕生してきました。都心部に比べて庶民的な下町風情があり、物価が安めで交通の便も良いことから、子育て中のファミリー層を中心に人気があります。

買い物に便利な商業施設が充実

多くの人が暮らす地域でもあることから、駅周辺には専門店や映画館なども入った大型商業施設があるほか、駅から離れた住宅街にも大型のスーパーマーケットがあるなど、買い物に便利な商業施設が充実しているのも特徴です。

大型公共施設が充実

足立区の文化ホールや、プラネタリウムをはじめとする子ども向けの体験施設を備えたギャラクシティなどの大型公共施設があり、低コストで遊べる場所も充実しています。西新井以外に住む足立区民も訪れるなど、区民にも人気の大型公共施設です。

西新井の歴史

西新井は鉄道をはじめとする交通網の発展とともに、住宅街化が進み、街も発達してきた地域です。
交通の発展の歴史に焦点を当てながら、西新井の歴史を見ていきましょう。

日清紡と東武鉄道の工場とともに発展

東武線の西新井駅が開業したのは、1899年(明治32年)と古く、その当時は北千住駅と埼玉県の久喜駅の間の駅として開業しました。

1918年になると現在の日清紡にあたる東京紡績の西新井工場が西新井駅の南西側に誕生します。また、日清紡の工場のすぐ傍に東武鉄道の西新井工場が完成し、一大工業地帯が生まれました。

西新井大師前駅の完成

西新井大師前駅の完成

昭和に入り、1931年には西新井駅から西新井大師前駅が開通します。これによって西新井駅は工場の町の玄関口、西新井大師前駅は由緒ある西新井大師の門前駅とすみ分けされるようになります。

なお、現在の大師線は1駅しかないため、西新井大師に行くためにわざわざ設けられた路線と思われるかもしれません。実は東武東上線の上板橋駅まで結ばれる計画がありました。

ですが建設を計画していた1923年に関東大震災が発生したことで、すでに路線があった場所の復旧に追われたうえ、路線を開発しようとしていた地域は被災を免れていたために工場や住宅などの移転が進み、用地買収が困難となりました。

そのため、結果的に西新井大師前駅のみで開発が止まってしまい、1駅のみの路線となったのです。

日比谷線との直通運転開始による人口の集中

戦後の高度成長期になると東武東上線は地下鉄日比谷線への乗り入れが開始され、都心部へのアクセスが飛躍的に向上しました。これによって東武東上線の沿線上には大規模団地が次々に形成されていきます。

西新井には日清紡の大型社宅団地が形成されていたほか、民間のマンションなどもどんどん建設されていきました。西新井駅以降の埼玉エリアにも、どんどん人が暮らすようになり、東武伊勢崎線の通勤、通学時間帯はあふれるほどの人で混雑しました。

そこで、1974年には東武伊勢崎線の複々線化や準急列車の運行などにより、混雑の緩和を図っていきます。西新井駅は準急が停車する駅なので人気があり、朝のラッシュ時間帯には多くの人であふれ、準急に乗り切れない人がいる状態が、その後も長く続いていくことになります。

道路網の充実と新交通システム

一方で、1969年には鉄道網だけでなく、道路網も発展していきます。西新井から東西に伸びる環七通りが開通したことで、足立区内を繋ぐ国際興業バスをはじめ、王子駅や池袋駅へとダイレクトに行ける都営バスが通り、バスの利便性も高まっていきました。

さらに2008年になると新交通システムの日暮里・舎人ライナーが開通します。西新井大師西駅ができたことで、JR山手線に乗り換えられる日暮里駅まで14分ほどで行けることになり、ますます利便性が高まっています。

西新井の交通アクセス

西新井には西新井駅があり、東武伊勢崎線が利用できます。

東京でも有数の一大ターミナル駅である北千住駅まで、各駅停車で4駅です。西新井駅のメリットは快速が使えることです。快速を使えば、3つの駅を飛ばして北千住駅に直行できるので、時間がない時などはより便利に鉄道が使えます。

東武伊勢崎線は東京メトロ日比谷線と相互乗り入れしているので、そのまま上野駅や秋葉原駅、茅場町駅、八丁堀駅、銀座駅、日比谷駅、霞ヶ関駅や虎ノ門ヒルズ駅、六本木駅や恵比寿駅など、都心部のオフィス街や官庁街にもダイレクトに行けるのでビジネス利用にも便利です。

一方、東武伊勢崎線でそのままスカイツリー駅まで行けるので、観光にも利用できます。北千住駅で乗り換えれば、東京メトロ千代田線や常磐線、つくばエクスプレスも使えます。東武伊勢崎線は埼玉県と、常磐線やつくばエクスプレスは千葉県や茨城県と繋がっているため、通勤にも便利です。

さらに西新井には、西新井大師駅もあります。これは西新井駅まで1駅の路線ですが、西新井大師近辺にオフィスを構える際には1駅でも時短になります。

新交通システム日暮里・舎人ライナーの西新井大師西駅を使えば、西日暮里や日暮里にスピーディーに出ることが可能です。また、西新井は路線バスも充実しているのが魅力です。

北千住方面をはじめ、池袋方面などの路線バスの本数も多いので、上手に活用することで都内の移動がスムーズになります。西新井にはすぐ近くに環七通りが通っているほか、首都中央環状線の千住新橋ICもすぐなので、車での移動も便利な地域です。

西新井のオフィス賃料相場

西新井のオフィス賃料相場の坪単価は、7,000円前後~9,000円前後です。立地や駅からの距離、周辺環境やオフィスビルの築年数や規模、設備、広さや形状によっても変動しますので、確認が必要です。

まとめ

西新井は西新井大師がある街として、古くからの歴史と伝統がある街です。西新井大師の門前町として下町風情を残しながらも、東京メトロ日比谷線と直通する東武伊勢崎線の快速停車駅として交通の便もいいことから、都心部に通勤、通学する人のベッドタウンとしても人気があります。

足立区でも人気の住宅街であることから、商業施設や公共施設なども充実しており、暮らしやすいエリアです。鉄道、バス、車の交通の利便性も高い一方、都心部に比べて賃料が安いので、オフィスを構えるにもおすすめの地域です。

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