台東区は、東京都23区の北東部に位置したエリアであり、面積が23区で最も小さいのが特徴です。
都内でも最も歴史の古い街の一つであり、現在でも至るところで元禄文化にもとづく下町情緒が感じられるエリアでもあります。
今回は、台東区を4つのエリアに分け、それぞれの主要駅について詳しくご紹介していきます。

上野・谷中エリアの主要駅と特徴

上野・谷中エリアの主要駅と特徴

台東区の西部に位置するエリアで、北側が谷中地域、南側が上野地域です。
谷中地域は、文京区の湯島地域、上野地域は千代田区の下神田地域と接しています。
このエリアの主要駅はやはり上野駅です。

JRに限ってみても、京浜東北線や山手線、宇都宮線、高崎線、常磐線など、在来線だけでも11の路線が乗り入れている首都圏を代表する大ターミナル駅となっています。
これに加えて、地下鉄も東京メトロ銀座線と日比谷線が乗り入れているので、都内各方面へのアクセスは非常に良好であると言えるでしょう。

上野駅は北の玄関口とも呼ばれるように、東北新幹線をはじめとして上越・北陸など各新幹線が乗り入れているため、遠方へのアクセスも優れています。
また、駅は別ですが徒歩圏内には京成電鉄の京成上野駅があり、スカイライナーを利用することで成田空港へのアクセスも容易です。
そのため、出張にも便利に利用できるため、近年は上野駅周辺にオフィスを置く企業も増えてきています。

上野駅周辺はエリアによって異なる特徴を持っています。
駅の北西側は博物館・美術館など公共施設が多く、東京国立博物館、東京都美術館、国立西洋美術館、国立科学博物館、上野動物園などがあるのもこのエリアです。
また、駅前には上野恩賜公園があり、豊かな自然に囲まれた環境の良さも大きな特徴と言えるでしょう。

さらに、北側の谷中地域は関東大震災や第二次世界大戦で比較的被害の少なかったため、古い街並みの残るエリアです。
寺町とも呼ばれるように、大円寺、天王寺、観音寺など仏教寺院が集中していて、落ち着いた雰囲気の住宅街が広がっています。

谷中霊園は東京を代表する墓地の一つであり、徳川慶喜・渋沢栄一・森繁久彌・横山大観・鳩山一郎など、多くの名人が眠っていることでも有名です。
駅の南側、御徒町駅に至る高架下のエリアは、アメ横に象徴される都内でも有数の繁華街・商店街です。

食品やアパレル、飲食店、スポーツ用品店などが軒を連ね、年末には鮭やマグロ、数の子などの食材を求めて大勢の買い物客・観光客で賑わいを見せます。

一方で、駅の東側、地名でいうと東上野周辺は、マンションやオフィスが多いエリアです。
特に上野月島線(東京都道463号線)や清洲橋通りといった大通り沿いには、比較的規模の大きなオフィスビルも見られ、東京7副都心の一つに指定されていることがよくわかる風景が広がっています。

合羽橋・入谷エリアの主要駅と特徴

合羽橋・入谷エリアの主要駅と特徴

上野駅と浅草駅という大きな駅の中間点に位置するエリアです。

エリアの東側を東京メトロ日比谷線が縦断しており、主要駅は入谷駅となります。
日比谷線は銀座駅、日比谷駅、霞ヶ関駅、恵比寿駅など、都内の主要なビジネス街へ停車する便利な路線です。

上野駅や秋葉原駅でJR線に乗り換えることで、新宿駅や渋谷駅、池袋駅などへも30分前後でアクセスすることができます。
駅のすぐ東側に広がるのが入谷地区です。
駅前を東西に走る金美館通りは、かつて金美館という映画館があった通りで、通り沿いには古くからの商店街や飲食店が見られます。

近年は大きなマンションも増えてきており、住宅街としても人気の高いエリアです。
入谷というと「恐れ入谷の鬼子母神」ということわざを思い出す方も多いと思いますが、これは旧入谷町(現在の下谷)にあった入谷鬼子母神(真源寺)のことです。
駅の南側に金美館通りと平行に走る言問通りは、この地域では一番大きな通りであり、道路沿いには大型マンションが多く建設されています。
オフィスビルも比較的多いエリアであり、入谷で賃貸オフィスを探すならこのエリアがおすすめです。

一方、合羽橋地域といえばなんといっても道具街でしょう。
言問通りから南に入るかっぱ橋道具街には、厨房施設や道具を扱う専門店が160件ほど集まった問屋街となっています。
毎年10月にはかっぱ橋道具まつりが開催され、イベントや特売品などを目当てに多くの人で賑わいます。
問屋街に隣接する地域はカフェやレストランなどの商業施設が多く見られます。
また、マンションの建設予定がいくつかあり、今後は住宅街としても注目のエリアと言えるでしょう。

蔵前エリアの主要駅と特徴

蔵前エリアの主要駅と特徴

台東区の南東部が蔵前エリアです。
すぐ北には浅草、東側は隅田川を挟んで墨田区本所に接しています。
このエリアの主要駅は蔵前駅で、都営地下鉄浅草線と大江戸線の2つの路線が乗り入れています。

浅草線を利用すれば日本橋駅や新橋駅などのビジネス街へ10分前後で移動することができますし、大江戸線を利用すれば新宿駅や飯田橋駅、汐留駅などへもダイレクトでアクセスすることができる利便性の良さが大きな特徴です。
なお、浅草線の蔵前駅と大江戸線の蔵前駅は同一駅ではありますが、地下で接続されているわけではないので、乗り換える際は一度地上へ出る必要があります。

蔵前という地名は、江戸時代に幕府の米蔵がこの地にあったことに由来し、その流れから現在も問屋が多く見られるエリアです。
特に玩具や花火の問屋が多く、バンダイやエポックといった玩具メーカーが本社を構えていることでも知られます。

駅の西側は住宅地や商業地が広がっています。
大型の商業施設はないものの、スーパーマーケットなど日頃のお買い物に不便を感じることはないでしょう。
蔵前橋通りや国際通りなど、大きな道路沿いには中・小規模のオフィスビルも何件か見られます。

一方、駅の東側は隅田川に面するエリアで学校や区の施設が多かった場所ですが、大規模な再開発により2023年に複合施設である蔵前JPテラスが完成するなど、注目のエリアとなっています。

浅草エリアの主要駅と特徴

浅草エリアの主要駅と特徴

台東区の中央荷位置するエリアで、主要駅は浅草駅です。
東京メトロ銀座線、都営地下鉄浅草線と地下鉄が2路線乗り入れているので、都心へのアクセスはもちろんのこと、羽田空港・成田空港のどちらへもダイレクトにアクセスできます。
出張などで便利に利用できるでしょう。

さらに、つくばエクスプレスや東武伊勢崎線も利用できるので、埼玉・千葉方面への移動にも便利です。
浅草といえば日本を代表する観光地であり、日本国内からだけでなく海外からも多くの観光客が訪れます。

そのため、駅周辺には観光客目当ての商業施設が軒を連ねています。
ただし、繁華街から少し離れると住宅街が広がっており、特に北部は昔ながらの下町の雰囲気が残る地域です。
観光都市のイメージが強い浅草ですが、台東区では上野エリアに次ぐオフィス街という顔も持っています。
特に江戸通りといった幹線道路沿いには、比較的大規模なオフィスビルも増えてきています。
進行中の再開発計画もあるので、今後はオフィス街としても注目のエリアと言えるでしょう。

まとめ

ここまで、台東区の主要駅について詳しく見てきましたが、いかがでしたでしょうか。
台東区といえば下町の雰囲気が今もなお強く残っているエリアであり、浅草やアメ横に象徴されるように、どちらかといえば観光地的なイメージの強いエリアでもあります。

しかしながら、都心から近くて交通アクセスが良く、新幹線が通っていることで、出張などにも便利に利用できるため、近年はオフィスとしての需要も高まっています。
都内としてはオフィス賃料も比較的リーズナブルなので、都内でオフィスを探している方にとっては注目のエリアと言えるでしょう。
ぜひ検討されてみてはいかがでしょうか。

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