オフィスの移転には、さまざまな費用がかかります。なかでも、家具などの什器にかかわる費用は、人数や選択の仕方によってかなり幅があります。

しかし、事前に計画して工夫すれば、コストパフォーマンスを上げることが可能です。

この記事では、オフィスを移転する際の什器費用を見積もるうえで役立つ知識をまとめていきます。必要な什器の種類や購入計画の立て方も解説しますので、オフィスの事務担当の方はぜひ参考にしてください。

什器費用は状況や予算によって大きく変わる

什器とは、日常生活で使う家具や道具、器物のことです。

移転にともなうオフィス什器にかかる費用は、新規購入する場合の目安として1人当たり5万円~30万円程度 とされ、かなり幅があります。

また、什器を新調する以外にも旧オフィスからの移動、中古品購入やレンタルという選択肢もあり、費用は状況によって大きく異なります。

予算によっても選択肢は広がりますが、事前に必要な知識を持つことで、予算に合わせた最適なオフィス什器をそろえられるでしょう。

什器の購入には入念な計画が必要

オフィスで使うものはほぼ什器であるため、選択肢が無数にあります。そのため、無計画に購入すると不要なものやオフィスに合わないものまで購入してしまい、余分に費用をかけることになりかねません。

特に近年では、定期的にテレワークを導入する企業が増え、オフィス機能は著しく変化しています。什器の選択や入手方法を決めるうえでは、多様化する社員の働き方を考慮することも欠かせないでしょう。

そのため、什器の購入にあたっては現状を加味し、予算配分も含めてしっかりと事前計画を立てることが大切です。

オフィスに必要な什器の種類

オフィスに必要な什器の種類

オフィスで使用する什器は、用途別に考えると整理しやすくなります。

ここでは、共有スペースなど全体で使用するもの、事務所の個々のスペースで使う人数分が必要なもの、その他に分類してご紹介します。

全体として必要な什器

会議室はもちろん、最近では個々のデスク周りにも、ちょっとしたミーティングスペースを設けるオフィスが増えています。人数や使用用途に合わせてテーブルや椅子、ホワイトボードを用意しましょう。

応接室にもソファーやテーブルが必要ですが、会議室やミーティングスペースを活用することも検討できます。

事務スペースには、資料を収納する書庫なども必要です。オープンタイプや両開き、引き戸など多様な製品があるので、実際の使い勝手を考えて決めていきましょう。

それ以外にも、パーテーション、コピー機やWi-FiルーターなどのOA機器、金庫(耐火・盗難防止機能つき)などは、業種にかかわらず多くのオフィスに必要な什器といえます。

人数分必要な什器

使用するメンバーの数だけ必要な什器には、デスクやワゴン、椅子があります。このほかにも重要な什器として、パソコンやその周辺機器(種類によってはディスプレイやキーボード、マウスも含む)が挙げられます。

人数分必要な什器の選択には、個々の使い勝手も考慮しましょう。

その他

上記でご紹介したもの以外に、いくつか触れておきたい什器があります。

まずは電話です。かつて、デスクごとに必ずあった固定電話は廃止されつつあり、内線・外線・通話の転送が可能な携帯端末やスマートフォンを社員に支給する企業も増えています。また、インターネット回線のみの環境で電話使用できる機能も充実してきました。

オフィス内にリフレッシュスペースを設ける場合は、冷蔵庫や食器棚、ウォーターサーバー、自動販売機を設置することも考えられます。清掃業者が入る場合も、簡単な掃除セットがあると便利です。

見落としがちですが、ゴミ箱や傘立て、かけ時計、加湿器、空気清浄器なども必要に応じて検討しましょう。

購入計画を立てる場合の工夫と注意点

購入計画を立てる場合の工夫と注意点

オフィス什器のイメージがつかめたら、いよいよ購入計画を立てます。まずは必要なものの優先順位をリスト化し、準備する方法を決めましょう。

什器を選ぶうえで重要なことは、業務のしやすさです。個々の什器に焦点を当てすぎると、全体としてのバランスを見落としやすいので、動線やレイアウトを意識します。

また、安全性や耐久性を考えることも大切です。オフィスの什器は、家庭のものより強度が必要になります。その分金額も上がりますが、社員の安全を第一に考え、しっかりとしたものを選びましょう。

こうした要求に応えるためには、購入計画にも工夫が必要です。新規購入するだけでなく、スペースやレイアウトに問題がなければ、旧オフィスからの移動も積極的に検討することをおすすめします。

中古品購入やリース・レンタル、定額制で利用できるサブスクリプションサービスの利用も可能です。それぞれにメリット、デメリットがあるため、事前によく調べておきましょう。

さまざまな方法をうまく組み合わせれば、自社のコンセプト、状況や予算に合った新オフィスづくりを実現できます。

まとめ

オフィス移転の理由はさまざまですが、近年では出社率の低下によるオフィスのフリーアドレス化(社員の席を固定しないこと)を目的とする企業が増えています。

この場合、新オフィスの機能は旧オフィスとはまったく変わり、個人のスペースに必要な什器も異なります。

いずれにしても、移転によって新たにどのようなオフィス空間をつくるかをしっかりイメージしながら、什器の選択や購入計画の立案をしていきましょう。