「新しく借りるオフィスの敷金を抑えたいが、方法がわからない」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
費用の内訳を知ると計画的にオフィス移転を進められます。
この記事ではオフィス移転にかかる敷金の相場や注意点、敷金を抑えるコツについて解説します。費用を抑えるコツを理解すると、より良い条件でオフィス移転ができるでしょう。オフィス移転をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
オフィス移転の際に必要な初期費用
新たにオフィスを契約する場合、敷金と礼金がかかります。なぜ支払う必要があるのか以下で解説します。
敷金(保証金)
敷金は、借主が賃貸物件を利用する際にビルのオーナー様に支払う費用です。
一時的に預ける用途ですが、オフィスの内装工事をした場合は契約終了時に物件を元の状態に戻すための費用にあてられるため、敷金が返金されないケースもあります。敷金の額は物件や契約条件により異なりますが、通常は賃料の数ヵ月分が一般的です。
礼金
賃貸契約は初回の賃料とともに礼金が求められることが一般的です。
敷金と同様に、礼金の額も物件や契約条件により異なります。礼金はビルのオーナー様への謝礼金として支払うため、退去時には返金されない費用です。
敷金(保証金)の費用相場
オフィスの敷金相場は、一般的な住宅の敷金よりも高く設定されています。オフィスの場合、退去時に物件を元の状態に戻す原状回復費用が多額にかかるからです。
敷金は物件の規模や立地条件により異なりますが、一般的な目安として賃料の6~12ヵ月分に相当する金額が求められます。大きなオフィスや人気のある立地の物件ほど敷金が高く設定されるでしょう。
金額が大きくなるため、オフィス移転を検討する際は敷金相場を把握し、事前に予算を計画します。ルールや法律で定められておらず、物件の特徴やオーナー様の希望により変動するため、複数の物件を比較検討しましょう。
オフィス移転時の敷金に関する注意点
敷金が返還されることを見越して、次のオフィスの頭金に活用できると考える人もいるかもしれません。しかし、敷金の返還をあてにすると厳しい状況に陥る可能性があります。安心してオフィス移転を成功させるためには、以下の注意点を確認しましょう。
- 契約終了後、すぐに返金されない
- 原状回復費用が引かれる
- 償却費が引かれる
- 返還される敷金は次のオフィスの頭金にできない
契約終了後、すぐに返金されない
オフィス移転時に支払った敷金は、退去後すぐに返金されるわけではありません。退去後の原状回復工事が完了するまで契約が継続されている状態で、敷金は退去後の物件の状態を元に戻すための保証費として使われます。
敷金の返金時期は契約書に明記されているため、契約をする際にしっかり確認しましょう。一般的に、原状回復工事が終了して物件がオーナー様の希望に合致した状態になったか確認された後に敷金の返還手続きが行われます。
原状回復費用が引かれる
オフィス移転時に支払った敷金は、全額返金されない場合があります。退去時にオフィスを元の状態に戻すための原状回復費用が敷金から差し引かれるからです。
原状回復費用は敷金からカバーされる場合がほとんどです。しかし、物件の使用状況や契約条件により異なるため、敷金から引かれる費用の具体的な内容は契約書やオーナー様に事前に確認しましょう。
償却費が引かれる
原状回復費用はオフィスの内装を元に戻すための費用ですが、償却費は設備や装置など長期的な使用による劣化や減価償却を考慮した費用です。
そのため敷金の返還金額は「敷金(保証金)-原状回復費用-償却費」となります。償却費の有無や原状回復費用の詳細は、契約書に明記されているため、原状回復費用と同様に契約前に把握しておきましょう。
返還される敷金は次のオフィスの頭金にできない
敷金は前のオフィスを退去した後に、その物件の原状回復費用や償却費用を差し引いた残額として返還されます。そのため敷金は、返還額を予想できず、かつ返還時期も遅いため、次のオフィスの頭金として使えないケースがほとんどです。
敷金の返還が確定している場合でも、次のオフィスの賃貸契約に必要な頭金を別で用意しておきましょう。
オフィス移転の際に敷金を抑えるコツ
多額にかかるため、敷金を少なくしたいとお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、一般的な賃貸契約の場合、敷金の交渉は非常に難しいです。敷金を抑えたい場合は、以下の方法を試しましょう。
- レンタルオフィスを契約する
- 不動産業者と契約する
- 賃料の低い物件を検討する
レンタルオフィスを契約する
レンタルオフィスの場合、初期費用がかからず、賃料だけで事務所を利用できます。また、始めから仕事環境が整備されているため、契約後の内装工事費が必要ない点も大きなメリットです。
不動産業者と交渉する
不動産業者との交渉は、費用を抑えるうえで重要なポイントです。
口コミや紹介などで評判の良い不動産業者を選定し、敷金を抑えられるか相談しましょう。交渉の際は、予算を明確に伝え、希望条件を理解してもらうことが大切です。
交渉する際は、他社や周辺オフィスとの比較がカギになります。ただ交渉するのではなく、論理的に交渉しましょう。
賃料の低い物件を検討する
敷金は一般的に賃料の6~12ヵ月分とされています。そのため、賃料が低い物件を選ぶと必然的に初期費用を節約できるでしょう。
しかし、賃料が安い物件にはいくつかのデメリットもあります。築年数が経過していたり、立地が不便だったりするかもしれません。オフィス環境が従業員の満足度に影響を及ぼす可能性もあるため、費用以外を考慮した慎重な検討が必要です。
費用と従業員満足度とのバランスを考えながら、必要な条件を満たす物件を選びましょう。
敷金の返還額を増やす方法
敷金は、返還される可能性がある費用です。オフィス移転後に返還される敷金を最大化する方法を以下で解説します。
オフィスのオーナー様と交渉する
オフィスのオーナー様との交渉次第で敷金の返還額が増える可能性があります。次のポイントをおさえて交渉しましょう。
- 原状回復費用の削減
- 領収書や明細の整理
- 入居時のオフィスを撮影する
- 良好な関係構築
オフィスの原状回復費用を削減できる部分をオーナー様と協議したり、敷金から引かれる費用を整理し、正確な金額を示したりすることで返還額の増加につながるでしょう。
また、入居時のオフィスの写真を撮影しておくことで退去時と具体的に比較できます。普段からオーナー様との良好な関係を築くと交渉をスムーズに進められるでしょう。
御社から直接内装工事を業者に依頼する
オーナー様が指定した業者以外で、原状回復費用の見積もりを取ってみましょう。
自ら見積もりを取ることで、具体的な原状回復費用が明確になります。原状回復費用の算出基準は曖昧で、オーナー様により異なる場合があるため、妥当な費用かの確認が必要です。
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オフィス移転の際は敷金返却時期に注意
敷金は満額で戻ってこない場合があり、原状回復工事が終わるまで返却は行われません。
また、旧オフィスの敷金は新オフィスの敷金に充てられず、返還額が予測できないためオフィス移転の際は予算を多めにとっておきましょう。