東京で首都直下型地震が起こる確率は7割だと言われていますが、もしも東京の賃貸オフィスで働いている時に地震が起こったらどうなるのでしょうか。
企業には社員の命を守る義務と責任があります。しかし、いつ起こるか分からない巨大地震の地震対策はどこまですればいいのかとお考えの方も多いです。有効な地震対策が、会社の存続はもちろん社員の安全性を高めるカギになります。
今回は、東京にある賃貸オフィスの地震対策について詳しくご紹介します。
目次
オフィスで地震対策が必要な場所は?
今や東京に限らず、日本全国のオフィスで地震対策は必須だと言われています。しかし、実際の所、地震対策の専門家に対策の内容を見てもらうことは難しく、自社内でできる対策を行っている企業が多くなります。一般的なオフィスには次のような場所に危険が潜んでいます。
扉が付いていない書類棚
地震で棚が傾き、中の書類がすべて滑り落ちてくることがあります。怪我の危険があるだけでなく、通路を塞ぐことになります。
背の高い家具の上の荷物
背の高い家具は重心が難しく、傾いた時に上に載っている荷物が落ちてきてしまう可能性があります。
ガラス製の家具
万が一の際に割れて飛び散ると避難の際に怪我を負います。
出入り口付近の家具や荷物
出入り口に付近に置いてある荷物や家具は、万が一地震で転倒してしまうと避難経路を防ぐことになります。
簡単に動くパーテーション
パーテーションは動きづらく倒れにくい設置方法を考える必要があります。
普段何気なく仕事をしていたとしても、いざという時のことを考えると賃貸オフィスには様々な危険が潜んでいます。日本は地震大国でもあり、いつ大きな地震が起こるか分かりません。いざという時のことを考え、安全に避難できるよう地震対策を行うことが重要です。
家具を固定するグッズも多く販売されているため、地震で家具が倒れて避難できないということが無いよう、賃貸オフィスの安全性を確認しておきましょう。
オフィスの地震対策方法3つ
東京の賃貸オフィスで地震の災害リスクを軽減するためには、どのようなオフィスレイアウトを考えれば良いのでしょうか。
必要なポイントを確認してみましょう。
1.収納等のスペースの工夫
・仕事をするスペースと収納スペースは別にする
執務スペースのデスク下はいざという時の避難場所です。避難できる空間をしっかり確保できるよう、荷物は別の場所に移動しましょう。
書類などをまとめておいておく場合は、執務スペースのすぐそばではなく、万が一揺れで倒れてきたときにも安全に逃げられるスペースを確保できる場所に配置しましょう。
・重たいものを棚の上などに置かない
待機中や避難中に上から落ちてくると危険です。重たいものは棚などの下の方に置くことで棚自体の重心を下げることができ、転倒防止にもつながります。
また、窓際に置くといざという時にガラスを割ってしまう可能性もあるため、注意しましょう。
・元々ある家具は地震対策をしておく
転倒防止用のストッパーやマット、ポールなど様々な対策グッズがあります。家具などの特性を考え、必要な地震対策を行っておきましょう。
2.家具の選び方
・ガラス製の家具などは避ける
必要があって使用する場合は、ガラスが割れてしまった時のことを考え、オフィスの中央付近には配置しないようにしましょう。
飛散防止フィルムを貼っておく、強化ガラス製のものを選択するというのも有効です。
・執務スペースには、できるだけ背の低い家具を選ぶ
背が高くなるほど倒れやすいため、転倒を防止するのであれば背の低いものを選びましょう。特に壁際ではない位置に一つだけ背の高い収納家具などを置いてしまうことは危険なため、設置する場合は壁際にし、転倒防止ベルトやL字金具などを活用することがおすすめです。
・テーブルやイスなどは固定できるものを選ぶ
テーブルやイスなどは固定できるタイプのものが安心です。後付け可能な補強金具なども販売されているので、しっかり耐震補強を行いましょう。
3.避難経路確保の工夫
・通路に物を置かない、通路に倒れるような家具は配置しない
いざというときの避難経路を塞がないための工夫です。日頃から通路にはモノを置かないよう心がけることが大切です。
このほかにも、収納家具はできるだけ鍵付きのものを選び、使用しないときは鍵をかけておくことも、収納したものが流れ出てくることを防止することにつながります。日常の手間にならない範囲で、このようなちょっとした工夫を取り入れてみるのもおすすめです。
オフィスに必要な地震対策グッズ
災害避難用の防災グッズの必要性が高まっている中、自宅には用意しているけれどもオフィスにそうしたグッズはない、ということも多くあります。しかし、オフィスは社員が一日の大半を過ごす空間であり、勤務中に災害が発生する可能性も十分にあり得ます。
そこで、オフィス内にもいざという時の防災グッズを置いておくことがおすすめです。
【避難用 防災セットの一例】
- 数日分の食料品(非常用食料)
- ペットボトルなどの飲料水
- 毛布などの簡易寝具
- 簡易太陽光発電器具
- ヘルメットや防災頭巾
- マスクや簡易ゴーグル
- 簡易トイレ
- 乾電池や充電池
- 救急セット
- ラジオ
特別なものは必要なく、一般的なもので十分です。
特に地震の場合はいつ余震が来るか分かりません。地震が起きてすぐに避難するのではなく、一時待機する可能性も考慮し、数日間は過ごすことができるような工夫がなされているとベストです。
まとめ
太平洋側沿岸をはじめ、東京近郊は大きな地震が起こる確率が高い地域です。いざという時のための対策は必要ですが、単に突っ張り棒などで家具が倒れないようにするだけが地震対策というわけではなく、防災グッズを常に準備しておくことも重要です。
大地震でも社員の生命を守り、帰宅困難時にも少しでも安全に過ごすことができるよう、オフィスの安全性を考えていくことは今後ますます必要となってきます。
安心して仕事をするためにも、地震対策がきちんと行われているのか確認しておきましょう。